千望峠から、道道510号などをつないで、美瑛町、「北西の丘展望公園」にやってきた。
ここで、トイレを借り、自販機で飲み物を買った。
良く晴れ、青空が広がり、山のところから上昇気流で積雲ができ始めている。
広がる丘は、大雪山系の火山噴火による火砕流、土石流によってできたもの。
すさまじい噴火活動だ。
ここ、北西の丘展望公園からは、どちらに走っても美瑛の丘を巡る道を楽しむことができる。
今日は、時間もないので、美瑛町の北西側、この近くだけをくるっと回ったら帰ることにしよう。
両側の大きな木の真ん中に小さな木があって、親子みたいに見えるということで名づけられている。
ここは、なだらかな丘陵の稜線を行く道。
このように、見晴らしもいい。
人もしばらくはいなくて、丘の風に心地よく吹かれることができた。
この観光地で、夏で、晴れて、昼間で、こんなに空いているのは、本当に珍しい。
その向こうに小さな谷があり、また奥に丘が続いている。
昼が近くなると、山の上昇気流は時として入道雲になる。
今日はまだ、そこまで大地が温まっていないようだ。
積雲が連なり、流れていく。
ポプラは短命の木で、100年を越えると、だいぶ老木だ。
この木は何年ぐらいだろう。
幹がすかすかで家具にもならず、薪としてもあまり優秀でないポプラは、パイオニアプランツ。
発育が早く、早く老化して朽ち、その間に足元の土を豊かにする。
やがてその土を糧として、別の木が育っていく。
あの木はきっと、畑の持ち主が目印に植えたものではないだろうか。
そうしたシンボルツリーは、美瑛や富良野だけでなく、北海道のいろんな場所で見ることができる。
美瑛や富良野の風景は、写真家と、テレビのCMによって一気に人気になり、さらにテレビドラマ「北の国から」の人気が、観光地としての富良野を不動のものにした。
もちろん、それからもう40年、人々のさまざまな工夫や努力が、富良野、美瑛の観光地としての人気を保っている。
今から引き返して、夕方より前には帰りたい。
そう、明日(6月24日)は仕事があり、その準備を今晩しなければならないのだ。
久しぶりに訪ねた美瑛の丘。
観光地化はさらに進み、風景も少しずつ変わっていた。
イメージもさらに手垢にまみれたものになってきているかもしれない。
しかし、いいものはいい。
基本的には農の風景。
命をつなく、食糧生産の現場が、この富良野の丘の風景なのだ。
そうした営みが、続いていることが、北海道の強さでもあり、魅力でもあるのだと思う。
ただ走り回り、通り過ぎていく僕とゆきかぜ。
風景の中で、少しの後ろめたさと申し訳なさと、大きな解放感や幸福感を感じて、
その両義的な感覚にすこしくらくらする……。
それもまた、旅というものの、醍醐味のひとつなのかもしれない。
さあ、帰ろう。ゆきかぜ。
安全運転で。
(丘、快晴 完)
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