V7の走行距離は現在1570km。
馴らしも第2段階が終わり、後は高回転域まで回すのを残すのみ。
(なんて、勝手に言ってるだけで、本当のところはもう少しかかると思うが、2000kmとオイル交換をひとつ区切りにしたいと思う。)
少しずつだが体も慣れてきた。
エンジンは滑らかに元気になり、力強さを感じるようになり、
サスペンションはバタバタした固さも、これは慣れたせいも大きいと思うが、ずいぶん角が取れてきた感じだ。
ブレーキもかなりこなれてきて、リニアな制動量は扱いやすく、1枚ディスクのフロントも今は制動力不足を感じないし、リヤはとても使いやすい。
ポジションにも慣れてきた。
スリムな下半身。ステップ幅も狭く、内膝の部分に当たるタンクの幅も狭い。
ステップは思いのほか、前で高い所にある。
前後タイヤのエッジまで接地させても、ステップもサイドスタンドも、タイヤ以外のどこも接地しない。まだどこかが接地するまで傾けていないが、バンク角は日常使いには十分深いのだ。
さて、あまり自覚していなかったのだが、モトグッチ自体が日本ではマイナーなメーカーで、V7シリーズは、僕も買うぐらいだからそこそこ売れているとはいえ、まだ台数的には少数派らしい。
モトグッチの耐久性やランニングコスト、または伝説的とも言えるその乗り味の実際のところなどは、バイク雑誌などに加え、最近ではブログなどでもいろいろと読むことができる。
(日本ブログ村のモトグッツィのページなどからアクセスできる。)
僕自身はモトグッチというメーカーにそれほどのこだわりはなく、できれば国産の方が維持などの面でもいいなあと思っていた程度だ。
だから「グッツィ乗り」のカテゴリーには、僕は入らないと思う。
僕はモトグッツィの歴史や、頑なにレイアウトを変えない空冷縦置き90度V型エンジン+シャフトドライブに興味はあるけれども、それの信奉者ではない。
何人かの人が僕がGPZの後継にV7を候補の一つに考えていると言ったら、「スモールブロックのエンジンは個性が薄くて面白くない。乗るならV12スポルトなどの大きい方が味わい深い」と、大きいのを薦めてくれた。
しかし、僕は別に「すごいの」に乗りたいわけでもないし、レアなマシンに乗りたいわけでもなかったのだ。
GPZよりも車体が小さく軽く、さっと跨って走り出せる気にさせてくれ、非現実的な最高速はいらないが、中低速のワインディングロードではそこそこに走れて、オンロードバイクのコーナリングの楽しさを感じさせてくれるマシンが欲しかった。
また、デザインは昨今の後ろが跳ね上がって短いのはどうも好きになれず、カウルの目つき(ライトのデザイン処理)が悪っぽいのも、どうも持つ気になれなかった。
さらにできれば燃費が良くて、あまるいうるさくないバイクがよかった。田舎道でも散歩するように入っていける感じだ。
スーパースポーツは用途上候補から消え、
最近のツーリングスポーツは大きすぎて消えた。
ネイキッドでも斬新なデザインは気後れして消え、
ハンドリングとコーナリングで僕の要求に応えてくれなさそうなものも消えた。
クルーザーもまだ趣味じゃない。
オンロードバイクの繊細なコーナリグが好きだから、モタード的なものは消える。
後は予算ができれば本体価格100万円以内。
そして新車。
以前の僕なら、3日で3000km走れて翌日の仕事に差し支えないもの、と言ったろうが、
今は、3日で2000kmでいい。
でも、ワンタンクで300kmは走りたい。
そしてゆっくりも走りたい。
家の前の坂はかなりの急坂。そこをぶん回さず、トルクで上がってきたい。
…書き出してみると、すごくわがままなわけだが、新しいモトグッチのV7シリーズ、(V7ストーン、V7スペシャル)はその条件を平均して満たしていた…と言うわけだった。
僕は別に主義にしているわけではないが、今まで買ったバイクはどれも現車を見ずに注文している。
今回もそうなってしまったわけだが、今回も、熱烈歓迎!!ではないものの、じんわりじっくり付き合って行けそうなそんな感じが徐々にしてきて、なんだか安心しているのだ。
さてさて。
僕のV7スペシャルは2012年の秋に日本に来た便の奴だ。
今年のカラーリングモデルは、またカラーリングだけじゃなくてどこか改善されているかもしれないが(ヨーロッパ車にはよくあることらしい)、乗ってみると、今までも書いてきたとおり、GPZ1100とは走らせた感じが違う。
もちろん、基本は大型エンジンのオートバイということで、そう変わらない。
多分どちらも、大型二輪免許を持っていれば、問題なく操れると思う。
ただ、GPZはその車重と取り回し時のとんでもない体感的重さがネックになるだろう。
V7はもともとブレバ750がベースで、それはベーシックなMC、女性やビギナーをターゲットにした乗りやすく、扱いやすいモトグッチだから、特別な技や熟達は必要としていない。
よく言われる縦置きシャフトと大きなクランクマスからくるトルクリアクション、エンジンを回すと車体が右に傾こうとする(つまり右コーナーで開けるとバンク角が増し、左コーナで開けると車体が起きてしまう…)なんてことは、走ってさえいれば全く感じない。停止状態で空ぶかしすると、ブルンと体を揺すぶるが。
つまり、特に構えることなく、誰にでも乗れる。
そういう素直さというか、とっつきの良さがあるのがV7シリーズだ。
で、コーナリングだが、これが面白い。
また、シフトダウン時などには、一般的なチェーン車とはちょっと違った気遣いなども必要みたいだ。
さらに、幅の狭いバイアスタイヤの使い方など、意識していくと、V7のライディングは、なかなか奥が深そうなのである。
僕も気づけばバイク歴も30年に届こうかとしているが、特別に速いわけでも、特別に上手いわけでもなく、驕りの誹りを恐れずに言えば、腕前は中の上、または上の下端、といったところだと思う。
一般的なツーリングライダーだ。
ただ、ライディングにはちょっとオタク的に興味があるというだけだ。
それでもV7の走りと走らせ方にはとても興味が湧いていて、毎回、走る度に非常に面白い。
この「V7ライディング」のラべルの記事では、僕なりに自分のV7スペシャルを走らせながら、V7の走らせ方、V7の走りの性能や癖(個性)などを、書いて行きたいと思う。
今日は前口上のみになってしまった。
次回から、ちびちびと書いて行きたい。
V7ライディングのタブ(ラベル)の記事は以下にもあります。
V7エンジン性能と最高速
V7のコーナリングとバンク角(乗らずに考察)
V7のブレーキ性能
浅いバンク角
深いバンク角
リヤサス プリロード調整
V7ライディング(街乗り)
V7、身長別乗車姿勢
V7、雨の日の走り
空と雲と風と(2) ワインディングでの走行
空と雲と風と(3) ハイスピードで走行すると。
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