2016年8月6日

V7 ブレーキング時の車体姿勢と、メッツラーレーザーテックレポート3

8月に入りましたが、全然乗れていない樹生です。
今日から9日まで、実家に里帰りです。ブログのコメントなど、お返事が遅くなります、ご了承ください。
さて、先日、洗車しようとしてゆきかぜ号を見たら、「汚れセンサー」が働いていました。「汚れセンサー」といっても、自動的に汚れを感知するとかいうものではありません。汚れや擦り傷を見ると、いろいろわかるという……、その割にたいしてわかってないんですけど…。今日はブレーキングについてです。


7月31日に早朝支笏まで走ってきたんですが、そのとき、霧の中を走りまして、路面も濡れているところがあり、また、その前の通勤で例によってゆきかぜ号は、薄汚れた状態でした。とほほ。
帰ってきてから軽く洗車&ワックスがけをしたのですが、そのとき洗車前と後の比較写真を撮ろうかなと思い、洗車前の写真を撮ったのはいいものの、疲れすぎていて洗車後の写真は撮れなかったというていたらくでした。

さて、今日その写真を見てみたら、フロントフォークにうっすらと横線が…。
汚れがストロークセンサーになっていたみたいです。
相当上までストロークしています。これだと、跳ね石ガードのリップがアンダーブラケットにかかる位置までフォークが沈んでいますね。ほぼフルストロークしていると考えていいと思います。

この日は少し自分のブレーキングテスト、というか、リハビリもしたんです。
もう飛ばさないというか、飛ばせない私ですが、街中でパニックブレーキとか、急にフルブレーキしなくてはならない状況はいつ起こるかわからないわけで、時々ブレーキングの練習は必要だと思っています。
最近舐めるような一定の弱いブレーキングばかりしていたので、強めのブレーキングを少ししてみたのです。

そのことすら忘れていたのですが、フォークのストロークを見ると、結構沈んでいました。

改めて思うのは、V7のフォーク、なかなかいいんじゃないか、ということです。
ネットではリヤが固くてフロントは柔すぎてすぐ底突きするとか、フロントがふにゃふにゃでひどいとか、一時期結構言われていましたが(そういえば最近はそういう感想みませんね…、年度毎に改善されているのかもしれません。)、私は一回もそんなふうに感じたことはなかったのです。

今回もほぼフルストロークしていますが、底付きとかしていませんし、強いブレーキング時でもその上でフォークは路面の衝撃を吸収し、車体は安定しているように感じました。

2016/6/28 15:46 支笏湖
それは、もともとV7がフロント荷重が低く、重心もやや低い構成で、ブレーキング時にフロントに強くのしかからない設定のせいもあります。
加えて、80年代の乗り方が身に沁み込んでいる私は、強いブレーキング時には腰を引き、ステップを前に蹴る形で踏ん張り、極力ハンドルに体重をかけないように、理想を言えば、すべてステップからライダーの減速Gが荷重されるような心意気(^^;)で体勢を保持しようとするので、ノーズダイブが激しく起こりにくい…というのもあります。
2013年、モトグッツィのHPより。

そして、V7のリヤブレーキは、わりとよく効いて、コントロールしやすい。
径も比較的大きいのです。
フロント320φに対して、リヤは260φ。荷重のかかるリヤのブレーキを有効に使う設定です。

ブレーキング時、リヤを先に掛けると先にリヤが沈み込み、そのあとでフロントを強く掛けても、極端なノーズダイブが起きにくくなることは、広く知られています。

私もV7になってから、両輪ブレーキを意識するようになったのですが、その時の車体の安定感が、非常に強いのがV7の特徴です。

強いブレーキングが、安定、安心してかけられるのです。

これには、今履いているメッツラー、レーザーテックの貢献も大きいと思います。

 レーザーテックは、新車から9400km走行して、OEM装着だったピレリ、スポーツデーモンから換装。
現在まで約7000kmを走行しています。

交換時の様子や、ハンドリング、グリップ特性などについては以前記事に書きました。

V7タイヤ交換(下) メッツラーレーザーテック

メッツラーレーザーテック タイヤテストラン1

「メッツラーレーザーテック タイヤテストラン2

6500kmくらい走行しての写真が左のものです。
下段、リヤの写真ははピンボケしてます。すみません。
前後とも減ってきていいて、溝が浅くなってきていますが、リヤの中央が減り、左右が残ってかまぼこ型になっていくという傾向がかなり見られます。

