「ゆきかぜ」号はMOTOGUZZI社製のイタリアンマシン。
アグスタ、ドカティ、ビモータ……。煌びやかでセクシーなデザインの多いイタリアンマシンたち。
その中において、モトグッツィはどちらかと言えば、質実剛健というか、重量級というか、そんなイメージ。ルマンのような凄みがあって美しい、そんなマシンもあるけれど、ブレバシリーズとかは実用本位。
V7シリーズも、ネオ・クラシックというか、流行りの昔風デザインを今にアレンジして復活させたもので、そこまでおおっ!イタリアン!という感じではありません。
でも……、その端正な佇まいはやはり美の国イタリアを彷彿とさせるものがあります。
わがゆきかぜ号のこの赤白のツートン。
妻はポケモンのボールみたいといいますが、このわずか1年間だけで廃止された2012年版(日本には2013年に入ってきました。)色使いも、なかなか気に入っています。
シンプルなバイクの原点的な成型デザインに、シンプルな塗り分けで、白、赤、の明るい2色は、とてもV7Specialの性格に合ったデザインだと思います。
ちょっと野暮ったいタンクの形も、見ようによっては、大人の色気を感じさせないでもない…。
写真引用はMOTOGUZZIのHPより。 |
もちろん、バイクデザインはライダーが跨って初めて完成するものですから、ライダー込みで考えないといけないのですが、やっぱり美しいですねぇ。
写真引用はMOTOGUZZIのHPより。 |
V7シリーズ。
ライダーはむつくけき男よりもハンサムな女性の方が似合う感じに思うのは、やっぱり粋なデザインだからでしょうか。
ちなみにこのモデルさん、女性ですが180cmくらいでしょうか。少なくとも足は176cmの僕よりも10cm以上長いみたいですね。
こんなマシンなのに、タンクバッグを乗せてしまうと、せっかくのタンクの表情が崩れてしまうことになります。
おまけに磁石式のタンクバッグだと、気をつけていても磁石の部分に小さな砂粒が付いたりして、それでタンクをひっかくように傷がついたりします。
また、磁石部分以外でも、タンクにものを乗せてそれがこすれるわけですから、擦過傷は度重なる使用のうちに徐々についていくのは避けられません。
さらにハンドルをフルロックまで切ったときにタンクバッグと干渉するということも、積み方によっては起こり得る話です。
いや、たいていの場合起こるでしょう。バッグが柔らかいので、押しつぶしながらハンドルを切ることはできるのですが。
だから、タンクバッグはあまり使わない…という人も多くいます。
でも、僕は、日帰りのあまり荷物のないツーリングでもタンクバッグを積むことが多くあります。
その最大の理由は、地図の見やすさにあります。
僕のツーリングは基本的にどこかに初めての道を入れていくルーティングです。
それも道路標識で大きく出るようなことのない、狭い道道や市町村道、広域農道などが多く含まれ、頻繁に地図を見て現在地を確認しないと、道に迷うことが多くあります。
そのとき、ぱっと見られる位置に地図があることは大事なのです。
行く先を決めて通る道を決め、ルートを打ち込んで表示するナビゲーション機能は、気まぐれな僕の場合、ほとんど必要を感じず、それよりも紙媒体の見慣れた地図の方がはるかに使い勝手がいい。その地図を、見たい時にぱっと見たい。
停まるだけならいいのですが、バッグの中から地図帳を出して、ページを開いて地図を確認し、また仕舞って出発…ということを頻繁に繰り返すのはリズムがとれずに非常に煩わしい。
走りながら地図を読むのは危険ですが、あらかじめ頭に概略を叩き込んでおいて、現在地を確認する程度なら、走りながらでも一瞬でできます。それができるかどうかは、非常に大きな違いになります。
本格的に地図を読むときには安全な位置に停車してエンジンを停め、じっくり読むことにします。
その場合でも、タンクバッグの上にあると、跨ったまま、殆どアクションせずに地図を読めるので、この使い勝手のよさは、「さすらい型」ツーリングには手離せない機能なのです。
たとえ、ゆきかぜのタンクに使用傷がつくことになっても、ここはゆずれません。
広角レンズで撮ったためシフトペダルが曲がって見えますが、実際にはまっすぐです。 |
大変満足していますが、そのシフトペダルのアーム部分は、ライディング中にブーツと擦れることによって、黒い塗装が落ちて地金の色が見え始めています。
でも、これは真っ当なエイジングというべきで、僕としては全然OKです。
タンクとなると、その傷はなかなか精神的に厳しいものがありますが、通常使用の上でついていく傷は、僕はOKだと思っています。
だから、タンクバッグによって擦れてできる傷も、受け入れていくつもりです。
僕が使っているタンクバッグは、GPZ1100の頃からのもので、モトフィズのもの。もうカタログ落ちしています。
これを買ったのは、用品店でたまたま見つけたからで、指名買いではありません。
