2017年1月29日

ゆきかぜの冬(2016)


北海道の冬は長いが、バイクで走れる冬は短い。
言うまでもなく、路面が凍結したり、積雪してしまうからだ。
タイヤチェーンを巻いて走る郵便配達のプロライダーや、
ごく少数の真冬でも走る猛者を除けば、
バイク乗りにとって、走れる冬は2週間ほどしかない。


草木が枯れて、牧草や、秋まき小麦が緑のままで雪の下に隠れるのを待つ。
雪が積もらなければ、土が凍り上がって枯れてしまう。

気圧配置が西高東低になってくると、
北海道でも日本海側はいつも曇った空になる。
だから、たまの晴れ間の雪の輝きが、とてもまぶしく感じられるのだ。

この空の色に変わったら、もう冬だ。

2016/11/19 14:33
午後2時台とは思えない、太陽の低さ。
ぼんやり晴れていても、もう冬の陽。

ちょっと気づいた。
こんなまっ平らな大地が畑で、そこにずっとダートが走っている景色って
北海道ならではかもしれない。

2016/11/19 15:00
三時ちょうどで、この太陽の位置。
まだ、11月なのに。
あと1時間で日が暮れる。
肌寒さが、脇の下を走っていく。
虫ももう、飛んでいない。

冬の夕暮れが、近づいている。
2016/11/19 15:56
平原と、遥か向こうの山の彼方に、陽が沈んでいく。
午後4時。

もう1週間もしないうちに、凍結と積雪でこの道はバイクで走れなくなる。

冬の日に、近場をゆっくりと回り、たき火に手をかざして暖をとる…
そんな、広島の田舎を走っていた若いときのような、冬のツーリングは、北海道ではできない。


寒い一日。
早い日没。
寂しい風景。
でも、走ると、何か幸せを感じる。

寒さも、寂しさも、それはそれで、いいものだと、感じる。



街の灯が、とても暖かく感じる、冬。

春を待ちながら。


4 件のコメント:

  1. 繰り返す季節だけれども・・・
    読みながらたいせつに味わいたいな^^
    改めて思いました。
    いままでも、そしてこれからも。
    モーターサイクルと共に走り抜けながら・・・
    安全に、少しでも長く走って行きたいと思いました。

    それぞれのRIDERが・・・それぞれに感じながら走る道の上。

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    1. selenさん、こんにちは。
      ブログを書いていると、ツーリングしていても、
      いつも頭のどこかでブログのことを考えていて、
      純粋に楽しめていないのではないか…と思うこともあります。
      でも、写真を見直してみると、ツーリングのシーンや、風景、気温、空気の肌触りなどが
      思い出される時もあります。
      写真がなければ、そのまま記憶の中に埋もれていったのかもしれないと思うと、
      ブログというのも、いいのかもしれないと、思います。

      季節の流れを感じて、
      走る幸せを感じて、
      走っていきたいと思います。

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  2. こんにちは。
    今年の冬はDT125を買って、約10年ぶりの冬のバイクです。
    車では見たことあるくせに、冬はこんな景色なんだって、新鮮な気分です…^^
    前は春が待ち遠しかったんですが、行きたいところ見たい景色が沢山出てきて、もっともっと冬のツーリングを楽しみたいって気持ちでいっぱいです。
    とっても幸せです…^^

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    1. Shin Osawaさん、こんにちは。
      おお、冬バイク復活ですか。
      いいですね。
      僕は体力、気力ともに、雪道の上まで持っていけない感じです。
      冷たい空気、雪の美しさは格別ですよね。
      安全に気を付けて、素敵なウィンターライドになりますように、
      お祈りいたします。
      でも、本当に、気を付けてくださいね。
      急に吹雪いたりすると、場所によっては、
      逃げ場もなくて、車からは見えなくて…
      ということもありますので…。
      どうぞ、お気をつけください。

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