その頃、ライダーたちは、すれ違うバイクたちに、互いの無事を祈って左手を上げ、
人差し指と中指を伸ばしてV字を作り、挨拶を送っていました。
これを「ピースサイン」と言いました。
最近は、このピースサイン、どうやら「ヤエー」と言うらしいですね。
なんと、この「ヤエー」、
「日本二輪車普及安全協会」のHPにも載っているんです。
『「 YAEH ! (ヤエー ! ) 」...知っていますか。』
その説明の文のところを引用・転載します。
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「 YAEH ! (ヤエー ! ) 」...知っていますか。
以前は、ツーリング先でバイクがすれ違うとVサイン、ピースサインの挨拶が行なわれ
ていましたが、最近一部のライダー達の間では「YEAH!(イエー!)」が変化して「YAEH!
(ヤエー!)」と呼ばれて挨拶が行なわれているそうです。「YAEH! (ヤエー!)する」・・
言い方は違えどもやっている事、やることの意味は何も変わっていません。
バイクが来たら「Vサイン」「ピースサイン」を掲げて挨拶する。他にも「手を振る」
「ガッツポーズする」など、やり方は自由で、どちらが先にやらないといけないという
決まりもありません。「YAEH! (ヤエー!)」された側も同じく相手に見えるように挨拶
を返答します。これでみんな仲間ということです。
また、この挨拶にはお互いの旅の安全を祈ったり、地元の人は訪れたライダーへの
歓迎を表したりといった意味もあるのだそうです。とにかくバイクが好きなら、みんな
で楽しもう、楽しませようということです。
※ 「YAEH! (ヤエー!)」をする時は周りの状況を見て行ってください。安全な時に、
安全な場所で必ず行ってください。オーバーアクションで両手を離すこと、などは絶対
禁止です。ハンドルから手を離せない時は、ペコッと頭を下げて挨拶すれば解かっても
らえます。返答がなかったからと言って怒らないでください。
みんなで安全運転なツーリングでバイクを楽しみましょう!!
(フォント、改行などは原典のままではありません。)
****************************************そして「ヤエー・ステッカー」もあります。
ヤエーステッカーウェブサイトより。 |
以下に引用します。
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序
安全第一に勝るものなし。
ヤエーステッカーはライダー同士の安全を願う行為「ヤエー」を普及させる為の一つ
の「形式」に過ぎません。
私達がこの様なサイトまで立ち上げてローカルルールを作るにあたってのねらい。
それは、制作者様の権利を守る為なのです。
誰しも、赤の他人が勝手に自分のデザインを持ち出してお金儲けしたり、売名行為を
行ったりするのは気持ちの良いものじゃ無いですよね?
なので、本当はオールフリーにしたいところをあえてズルをする方達から守るため、
誰もが無理なく遵守できる簡単なルールを作っているのです。
みんなで考え行動する。そんな活動にしたいと思っています。
どうか、ご理解くださるようお願いいたします。
ところで「YAEH 」「ヤエー」って何?
その昔70年代~80年代後半にかけてライダー同士ピースサインを出し合うのが慣例
でした。
道中ご安全に!の願いを楽しみながら具現化したんです。
ほかにもいろいろハンドサインがあったものです。
3ナイ運動や峠道の交通規制が頻繁になり、やがてバイクブームが冷め、この行為が
忘れかけられた頃、「やっぱ、これやらねーと盛り上がらねーわ」と昔っからのライ
ダー達は再び火をつけ始めました。
こうして、再び形を変え浸透しだしたのが「ヤエー」です。
v(・∀・)yaeh!とは
「おーう!この先も気を付けて走りやーv(・∀・)yaeh!」です。
無理に相手の注目を惹くのがメインではありません。
あくまで気さくに、相手に強要せず、乗車姿勢に無理なく安全に、粋に行うのが
「ヤエー」です。
ライダー同士、道中ご安全に!の願いを込めて行いましょう。
【YAEHの語源】
YAEH! ヤエー!