条件としては、地図が見やすいこと。
がばっと全開にできること。
磁石式で強力にくっつくものであること、でした。
当時はまだ吸盤式は今ほど普及してなくて、バンド式か磁石式の時代でした。
このバック。
上面の透明な部分は、両サイドにファスナーがあって、手前はベルクロ。
ツーリングマップルは折り返して片面のみ見える状態にできます。
上面マップケースとメイン気室との間に、もう一つマップケースがあります。
それは横開きになっていて、大判のドライブマップを挟み込み、開いて両面で見られるようになっています。
僕も時々、ツーリングマップルとドライブマップの地図2重作戦でツーリングに出ますが、これはなかなか便利です。
ツーリングマップルでは載っていない小さな道も大判のドライブマップには載っていることも多いので。
その下はメイン気室です。
これはファスナーを開けると、三方開いて、前側へベロンとふたをオープンできます。
ふた裏にはメッシュポケット。バンダナなどを入れておきます。大型バンダナはいざというとき、止血帯に使ったりと、いろいろ使い勝手がいいのです。
このバッグのメイン気屋のフルオープンは、例えば雨で急にカッパを取り出したいときなど、ファスナー取手を両手で持って左右に開けば、1秒で全開にできるので、とても便利です。
普段は中に何が入っているかと言えば、雨具にコンパクトカメラくらいです。
上面前部の小物入れに、小型工具(アーレンキー、8mmメガネレンチ等)が入っています。
走りながら、レバーの高さや、ミラー取り付け角度、ハンドルバーの角度などを調整することがあるからです。
その他の工具はシート下です。
また、ティッシュも上面前部の小物入れの中です。
ヘルメットシールドについた虫の死骸などを拭き取るため、これは必需品です。
農業地帯、特に酪農地帯を走ると、猛烈に虫の死骸がバイク、ヘルメット、ウェアに着きます。
僕は田舎道を通ることが多いので、虫の死骸が付くのが特に多いかもしれません。
このタンクバッグは容量を増やすことができるタイプで、荷物が多いときは、メイン気室をぐるっと巻いているファスナーを開けて二重に折りたたまれていた横壁を伸ばし、バッグの背を高くします。
上の写真は背が高くなった状態です。
一泊二日で旅館泊まりの装備では、だいたいこれくらいでした。
コンパクトカメラはタンクバッグと言いましたが、バッグの強力磁石とカメラはあまり近くにいさせたくありません。
だから、バッグに入れるのは必ず、フラップを開いてタンクに固定した後。フラップをたたんで気室の真下にある状態ではカメラを入れないようにしています。
また、メインのカメラはヒップバッグに入れています。
しかしこれも問題があって、万一の転倒の時には、このカメラが僕の脊椎を攻撃しかねません。
そこで、カメラを入れたヒップバッグを着けるときには、かならずハードタイプの脊椎パッドを背負っています。
それでも本来は望ましい状態ではないと思います。
シートバッグはポジションに影響することがあるので、あまり好みではないのですが、メインカメラの積み方も、今後の課題です。
夕立に降られ、雨が上がったところで、上だけカッパを脱いで一枚。 激しい雨を抜けると、路面も乾いて雨の気配が全くなかった。 ヒップバッグはカメラを取り出すとき、ぐるっと回して、前に持ってくる。 冬にオーバーパンツの上からでも履けるようにと選んだカッパがだぼだぼすぎる。 |
タンクバッグは完全防水ではないので、ファスナーから浸水します。レインカバーが付属していたのですが、どこかへやってしましました。
バッグの中でビニール袋に入れておけば、まず濡れません。
普通の雨なら、バッグ自体、開閉しなければ中のものは濡れません。
さて、たぶん、僕の用途だと、これからもタンクバッグは欠かせない装備になるでしょう。
モトフィズからはマップバッグなるものが出ていいて、たぶん僕の用途にはこれが一番フィットするのでしょうけれど、今バッグ持っているのにそれに買い足すのか……ということが、踏み切れない。
厳しい家計の中でバイク趣味を続けていくには、あんまり金をかけすぎないようにしないといけません。
バイク関係で買いたいものは、それこそ山のようにあります。
マップケースのような薄いタンクバッグもその中の一つ。
何から買うか、どれを我慢して、どれを優先的に叶えていくか、そんなジレンマに似た物欲プランニングもまた、僕のバイクライフの楽しみの一つです。
私も地図派なので、タンクバックは色々と使い勝手が良いですね。
返信削除マグネット式は、なんとなく抵抗があってコロナのベルト式を長年使ってました。
不思議とベルトでの擦りキズは ほとんど付きません。
砂を噛むこともありませんでしたね。
モトグッチに乗るようになって、おしゃれなマグネット式にしたのですが・・・
細心の注意を払っていたのに・・・
マグネットに付いてた小さな砂に気付かず「ガリっ」と傷した時の、
