五稜の丘を後に、ゆきかぜと僕は、美瑛の丘を彷徨う。
セブンスターの木を過ぎ、カーブを曲がると、向こうに見えるのは、親子の木だ。
ずっと前から、あの姿のままだが、
剪定して3本の木のバランスをとっているのだろうか?
晴れて陽射しがあたたかく、少しポカポカしてきた。
さすが、ペアスロープの防寒性能は高い。
美瑛の丘はどこをどう走っても、農の風景が美しい。
同じ場所から前方を写すとこうなっている。
秋も進み、収穫も進んで、畑も土色を見せている部分が多くなってきている。
1970年代にこの美瑛の風景が相次いでたばこの宣伝に使われた。
セブンスターの木、マイルドセブンの木などと呼ばれるのがそれらで、
大きなポプラのケンとメリーの木は、いわずもがな、日産スカイラインの宣伝似使われた木だ。
もともとあまり知られていなかったこの地を、美的観点から掘り起こし、一躍全国区にしてしまったのは、写真家、前田真三だった。
今では、北海道定番の観光地になっている。
うねる丘、その中に続く道。
紅葉を始めた山々。
いい景色だ。
どうも身体の調子が今一だ。
何年か前に、小雨の美瑛から頭痛と腰痛が酷くて引き返したこともあったが、
今日はそれほどではないにしろ、少々疲れが来ている。
昔は徹夜明けで走ったものだったが、さすがに寄る年波か。
もう少し走っていたいが、あまり足を延ばさずに、早めの帰還と行こう。
ここから帰りのルートを考え始める。
そうは言っても、やっぱり丘は走りたい。
そう、もう一周走ったら終わりにして、帰路に就こう。
ちょっと早いが昼にして、ここから帰って行くことにする。
昼はローソンのおにぎりと、森永のカフェオレ。
この組み合わせ、僕の15年来の定番だったりするのだ。
さて、南下しながら、ちょっとだけ寄り道して帰ることにしよう。
ゆきかぜはすまし顔。
この10年で体力が落ちてきたは、どうやら僕だけだったようだ。
それにしても、ゆきかぜにも食事(給油)をしておかねば。
200km走ったら、帰るまでに400kmになる。ワンタンクでも走れるが、途中でガス欠の心配をしながら走るのは、もったいない。今から、ガソリンスタンドによって、給油することにする。
こうやって、少しずつ、用心深くなっていくのは、何度か失敗をしてきているから。
しかし、それらの失敗も、記憶としては苦いものではない。
無謀さ、若さ、感動を徐々に失い、代わりに、慎重さ、熟成、手際を覚えていく。
実は、それらはどちらかが優れているというものではないということを、
最近、少し感じるようになってきた。
さあ、僕の食事は終わり。
ゆきかぜ、ハイオクを満タンにしよう。
(つづく)
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