という活字は巨大掲示板のバイク板「ピースしようぜ!」スレッドで誕生しました。
この瞬間をリアルタイムで閲覧していた人も今となっては知らない人が多数ですね。
2003年というはるか昔にスペルミスが誕生の瞬間でした。「Yeah!」イエーを「Yaeh!」
ヤエーと打ってしまったのです。
ヤエステは更にもっと後日有志によって誕生し、オフ会ツーリングなどで無償で配られま
した。
(フォント、改行などは原典のままではありません。)
****************************************以前、私は「ソロ」という短いストーリーを自分のブログに連載で書いたことがあるのですが、
ソロ(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)
義男という若いバイク乗りと、三上という中年のバイク乗りとの話だったのですが、
(その話にピースもヤエーも出てきません)
「ヤエー」という言葉やステッカーの感性に若さを感じ、
自分の中に「ヤエー」はないなあ…と思って、
ふと自分の書いた物語を思い出しました。
ピースとヤエーに、世代と世相の違いを感じる…そんな齢に私もなったらしいです。
ヤエーの説明を読んでも、
「この挨拶にはお互いの旅の安全を祈ったり、地元の人は訪れたライダーへの歓迎を
表したりといった意味もあるのだそうです。」(『「 YAEH ! (ヤエー ! ) 」...知っていますか。』)
とか、
「ライダー同士、道中ご安全に!の願いを込めて行いましょう。」(ヤエーステッカーウェブサイト)
とか、「安全を願う」ということが書いてあるのですが、
その内容ではなく願い方、祈り方のニュアンスがだいぶ変わったなあ…という感じがしています。
「ノリ」や、誤解を恐れなければ「はしゃぎ」の要素が入っている、
と言えるかもしれません。
だからいいとか悪いとかいうのではなく、これはもう世代とか、個人の志向とか、
そういうものだと思うのですが。
私自身も別に「ピース」推進派でもなく、でも、だいたい地元の市街地を除いて、
旅先で出会うバイクには何らかの挨拶をする方なのですが、
例えば、自分が「ピース」をしたとき、相手は「ヤエー、ゲットォ」と
思っているかもしれません。
いろんなものが、明るく、正しく、影のないものになっていく感じがするこの頃。
「影」自体が演出や意匠としてしか受け取ることができなくなってきた世相。
そんな感じがします。
ヤエーするか、しないかの2択ではなく、「ヤエー」でも「ピース」でもない
ライダーの、互いの無事を願い、祈る挨拶というものが、かつてあり、今もある、
そういうこともまた、こうしたウェブの中の言葉や、画像などでも、表現し、
存在を残しておくというか、想起しておくことも、ひとつ、意味のあることかも
しれませんね。
樹生さん、こんにちは。
返信削除私のバンディットにはヤエステを貼っています。この記事のステッカーと同じデザインです。
私は30歳ごろからバイクに乗り始めた、やや遅咲きのライダーなのです。
雑誌やネットでピースサインという文化があるのは知っていたのですが、私がGPZ1100に乗り始めた2007年頃、近畿地方のツーリング先でピースサインを交わすことは、なかなかありませんでした。
でも、北海道ツーリングでは高い確率でピースサインを交わすことができ、「北海道はツーリングの聖地だな」と感じたものです。
ヤエステの影響でしょうか、それともモトブログの影響なのかわかりませんが、最近ではヤエーをもらうことが多くなったように思います。
和休はもうすぐ41歳。かつてのピースサインに比べて、ヤエーにはなにやら勢いを感じます。「旅路の無事を祈る」というより「バイク、楽しいねぇ!」という感覚の共有なのかな、とも思います。
表現は変わりましたが、ライダーの文化が綿々と受け継がれていて、また盛り上がってきたことはうれしく思います。
和休さん、こんにちは。
削除そうなんですね。
ピースサインはだんだん減っていって、2010年越えたくらいから
徐々にまた増えてきたように思います。
それは、特に50代より下の若い人たちには、
ピースとしてではなく、ヤエーとして増えてきていたのですね。
私なんかは旧世代なので、ヤエステのあの顔の表情がどうしてもダメなんですが、
そういうところをしなやかに超えていく人たちもたくさんいて、そうやって
バイク文化は受け継がれたり、新しい波になっていったりするんだなあ…と思います。
自分〈と〉違うもの、
自分〈が〉違うもの、
そうした違いを互いに否定するのではなくて、
違いに寛容になったうえで、自分の文化のオリジンをも
大切にしていく…。
そうやって、豊かな文化が、楽しく広がり、深まっていってくれればいいなと
思います。
いつか路上で会ったら、ピースとヤエーの交換をしましょう!
その日を楽しみにしています。