2021年10月3日

海へ(4)

鳥居を抜けて、神威岬へ歩いていく。


西南の海。
積丹半島の西岸が南へつながる。




東の海。
向こうに見えているのは、積丹岬だ。



振り返ってみる。
鳥居からはこんな道。
時折、グレーチングの橋が架かっている。
グレーチングは階段になることも。
歩道が整備されているが、もしもなければ、とても険しい道のりだ。



岬の灯台が見える。ここらで半分か。
龍の背骨のような峰と、道が連なる。




積丹ブルー。
漁船が一艘、走っていく。



岬の突端に。
神威岩。


海はいつも風が吹いている。
今日は弱い方だろう。

それでも帽子なら飛ばされそうな、風に吹かれて突端に立つと、何か不思議な気持ちになる。

僕のような観光客が、けっこういて、密とまではいかないが、閑散としているとはとても言えない。

早々に立ち去ろう。

また、いつか、ここに立とう。

岬に立つと、なぜかいつもそう思うのは、僕は岬がきらいではないのか。

時間帯を考えれば、人はこれからさらに増えるだろう。
とにかく、ゆきかぜのもとへ、早く帰るとしよう。

岬はいつも、僕をいざなう。
岬はいつも、もう一度来ようと僕を思わせる。
しかし、岬は、いつも、僕を引きとめない。
僕は岬に背を向け、引き返す。
(海へ つづく)



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