羊蹄山の麓をくるっと一周しよう。
いつもの秘密の場所(…といっても「望洋の丘」って名前までついていて、ツーリングマップル北海道版の表紙にもなったことがあるから、有名な場所なんですけど)へは、昨日行ったし、今日は昼までだから立ち寄る時間がない。
京極町からそのまま羊蹄山の北山麓へと向かう。
京極町には羊蹄山の伏流水が吹き出している、「ふきだし公園」がある。
ここは道の駅にもなっていて(名水の郷きょうごく)、駐車場、トイレ、レストラン、売店、休憩できるベンチ、東屋などが揃い、お薦めのポイントだ。
特にここの湧水は、本当においしい。
札幌の喫茶店がここの水でコーヒーを淹れるために、ポリタンを抱えて汲みに来る、という伝説もある。
少々有名になりすぎて、大型観光バスが何台も訪れ、いつも大賑わいであることが、若干訪問をためらわせるが、道外の方には、ここに寄った時にはぜひお立ち寄りいただきたい。特に夏の暑い日には絶対のお薦めだ。
…という割には、今日は素通り…。今日は羊蹄山を眺めることを優先したいので…。
羊蹄山の北側には、国道276号線が走っているが、交通量が多いのは道道478号線の方だ。
観光大型バスもこちらを通る。
羊蹄山の東北隅の吹き出し公園と、倶知安市街を結ぶ最短ルートで、ニセコ方面へ行くにもこちらが便利。
しかも、羊蹄山の北麓をまっすぐ通るので、山の姿を間近に眺めながら北海道らしい直線路を流すことができる。
これはおすすめの道…なのである。
2015/10/18 9:09 |
北側から見る羊蹄山は、東側から見るよりもどっしりとして見える。
大地に根を張って、動かない、そんな重々しさ、荘厳さがある。
このあたりは、三圃制で年によって植え付け作物も変わり、景色が変わるが、全体としてはジャガイモが名産だ。
7月には白や薄紫のジャガイモの花が一面に咲いて、美しいじゅうたんのように見える。
今年の作物の収穫はほとんど終わっているようだ。
ちょっとだけ、歩道の上に乗らせてもらって、パチリ。
(歩道の上にはエンジンを切って押して上がっています。また、歩行者の姿はこの時はありませんでした。)
このまま道道を行ってもいいのだが、今年の僕の気分としては、北の国道276、そして国道からさらに北へ入る道の風景がお気に入りだ。
ニセコラフティングクラブを過ぎ、横川牧場の前を通過したら、十字路を右に曲がって北上する。
道は大地を北へ。この道は町道3号というらしい。
やがて河岸段丘の崖に近い段差を、くねりながら下りて、さらに曲がって尻別川にかかる橋を渡る。
そのまま北上して、国道276に出たら、右へ曲がってちょっとだけ東へ戻る。
2015/10/18 9:17 |
昨日の景色と同じように、山の中腹に薄く霞がかかり、その下は秋、その上は冬の姿となっている。
大きい。
なんだか、どこか岩手山にも似ているような気がする。
いや、地元の人はたぶん、何にも似ていない、この山は、この山だと、言うのだろうが。
2015/10/18 9:24 |
少し行くと左手に寒別第一集会所(小さい建物。民家のよう。)のある交差点に至るので、ここを右折して北へ。これも町道だと思うのだが。
それを道なりに行くと、やがてまた、尻別川の河岸段丘を上る。
その上るところからの景観が好きだ。
今日は秋の終わりの空と、静かにたたずむ羊蹄山、そして麓の光景が見えた。
美しい。
やはり、来てよかった。
ここまで来たら、訪ねたい樹がある。
そう、「緑の白樺」だ。
道なりに、そのまま進めばよい。
白樺は黄葉が早い。もう、葉を全て落としているだろうか。
2015/10/18 9:33 |
そう思ってきたのだが、まだ葉は残っていた。
近くの道端にはクローバーがまだ花を付けて。
風の吹きさらしに見えるこの台地だが、もしかしたら少し温暖なのか?
いや、倶知安のあたりは、豪雪、冬は厳寒の地。
昨日今日のこの天気の良さと暖かさで、返り咲きしたのだろうか?
2015/10/18 9:35 |
朝の光が南東から射しているので、同じ場所でも方角によって雰囲気ががらっと変わる。
目視でもそうだが、写真にすると、その差が広がるような気がする。
その場にいれば、どちらの感覚も、そして写真には映らない、風の感触や、土地の匂い、太陽光の暖かさなどが肌で感じられる。
ああ、僕の写真には、風景の半分も写ってはいない。
2015/10/18 9:37 |
ここからも羊蹄山は見える。
河岸段丘を上った上の台地。
それが広がり、その向こうには段丘を一段下がった平野が広がり、そこからまた下がって尻別川が流れる。
そして南岸の平野と河岸段丘。
その向こうに裾野を広げた羊蹄山が鎮座しているのだ。
大きい。
そして、広い。
気持ちのよくなる風景だ。
さあ、西側へ向かおう。
走ろう、ゆきかぜ。(つづく)
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