いや、まず、強いブレーキング時の貢献について先に。


先日の支笏湖線、霧がかかり、その時は降っていなかったものの朝まで降っていたと思われる雨で路面はところどころウェット。

路面には、滑り止めか、スピード出しすぎへの対策か、かーぶ手前から横に道路を横断して凸凹の段差が設けられています。

ここでの強いブレーキングでメッツラーレーザーテックは抜群の安定感、安心感を提供。

グリップ感があるので、濡れたところでもかなり強いブレーキングが安心してできました。
ウェット時のグリップ力もやはり強い。
雨の通勤路でも、この20年間ではもっとも滑らない、安心したライドができていたように思います。

さらに、V7のブレーキングシステム、ブレンボのキャリパー、マスターシリンダーは、効きのコントロール幅が広く、特に聞き始めてからもレバーがストロークし、その入力によってブレーキングの強さを微細に操れるので、いざというとき、リリース方向への操作もできる安心感から、強い入力が可能になります。

絶対的な制動力の大きさはダブルディスクの強力さにはかないません。100kmを越える速度からタイヤの限界まで追い込むブレーキングには、相応の握力も必要とします。しかしその分、通常速度からの減速には、広いコントロール幅があるのです。

やっぱりハードに飛ばすことを想定してるじゃん。
ちょっとにやっとしてしまうのです。
エントリーモデルだから、シティ・コミューターとしての用途が主だからと言って、モトグッツィは、そのバイクの能力を開放したときの走りをちゃんと考えています。
120を越えてバンクしながら大きなギャップを越えると、フレームがうねうねしはじめたり、フルバンクで速度を上げていくと徐々にアンダー傾向を示して、そろそろ限界がちかいですよ~と教えて来たりますが、それを分かったうえで、その条件下で安全に、かつ攻め込んで行ったときに、ちゃんとその「奥」での操作性、安全性を考えて、確保しています。
イージーに何事もなく限界まで行っていきなり破たんではなく、限界域が近づいていることをちゃんと伝えつつもいきなり破たんしない走りを保つ、そのふところの深さ、広さが、V7にはあるのです。

メッツラーレーザーテックは、ピレリスポーツデーモンに比べると、安定性が高く、その分、俊敏性には欠ける性格です。
しかし、条件がきつくなるほど、その安定性が頼りになり、ライダーは積極的な操作が可能になります。
どっちか好みかと言えば、運動性の高いピレリの方が私の好みですが、メッツラーの優秀さも十分に満喫できる、そんなタイヤがレーザーテックだと思います。

8 件のコメント:

  1. takaです
    レーザーテック、昔ながらのパターンはSRでも相性の良いタイヤで知られていますよ。
    ウエイト的には、V7がよりマッチしてそうですね。
    V7も、基本的にはリヤ主体で曲がるバイクみたいですね。
    リヤ主体のバイクだと、フロントは柔らかくストロークも多めで、減速後にリヤに荷重が移り易い設定になっているのかな?って、記事を読み取りました(^_^;)
    SRは、そんな感じです。
    フォークを突き出しても、リーンに対するステアリングは切れは良くなっても、荷重がきれいにリヤに移らないので、アクセルを開けることが出来ないって、結果になりました(@_@)
    前後バランスって難しく、面白いですね♪

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    1. takaさん、こんにちは。
      記憶違いかもしれませんが、SRはレーザーテックをOEM装着していたことがあったかと思います。
      昔、BMWのK100にも純正に採用されていましたし、歴史の長い商品ですね。もちろん、内部構造、コンパウンドともに、相当に進化してきているわけですけれども。

