2015年12月1日

樹生はタイプB2か?

前回まで和歌山利宏氏のリザードライディング理論のうち、4つのタイプについて見てきましたが、今回はかく言う私、樹生和人はどのタイプなのか、自分で考えてみます。
と言っても、私の走りの写真なんてないのでした。大昔の写真を引っ張り出して見てみます。





たぶん、1998年だったと思います。当時住んでいた広島市で、ホンダの試乗会がありました。
家族で出かけて行って、小さかった子どもに、ミニバイク体験をさせて、試乗の写真は、妻が撮ってくれました。

上の写真はX-4です。
当時の私は、アクセルを人差し指と親指を掛けて握り、中指、薬指、小指をいつもブレーキレバーに掛けていました。いわゆる3本掛けでした。左手は人差し指をいつもレバーに掛けていました。
実際にクラッチを握る時は4本がけにしていたので、この指掛けはあんまり意味がありません。グリップをぎゅっ!と力んで握りしめてしまわないように、柔らかく握るためにしていたのでした。
私たちの若い頃は、ハンドルはギュッと握るな、ひよこを、または生卵を握るつもりで握れ、と言われていました。

もう17年も前の写真ですね。若いなあ、まだ30代です。

見た通りリーンウィズで、リラックスしています。
ブレーキレバーに指はかかっていますが、ブレーキングはしていません。倒れ込むバイクのバンクをアクセルを少し当てることで止め、リヤタイヤを軸に旋回するリヤステア的感覚での旋回に入っています。
今もそうで、当時もそうだったのですが、私はコーナリング中に、上体が沈み込むような、イメージがあります。
この写真からも感じてもらえるでしょうか、上体から脱力して沈み込むような感じでシートから荷重するイメージです。
グリップは強くは握らないものの、掌底にしっかり当てており、ここからもやはりB2タイプのライディングだと言えます。



ホーネット600を試乗。
立ち上がり加速に入っています。
アクセルが開き、手首が回転して、小指が浮いています。
加速Gをそのまま旋回力に転換するため、自分の重心をややイン側に掛け、脇腹のあたりからやや内側にもたれかかるようにして脱力しつつ荷重するようにしています。やはり、背骨を柔らかく、すこし弓なりになるような感じで、沈み込むイメージで。
このバランスは定速だとどんどん倒れ込んでしまいます。アクセルを開き、加速エネルギーとバランスさせつつ、自然に立ち上がって行くようにします。
バンク角は浅いのですが、結構加速してしまいました……。
当時の愛車、GPZ1100よりも振り回して乗ることが可能で、運動性が高いなあ…と思った記憶があります。

これもやはり、身体の使い方はB2タイプっぽいですね。




こちらはサーキットでの走行。これは1996年か、1997年だと思います。
場所は那須モータースポーツランド、雑誌、ライダースクラブのライディングパーティーでの走行です。
サーキットなのに、ツーリングしてますね。(^^;)
でも前後のサスは均等に、かなり沈んでいます。ヘアピン前の35Rの右コーナーです。
35Rとは言っても、サーキットなので、それなりに速度は乗っていて、サスを沈めていますね。

グリップを掌底深くあて、小指側に力がかかるように握っている、やはり、タイプB2ですね。
上体もインに伸ばすイメージではなく、シートへ沈み込む感じです。
やや外足に力が入って、荷重をシートに預けきれていませんね。

ツーリングしていても、背筋がしゃんと伸びて、それが美しく、とても上手い人を見ると、ほれぼれします。
バイクのポジションのせいもあるのでしょうが、たぶんその人は、A1かA2のタイプだったのでしょう。

コーナリングの時に、沈み込み傾向の人と、伸びあがり傾向の人がいるなあ…というのは、前からなんとなく思っていたのですが、和歌山氏のこの4分類で腑に落ちた気がします。

また、コーナーに入るときの身体の遣い方で、「へそをイン側へ向けるように」する人は、おそらく伸びあがりのA1、A2型、「肩から入って行く」感じの人は、沈み込みのB1、B2型ではないか…などと考えています。


ライテクには、流儀があり、流派がある、と言ってもいいかもしれません。
どれが正しいとか、まちがいだとか、よく議論になります。
その議論も、相手に敬意を持ちつつ、自分と違う理論でも、少しでも自分に参考になる点があれば取り入れて、成長したい…という思いを共有している相手となら、どんなに議論が白熱しても、とても楽しいものですね。

でも、どれかひとつが本当に正しくて、他が間違いなのか…という思いは、いつもありました。
そんなに単純なものなのかなあ…、だって、ドゥーハンもノリックも、変なフォームだったけど、すごく速かったし、ケニーとスペンサーは、走りのタイプだけじゃなくて、フォームも相当違ってたよなあ…、まあでも、マシン特性の違いに合わせてたらああなったのかなあ…などと考えていました。

どれかが正しく、他は間違いである。
正しい答えは欲しいけれど、どうもそれは腑に落ちない。
どこか、息苦しさがある。
ライディングの世界は、もっと広く、もっと深いものでないのか。
そんなふうに思っていたのです。

和歌山氏のこの4タイプに分ける考え方は、そうした息苦しさに、風通しの良さを与えてくれたように思います。

彼のこの説が「正しい」のかどうか、私にはわかりません。
でも、一つのヒントを与えてくれたように思います。

2 件のコメント:

  1. ワタシは、右手のひら「小指のつけね」に豆ができます。
    としたら・・・???(それじゃあ わからないのかな?)

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    1. tkjさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
      豆の位置だけからタタイプを判断するのはちょっと確実性が…(^^;)
      でも2009年にちょこっとだけ拝見したtkjさんの「テケジェイ乗り」、背筋をきちんと伸ばして、きれいにリーンしていくようすは、
      僕の尊敬するエディーローソンと同じ、A2タイプではないでしょうか。
      小指の付け根のマメともいちおう対応しています。
      B2だともう少し背中が丸くなり、テケジェイ乗りの特徴、片足だけ膝が開く、というフォームにはならないような気がします。
      根本健はB2。僕が根本健氏のライディングとライテク理論に一番学ぶことが多かったのは、僕もB2だからかもしれません。
      tkjさんのフォームはB2だけを基準にしたら「標準」から少し外れたフォームになると思いますが、ブログで拝見しても、一回だけですが直接拝見したときも、まったく違和感なく、自然で美しく見えました。それは、自分に合って、マシンCBRさんに合った走りとそのフォームをtkjさんがしているからだと思いました。
      でも、マメが小指側にあっても、A1タイプ…という可能性もあります。
      これははっきりさせるためにも、またいつか、必ず一緒に走りましょう!(^^)なんつて。

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