鳥居を抜けて、神威岬へ歩いていく。
積丹半島の西岸が南へつながる。
向こうに見えているのは、積丹岬だ。
鳥居からはこんな道。
時折、グレーチングの橋が架かっている。
グレーチングは階段になることも。
歩道が整備されているが、もしもなければ、とても険しい道のりだ。
龍の背骨のような峰と、道が連なる。
漁船が一艘、走っていく。
神威岩。
今日は弱い方だろう。
それでも帽子なら飛ばされそうな、風に吹かれて突端に立つと、何か不思議な気持ちになる。
僕のような観光客が、けっこういて、密とまではいかないが、閑散としているとはとても言えない。
早々に立ち去ろう。
また、いつか、ここに立とう。
岬に立つと、なぜかいつもそう思うのは、僕は岬がきらいではないのか。
時間帯を考えれば、人はこれからさらに増えるだろう。
とにかく、ゆきかぜのもとへ、早く帰るとしよう。
岬はいつも、僕をいざなう。
岬はいつも、もう一度来ようと僕を思わせる。
しかし、岬は、いつも、僕を引きとめない。
僕は岬に背を向け、引き返す。
(海へ つづく)
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