2013年8月22日

2013お盆走6最上のミズナラ





13:57PM 津別町 最上のミズナラ

最上のミズナラに着いた。
推定樹齢1,200年、幹周り約6m、樹高約18mの巨木だ。
やはりでかい。しかし、発する雰囲気が双葉のミズナラとは違う。

むろん、形も違っていて、こちらは一本の主幹が天に向かって伸びていく樹形ではなく、低い位置から大きな枝が腕を広げて、四方八方へ広がりながらドーム状に育っていった、1本で森に見えるようなそんな樹形だ。

しかし、どこか迫るものが薄い感じがした。
いや、1200年も生きている樹にそれはあまりに失礼というか、身の程知らずな感想だけれども。
大きさに感嘆はすれども、どこかからっぽな感じもついて回る感じなのだった。


回り込んでみると、それ一本でも大きな樹と言えるような大枝が、何本も途中で折れ、枯死しているのだった。
あまり近づけないから、老眼の進んできた近視乱視眼を眼鏡越しに凝らして見るわけだが、手を広げたような形の主な枝はその多くが既に生命活動をやめているように見えた。
骸(むくろ)を見ているような、変な感じがした。

樹全体の命が終わろうとしている。……そんな感じを受けたのだった。




樹の脇にまとめて置かれているのは、おそらく最近、それもたぶん今年雪が解けてからここに積まれた枝だろう。もしかしたら積雪期に大枝が折れたのだろうか。
写真ではそう大きく見えないが、この積んであるだけでも、かなりの量で、相当な大枝だったことが想像された。

1200年生きてきたこの樹の命が終わろうとしているのか。





主幹をカメラのズームでアップして撮ってみた。
やはり双葉のミズナラの表情とは違う。

僕は樹はど素人だが、なんだか既に命を終えたように見える。
それは単にしょうもない素人の思い込みかもしれないのだが。




梢の方を見上げてみた。
まわりのたくさんの樹に囲まれて、緑は濃いが、このミズナラ自身の葉と言えば……。
かろうじて、まっすぐに近い状態で上に伸びた枝の本当に先の方に、いくつか葉をそよがせているものを見つけることができた。

生きている。まだ、葉を付けている。

少しほっとしたのだった。


 



 既に予定の時間は大幅に過ぎている。
熊よけにたえず大きな声を出し続けているから、あまり長居もできない。(ほかの動物たちも迷惑だろうし)

別れ際、振り返って見てみた。
まわりの樹がとても細く見えるが、一番上の写真を見てもらえば分かるとおり、周りとてそんなに細い樹ではない。やはりこの樹は、別格に、尋常でなく太く、大きかった。
でも、もう会えないような、そんな予感もするのだった。


前の記事のラストの写真と同じ場所、同じ時間に撮った、少しアップの写真。
林道を、さっき倒したばかりのゆきかぜに跨って、里の方へ帰って行く。

森の中で樹の切れ目から道に陽が射し、陰影をはっきり落として、日向のゆきかぜが、眩しく見えた。
(つづく)

6 件のコメント:

  1. kaori2013年8月23日 6:21

    樹生さん おはようございます。
    これこそが 樹を巡る旅。樹生さんの真骨頂だと、すごいな~と記事に見入りました。
    荘厳で優しくて威圧感あって命の粒が湧き出ているよう。

    ”ゆかかぜ”号もきっと”わ~すごい”といっているようです。
    新車の外車のロードスポーツでさっそくダート道。
    これも樹生さんならでわです。普通のひとではできません^^;

    返信削除
    返信
    1. kaoriさん、こんにちは。
      やっと樹を巡るツーリング、再開できました。
      今回は熊が怖くて、あまり長時間樹の側にいられませんでした。
      それでも、樹が好きなんだなあ…とも思えた、訪問でした。

      まさか、倒してしまうとは…。
      めんぼくない。トホホです。

      削除
  2. 樹生さんKAORIさん
    おはようございます。
    お久しぶりです。ご無沙汰しております。
    新しいバイクで走りだしたようですね。
    写真を見ると以前のバイクよりとっても
    自由さを感じています。
    こちらは春先にすっかり出鼻を挫かれ
    あまり乗っておりませんがそれでもチャンスがあれば・・・。
    次回新しいバイクを見ることを楽しみにしています。

    返信削除
    返信
    1. KHOGさん、こんにちは。
      GPZ1100からV7に乗り換えて、まず、サイズの小ささ、軽さが大きな違いだと思いました。
      林道でも結構いけそうです。
      まあ、しかし、今回の教訓として、「もしも絶対にバイクを倒したくなければ、オンロードバイクで林道へはいかないことだ」というもの得ました。
      でも、また行くでしょう…^^;)
      またご一緒できることを楽しみにしています。

      削除
  3. ベネリ2542013年8月25日 19:51

    樹生さんこんばんわ。
    聖地ポロピで、突然お会いしましたね(笑)遠くからでも純白なタンクが目立ってました。まさしく
    『ゆきかぜ』のネーミング通りでした。この街でグッチのこの色はおそらく樹生さんだけでしょう。
    天気がいまいちで、ゲリラ豪雨が来そうでしたから、お話もそこそこだったのは残念でした。
    テーマのこの林道走行も納得します(コケないように)
    トライアル・トレールなどのバイクで行くのなら、意味が無いのですよね!
    ロードバイクで行くところに意味が有る。冒険ですよね。そこに別の楽しさがあります。
    私も通常は避けるのですが、旅の途中では何とも思わないのですよ。
    ひとつの美学でしょうか。

    返信削除
    返信
    1. ベネリ254さん、こんにちは。
      今朝はありがとうございました。そして失礼しました。

      ザックの中には雨合羽も入っていたのですが、午後から仕事もあり、あまり雨に打たれたくもなかったので、そそくさと失礼してしまいました。

      林道は…、昔から行っちゃうんです。GPZでもかなり走りました。でも、林道で倒したのは、DT50を除けば、21年ぶり、SRV250以来でした。なんだかんだ言っても、転んだり、倒したりしたら負けです。それはそうなんです。
      それでも入ってしまうのが私なので、今回の立ちごけも教訓に、安全性をUPしていきたいと思います。
      倒して悔しい気持は、ずっとあります。
      GPZの傷も、そうした悔しさの形見でした。
      楽しさや、悔しさや、長閑さや、厳しさや、さまざまなことを見せてくれるバイクが、やはり好きです。

      削除