積丹半島、神威岬を後にする。
いつもなら、来た道を帰らず、半島をぐるっと回って、神恵内村から泊村へと向かうところだが、疲労が溜まり、体力も残りわずか。
今日は早々に来た道を引き返すことにする。
国道229号線を、淡々と帰った。
半島もあとわずか、ろうそく岩も過ぎてもうすぐ余市の町。
そう思ったところで、国道の標識が目に入る。
「白岩」
国道の旧道だ。
ちょっとだけ、寄り道してみる。
ちょうど、休憩してみたかったところだ。
旧道に入ってすぐ。
こんな風景が待っている。
なんて奇岩だ。
なんて奇岩だ。
右の鳥居が建っているのが、ぽっちゃりしているので恵比寿岩。
左の倒れそうなのが、烏帽子に似ているから烏帽子岩だ。
これは尻場山と、シリパ岬。
岬の向こうは余市の街だ。
積丹半島らしい、険しい岩塊、断崖と青い青い海だ。
大きな石をたくさん中に取り込んだ、不思議な岩だ。
この岩は記憶にある。25歳のころ、国道沿いに見ていた岩だ。
このまま風化が進み、いつかは折れて海へ沈むのだろう。
さて、この場所の名前は白岩。
さて、この場所の名前は白岩。
白岩海岸とも飛ばれている。
その理由がこれだ。
白い岩が層をなして続いている。
これがこの地名の由来だ。
この岩(石灰岩だろうか?)は見る限り、奥へ向かって地層になり、続いている。
白い岩の上に茶色の岩の層が乗り、白い岩の下にも、濃い色の岩の層が敷かれている。
2021/9/20 13:50 |
この岩(石灰岩だろうか?)は見る限り、奥へ向かって地層になり、続いている。
白い岩の上に茶色の岩の層が乗り、白い岩の下にも、濃い色の岩の層が敷かれている。
この土地の歴史を物語る地層なのだが、
残念ながら僕に読み取る力がない。
何万、何十万、あるいは何百万年もの時の重なりを見せるこの岩のまで、僕の人生はほんの一瞬だろうか。
いや、一目で何百万年が見え、一言で何百万年といってしまう、その1年1年に、僕の一年一年と同じ濃度の時間がぎっしりと、詰まっていたことにこそ、驚くべきなのだ。
そうだ。
僕は人間が他の生物に比べて偉大だと思ったことはない。
しかし、人間の存在が、ちっぽけだとも思わない。
等身大のスケール感は、いつも持っていたいのだ。
秋の海は、「誰もいない海」ではなかった。
頭の重さが解消されたわけではない。
身体の重さも、残ったまま、引き返す途中だ。
でも、来てよかった。
今、わからなくても、
海を見てよかった。
今日海を見られたことが、後に僕を支えてくれる。
ほんの少しでも。
じゃあ、安全に気をつけて。
安全運転で、帰っていこう。
もう一走り。
ゆきかぜと走って、無事に家にたどり着くのだ。
(海へ。完)
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