2017年10月16日

朝の支笏湖へ。2

10月15日日曜日、朝、支笏湖へ走っていった。
国道453号の支笏湖への下りを流していく。
湖面近くまで下りると、そこはポロピナイのパーキングだ。
2017/10/15 7:23

とてもよく晴れていた。
風も弱い。
ポロピナイの駐車場の入り口付近、ダートが幅広く広がって通行の邪魔にならないところに停めて、少し佇む。

2017/10/15 7:23
まだ朝日が低く、湖面がきらきら輝いていた。

2017/10/15 7:24
湖の北側の山も色づいている、盛りはあと1,2日後だろうか。

2017/10/15 7:25
静かな湖面、悠々とカヌーを漕いでいる人がいた。



駐車場へ移動する。車が何台か来ていた。バイクは僕だけだった。
夏の間の貸しボートももう営業は終わりだろうか。
自動販売機には暖かい飲み物も並んで。
今日は、何も買わなかった。

良く晴れた。
気持ちいいきりっとした空気。
風はやさしく、そよと吹いている。
これはまだ、秋の風だ。

2017/10/15 7:31
木の桟橋を少し歩いてみた。
太陽が刻一刻と上がっていく。
朝の気配が、午前中の気配へと、変わっていく。

2017/10/15 7:31
いつもは遠くまで見ない、南西側。
さっきのカヌーの人は、もうあんなところまで。
岸辺の波はやさしく。
木々は明るくきらめき。
秋の最後の穏やかな日を、楽しんでいるかのように思えた。

ゆきかぜの元に戻り、
出発準備をしていたら、
声をかけられた。
上品な60代と思しき男性の方で、
「グッツィ、いいですね。よく走りますか?」
と。
「ええ。とてもよく走ります。」

しばらく会話した。
静かな湖畔。
楽しい歓談の時だった。

さて、帰路に就く。
午前の光に変わった風景の中を、ゆきかぜでゆっくり帰っていく。


国道453号線、支笏湖線は、時折展望が開けるが、基本は山の中、森の中を走っていく道だ。
秋の中、色づくペースも樹々でそれぞれ。樹種が多いほどに、色づきのバリエーションも増え、いろんな色が混じる時期がある。
もう少しで、ここは黄色と赤の鮮やかな色に染まるだろう。笹の緑を残して。
そしてもうすぐに初雪が降って、白い世界に変わっていくだろう。

2017/10/15 8:03
川を渡る。
手前の山は秋の終わり。革の上流では冬が始まっている。
季節の変わり目だ。
風が時折強く吹いた。

2017/10/15 8:09
振り向くと恵庭岳がそびえている。風が吹くと木の葉が舞う。
午前8時を回ったが、まだ混雑は始まっていない。
でも今日はきっとすごい渋滞になることだろう。

美しさに思わずゆきかぜを止める。

僕の全身を包む、秋の色彩。
冷たい風。鼻の奥がツンとする寒気の中、かすかに匂うの枯れ葉の臭い。

この色彩は写真には写らない。
この空気感は写真に写せない。

いつも思うのだ。
こんなにベタっとした色じゃなかった。
もっともっと繊細で、でももっと鮮やかで、もっと賑やかな、色彩の世界の中にいた。

その中にいないと、分からないことがあり、感じられないことがある。
どんなにVRが発達しても、いや、発達するほどに、微細になっていくそのごくごく小さな違いが、決定的な違和感となっていくだろう。
そこに「在る」ということ、そこに「いる」ということ。
そのかけがえのなさは、はかないけれども、絶対だ。

2017/10/15 8:10
一秒ごとに、光が変わり、風景が動く。
世界が刻々と変わっていく。
でも僕もいつまでもこの路上にいられるわけでもないし、
いつまでもいたいわけでもない。

ゆきかぜと、帰る場所がある。
帰らなければならない場所が。

それはおそらく、とても、とてもしあわせなことなのだ。

だから、安全運転で。
気を付けて帰ろう。ゆきかぜ。
9時過ぎには家に帰れるだろう。
(朝の支笏湖へ。完)

2 件のコメント:

  1. 四季彩、今年は寒暖が多かったので紅葉が綺麗です。去年は余り良く無かったので記憶に留まる景色が思い出せません。

    カメラの写真はメモ代わりだと思います。
    その場に立たなければ解りませんよね。
    ライダーはその感覚を共有していると
    思ってます。

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    1. いちさん、こんにちは。
      今年は紅葉の当たり年だと、他の方からも聞きました。
      紅葉の盛り、見られるかどうか…と思いますが、この日の国道453は、本当にきれいでした。
      もう秋も終わりですね。今日は手稲山の山頂に雪が見えました。

      風景に感動して、そのままそれを写そうとしても、写らない。
      たぶんですが、写真は、「写真として」風景を取ろうと、ちゃんとした時に
      逆説的に風景の一部を、記録できるのだと思います。
      ただ、作り過ぎてもいけない。邪心が入ってもいけない。
      難しいですね。ブログに写真を載せるようになって、写真の難しさを
      少しだけ覗いたような気がします。

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