2021年6月19日

夏の光(3)

 
オロフレ峠を降りてきて、太平洋岸、国号36号を少し苫小牧方向へ走り、白老から道道86号線へ入り、大滝方向へ抜けていく。
この道は、「四季彩街道」と言う名前らしい。

道は白老川を遡り、ホロホロ山(1332m)の2kmほど北東の尾根筋をトンネルで越える。
この道の開通は1998年、比較的新しく、今でも冬期(1~4月)は積雪通行止めになる。

峠は大滝側が比較的緩やかで、白老側は急峻な谷をトンネル、覆道、橋で駆け上る道で、難工事だったらしい。

峠はこの道の開通まで存在しなかった(大正期に一度道が通っていたらしいが、車道ではなかった)ため、新しく名前が付けられた。公募の末、2002年にホロホロ峠とつけられた。
峠のトンネルの標高は600m。



白老側から大滝へ向かって、もうすぐ峠と言うところ、道道のカーブのところにあるのが見える。
高さは30mほどらしいが、気持ちのいい滝だった。
少し休憩し、滝を眺めた。


この写真は、アクションカメラで撮った動画からの切り出し。
なかなか難工事だったことが、こうした光景からもうかがえる。



しかし、そこまで交通量が多くもないこの道を、そんなにまでして開通させたのは、どうしてだろう。
ライダーとしては、交通量がそんなに多くない峠道で苫小牧をカットして支笏湖や中山峠方面に行けるのは、ツーリングルートとしてもうれしい限りなのだが。



そろそろ昼も近い。
トイレ以外寄らない「縛り」で敢行した今日のツーリング。
実は今日、昼飯をもってきていないので、そろそろ帰らなくてはならない。
血糖値が上がり過ぎるのも健康に良くないが、低血糖状態でライディングするのも、安全上好ましくない。

次回は、少し食べ物も持ってくるようにしよう。

6月下旬は雨や曇りの日が多いことが予想されている。
夏至の強い日差しを受けるのは、今日がピークだったか。
洞爺湖、オロフレ、ホロホロ峠と、天候に恵まれ、太陽の光の輝きの下、十分にゆきかぜと走ることができた。

リモートへの切り替えや、新しい仕事の要領を憶えたり、今までの仕事のやり方をかなり変えたりと、変化への対応に、この2ヶ月半は追われまくった感じだった。
思ったよりも走れていないのは、コロナウィルス感染症のせいだけではない。

「少し力を抜き、切り替えを意識的に行い、もう少し、ゆったりと走ることが必要だ…。」
「明日の仕事をどうやってこなそうか…」ではなく、こんなふうに考えることができたことが、今日のツーリングの最大の収穫なのかもしれない。

アイディアは、根詰めて考えている時には降りてこない。
いろいろ試行錯誤し、考え詰め、その後で「寝かせる」ことが大切なのだ。
「抜く」ことで、どんなに根詰めても突破できなかったブレイクスルーの糸口が、ふっと下りてくることがある。

人生のいろんな場面で、僕のその瞬間は、多く、バイクを走らせているときにやってきた。
それを期待したからと言って、そこに意識が行くと、アイディアは降りてこない。
走らせること、または、ツーリングを楽しむことに浸れた時、自分を縛る縄がほどけて、ブレイクスルーに到達することがあるのだ。

いや、それは、おまけだ。
そういうのがなくても、走るだけで、幸せなのだから。
それでいい。

また、走りに行こう。ゆきかぜ。

(夏の光 完)


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