2022年2月23日

「V7が雰囲気だけのバイクだって誰が言った」

 V7Yukikazeチャンネルとして、YouTubeにゆきかぜの動画を上げているのですが、
今回、「バイク乗ろうぜ」の田﨑慎也氏のギター、"Best of You"に乗せて、快走シーンを集めた約3分のつぎはぎ動画を作ってみました。


MOTOGUZZIV7も、V7クラシックの時代から数えると、15年以上が経過し、昨年850㏄の新しいシリーズも出て、MOTOGUZZIの屋台骨に成長しています。(今年は全く新しいスポーツツアラーが出ますね。https://www.youtube.com/watch?v=9vgM1pjO0gQ)

V7はその前身がブレバ750㏄という、これも名機。
その基本をそのまま継承して、外皮をクラシックな趣にしたのが、初代V7クラシックでした。
それは、1999年のカワサキW650 の世界的成功に端を発した、「ネオクラシック」市場への、MOTOGUZZIの遅ればせながらの参戦でもありました。

もともとのブレバの良さが、V7クラシックになることで再評価、ヒットモデルとなります。

ブレバはシティランナバウターを軸としたオールラウンドプレーヤーとして開発されたバイク。
V7もどこもとんがったところはないが、そのバランスのよさ、そしてMOTOGUZZI独特のエンジン、駆動形式、長年の積み重ねによる車体設計の熟成から来るライディングの快感(しかも飛ばさなくても楽しい!)などから、成功を収めていきます。
日本国内では年間数十台前後だったらしいですが、熟成を重ね、V7Ⅲくらいから、話題に上ったり、YouTubeで見ることも増えてきた感じがします。
そして、新V7では、エンジン。車体ともリニューアル、グレードアップ。
さらにいいマシンになっているということです。

しかし、ほとんどの扱いが、「扱いやすくて初心者にもおすすめ」、「ドコドコ感があって味わい深い」、「Vツインの鼓動が気持ちいい」などで、それは確かにそうなのですが、V7の持つ、高い操作性、走行性能、走破性、日常速度域での加速能力、コーナリングパフォーマンスなどを、ちゃんと評価していないのが気になっていました。
(バイカーズステーション誌では、「あじわい」以外のところもきちんと評価していました。また、ライダースクラブ誌では、伊丹孝裕氏がクラシックカフェを長期インプレッション車とし、サンデーレース参戦もしました。)

以前、V7の正体という動画でも話しましたが、イタリア製このマシンは、実はぶっ飛ばした時のことを想定して、そこでベストになるように設計されているうように、僕には思えます。

MOTOGUZZI V7. The Identity of Italian. Owner's Impression.


人によって、硬すぎるとか、はたまは柔らかすぎるとか、いろいろ言われるサスペンションも、価格を抑えるためのローコストの中で、荷重コントロールのできる人がフルブレーキ、フル加速をした時にだいたい140km/hくらいまで楽しく安全に走れるように設計されているように思えました。バイクにどかっと座ったままで、路面のギャップに何もせずに突っ込んでいって、サスが弱いとか、硬いとか言っても、「それは、そうでしょう、そうですね」としか言いようがない。

路面ギャップによる衝撃は人車一体でかわすもの、という発想がない人には、このマシンはローコストのチープサスに思えるでしょうし、
ただ、ハイパワーでアクセルをひねれば速度が出てすげー、と思っている人には、120km/hを超えると、コーナリング中のギャップでフロントが細かく振られるとか、フレームが負けてうねうねと揺れ始めるとかいうのは、単に剛性不足だと思われるでしょう。

「それを超えて、アクセルを開けてみな」

イタリアの設計士たちは、そう言っているように、僕には思えました。

こいつ、本当に攻めて走ると、相当に速い!

しかし、サーキットでは遅い。
ミニサーキットではグロムとかにも全然敵わないし、
通常のサーキットでは、国産スポーツバイクについて行けない。
サーキット前提では加速もとろい。
コーナリング中の修正は自在に効くけれど、限界点まで到達すると、それ以上はまあ曲がらない。細いタイヤをずるずると横滑りさせながら、アウトへ流れていってしまって加速できない曲がらないで、レースでは勝負になりません。

それがどうした。

隠してる牙こそが、こいつの本性。

時速30kmでも、そいつは感じることができる。
ダートでも、雨でも、霧でも、晴れた日でも、高速道路でも。

V7が雰囲気だけのバイクだって誰が言った。
こいつの戦闘力は、相当に高い。

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