2022年2月15日

吉村誠也氏に学ぶ「自分と愛車のリスク回避術36か条」26~29

  吉村誠也氏に学ぶ「自分と愛車のリスク回避術36か条」今回は、追い越し特集

【26 追い越し】エンジン回転が下がれば 同じギアでも加速は鈍る
【27 追い越し】左右車線の前後に加え 道路外にも注意を払え
【28 追い越し】追い越し時の速度調整は 細心の注意と配慮の結果
【29 追い越し】前車に追いついた直後の 追い越し開始は危険
です。

【26 追い越し】エンジン回転が下がれば 同じギアでも加速は鈍る

 この36か条は、吉村さんが、若く、経験が少ないビギナーに向けて書いている。
だから、この26番などは、私のような長年乗っている人間には、あたりまえのように思えるのだが、吉村氏はこう書いている。
ツーリングの同行者に、高速道路での追い越しで、速度が高ければついてくるのに、速度が低くなると遅れるライダーがいた。本人に聞いて理由がわかった。シフトダウンをしていなかったのだ。
たったこれだけのことだが、同じような追い越しについて行こうとして、同じようにアクセルを開けたのに、ある時はついていけて、ある時はついて行けない…。という現象に、「シフトダウンする」という発想を持つかどうか、思いを馳せることは、実は簡単ではない。
人はできるようになると、できなかった時のことを思い出せなくなる。できなかったことが分からなくなるのだ。
指導者として言ってはならない言葉に「どうしてできないんだ」というのがある。そんなの本人が分かる訳がなく、指導者こそ、その原因を見極め、教えてやらなければならないのだ。「どうしてできない」「どうしてわからない」そういう言葉は、指導者としての無能さを白状しているにすぎない。こういう言葉を言う指導者は、さっさと見切りをつけて離れたほうがいい。

おっと、追い越しのことから外れてしまいました……。失礼。

【27 追い越し】左右車線の前後に加え 道路外にも注意を払え

吉村氏は、一般道での追い越しは禁止されていないところでは「どんどんすべし派」です。
「前者に追従するよりも先頭の方が安全だと思いからである」とは、かなり理にかなっています。
ただし、吉村氏の「追い越しすべき条件」はかなり厳しいです。
「前車/対向車/自車の、少なくとも3つの速度を把握し、追い越しが終わるまでの動きを(イレギュラーも含めて)予測し、左右車線の前後の状況に加え、道路外から進入する人車の有無にも注意し、だれにも、不安/不満を感じさせずに、安全かつ短時間で追い越しを終わる能力がなければならない。
まさに!さらに、グループツーリングで先頭が追い越しを掛ける時は、自分だけでなく最後尾までが追い越しを完了できるかの判断をしなくてはなりません。私の経験では、それをしない先頭、またはリーダーが多すぎます。だから、バイクの台数が5台を超えてくると、グループでの追い越しは殆どできなくなります。マスツーリングの場合は、バイクの機動力は捨て、「パレードラン」だと心得、大型トラックの運転をしているつもりで走るべきでしょう。

【28 追い越し】追い越し時の速度調整は 細心の注意と配慮の結果

追い越しはできるだけ短時間に終えたいものですが、追い越される車との速度差をあまり大きくしないのも技術だと吉村氏はいいます。
速度差が大きいと、追い越そうとしている車のいきなりの右折の動きや道路外からのいきなりの人車の進入などに対処できなくなる可能性があるからですね。

追い越す時には、自分の存在を相手が気づいていて、これから追い越すぞ、と伝わっている状態で追い越すのがいいです。後車の存在に全く気が付いていなかったのに、いきなりすぐ横をビュン!なんで行かれたら、ホントにびっくりします。追い越す相手を驚かせたり、怖がらせたりしてはならないのです。


【29 追い越し】前車に追いついた直後の 追い越し開始は危険

理由を吉村氏は2つ挙げます。
一つは、前車があなたの接近に気づいていない確率が高いこと。前の項目とも関連しますね。もうひとつは、前車に関する情報収集に時間をかけた方がいいこと。相手がどんな運転をするのかを見もしないでいきなり追い越しかけるのは、非常に危ないですね。
へたをしたら、追い越した直後から急加速してきて逆に煽られまくることもあり得ます。
見ていれば、回避できるトラブルも多いですね。こういうのは、教習所ではなかなか教える余裕がありません。

さて、いかがでしたか?次回は高速道路編です。

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