精神的ダメージは相当大きかったです(笑)
今年からまたカメラと一緒に走ろうと思った時に積載にとても悩みましたが、
今はカメラ優先のリヤシートバック一本です。
ホントは地図や、もろもろ便利なタンクバックも付けたいところですが、
日帰りツーリングばかりなので、バックが2つもあるとなんだか大袈裟な感じがしますものね(^^;
モーターサイクルブログなので、時にはバックを外して写真をと思うのですが、
リヤバックだとついつい外すのが億劫になってしまいます(^^;
でも今は美しいタンクを見ながらのライディングに新鮮な感じがしてますよ(^^)
最低限持って行きたいものは決まっているのですが、
モーターサイクルの造形を崩さずにと考えると悩みますね(^^)
selenさん、こんにちは。
削除コロナタンクバッグ、銘品ですね。憧れでした。
マグネット式のタンクバッグは、どう気を付けても、地面に置かないようにしても、何をしても
いつか砂を間でじゃりっというか、がりっというかしてしまいますね。
今考えているのは、薄手の吸盤式のタンクバッグなんですが、いつか買えるでしょうか、自分でもわかりません。
1100SPORTの流麗な造形には、確かにタンクバッグは似合わないように思います。
どうもイタリアンにバッグは似合わないような感じがするのですが、V7ではクラシカルなリヤのサイドバッグをセンス良く使っている方がいて、ブログを拝見しても、とっても決まっています。
それかあ…と思いながら、地図を見るためのバッグを、やはり外せないしな…と考えている私です。
バイク、オートバイ、モト、モーターサイクル(MC)…。我々の大好きな乗り物の呼び方もいろいろですね。
初期の猛烈に濃くて面白くて、今読んでも新鮮なライダースクラブの2ケタ号の頃は、主にモーターサイクル、「MC」と呼んでいました。
僕は大学の4年に原付を買うまでは自転車野郎で、MCに興味を持ちだした頃には、既にバイクという呼び方が浸透していて、僕も自然にその呼び方になりました。
僕の大事なバイクの友人で、CB750F、NSR250に乗っていたライダーの方は、「オートバイ」と呼んでいました。
どの呼び方も、その人の思いが込められているときに、美しいなあ…と思います。
カタナ、ローライダー、1100SPORT…。
「モーターサイクル」と、改めて呼びたくなる、そんなオーラを持つ「バイク」だなあ…と、思います。
あぁ、CB NSR 彼のことだ。。
削除いつかまた、彼に会いたい。。
tkjさん、こんにちは。
削除はい。いつかカタナに乗ると言ってましたね。今は何に乗られているのでしょうか…。
2009年のあのツーリングは一生忘れないでしょう。
NSRの丁寧で美しい乗り方…。今も碓氷峠の後姿が浮かんできます。
タンクバック、私も使ってます。バイクの積載性が無いので、必ず遠出はリヤのシートバックとペアで。
返信削除磁石式でバックの角から四方に足が伸びてるタイプで、そのまま使うとタンクのマークが隠れてしまって
非常にカッコ悪いのでバックの底面に足を収納しました(笑)今のところ落ちずに使えてます。
タンクの上面が広いのが功をそうしているのかも。
地図は便利なんですけど、最近老眼が進んで細かいところが見えません。
でも、地図がバックの上面に在るのは旅への憧れが増幅される気がして
なんとも言えず好きなんですよ。
いちさん、こんにちは。
削除地図、私も老眼で見えなくなってきました。
いよいよツーリングマップルRの出番でしょうか。
旅の荷物、そしてその積載と収納、ウェアリングなど、こうしたノウハウもまた、
楽しいし、工夫のし甲斐があるものですね。
私はまだまだこの分野は完全に初心者クラスです。
ちょっとずつ、工夫していきたいと思います。
takaです
返信削除私もタンクバッグ派ですが、以前に使っていたのがボロボロになり、近年は使っていませんでした。
荷物は、シートバッグに。
でも、タンクバッグは必要で、最近、クシタニのUFタンクバッグを手に入れました。
日帰りメインなので、小振りなのを。
シートバッグとの併用も出来ますし(^^)
出来るだけ、シンプルに積載したいんですけどね。難しいです(^_^;)
takaさん、こんにちは。
削除SRの造形は、何もバッグを付けない状態で非常に美しく、ヤマハデザインの粋を感じます。
また、SRはいろんなバッグを付けても似合いますし、付けるバッグによって雰囲気もいろいろ変わりますね。ミリタリー調にもなり、シックなクラシック調にもなり、アルプス越えしてガンガンに走るロングツアラーにもなり、小ぶりのバッグでしっかり締めると走り屋ツーリストにもなりと、表情が変わって、この懐の深さ、広さもSRの魅力の一つかと思います。(生意気にすみません。)
シンプルな掲載…、ライディングベストという手もあると思うのですが、これもまた私はいまだ手が出ず…。
それだけ、今後に楽しみがあるということにしております……(^^;)