      V7のハンドリングは伝統的な「リアで曲がる」タイプだと思います。
      フロントに負担をかけて(仕事量を増やして)曲がる設定だと、まずステアリングヘッド周りを中心としてフレーム剛性が高くないと車体が支えきれなくなります。フロントフォークも剛性を高めたく、倒立フォークもそのために採用されていることが多いように思います。
      V7のフォークは40φと、昔の基準からするとけっこう太くて、ねじれとか曲がりに関しては十分に剛性が取れています。古ブレーキ時の安定感は、この太いフォークの横方向の剛性の高さも貢献していると思うのですが、それにかまけてフロントの負担をどんどん増やしていくと、それは本来のハンドリングとは離れていくように感じます。

      バランスってホントに微妙ですね。
      そこがまた、楽しいのですけれども。

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  2. 今日はシート後ろも心掛けしました。
    樹生さんのブログ、参考にしてます。

    特に、下りは有効でした~

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    1. tkjさん、ようこぞ北海道へ!
      秋田への帰省と重なってしまい、お会いできなくて残念でした。
      CBRさんの高品位ブレーキ、ホンダの緻密さが凝縮されていて、ブレーキかけるだけでも楽しいですよね。
      一度CBR600RRを友人から拝借して乗ったときに、驚いた記憶がまだ鮮明です。

      CBRさんでロングツーリング、お疲れ様でした。
      ブログを参考にしてくださって、とても光栄です。

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  3. KEI Cさん、こんにちは。
    着々とご準備、進行中ですね。
    タンデムって、思ったよりも走れますよね。
    浅いバンク角でぐりっと回ったりはかえって一人よりも曲がったりしますし。
    リヤ下がりの姿勢になってしまうので、タンデム時はプリロードを掛けると
    ハンドリングがよくなって、後ろに載せた人からも「おお違う」と言われた経験もあります。
    大きなバッグなどでもそうですが、ライダーの着座位置が前に限定されるのはちょっと苦しいですね。
    リヤにトップケースなどがあって、後ろに落ちない安心感がパッセンジャーにあるのなら、できるだけ後ろに座ってもらって、可能な範囲で後ろに腰を引いた状態を最初から作ってしまい、「ここが標準の着座位置だよ」と確認して、時々、「標準位置」に戻ってもらう…というのも、いいかもしれません。(偉そうにすみません。昔、数少ないタンデムランの時にそうしてました…)
    9月、楽しみですね。

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  4. HMSは本当にすごいそうですね。私はカワサキのスクールにしか参加したことはないですが、『バイカーズステーション』他の紹介記事でもその教える側のレベルの高さがうかがえます。
    スクーターの場合、あまり前へずってくることはないと思うのですが、背もたれがある場合、極端に背中を押し付けるのはよくないですが、フットボードの脚をちょっと前に突っ張るようにしてグリップがあれば掴んで安定させるといいみたいですね。
    ブレーキングの時に何か合図をしてから掛けるとか、一瞬わずかに舐めるように掛けて、「あっ、ブレーキだ」と構える姿勢を作ってから本格的に制動に入ると、ライダーもタンデマ―も疲れが少ないということはあると思います。(これも偉そうにすみません。)
    予測して、身構えてから力が掛かってくる、というリズムを、加速でも、減速でも、カーブの傾けでも、いつでも送れれば、タンデマ―はどうすればいいのか、わかるので、安心して対処できるようになりますね。載せてもらっているだけでなく、二人で走っている、という状況を作り出すことが、楽しいタンデムランのコツだと思います。

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  5. KEI Cさん、こんにちは。
    停車時の右足着地、最近、私そっちなんです。
    我流でよくないのかもしれないのですが、このあたり、自己アレンジと、よくない我流の違い、
    考えていくのも面白いなあと思います。

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  6. KEI Cさん、こんにちは。
    ライディングの引き出しを増やしていくことは、いつでも、いつまでもできますものね。
    私も少しずつ、増やしていって、そのことをまた楽しみにしていきたいと思っています。

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