2019年7月22日

サマーグローブ「FIVE RS5 AIR」購入。

去年まで使っていたクシタニの「エアーエフェクトグローブ」。
2014年に買って、2018年まで、5年間使ったのですが、指先の部分、手のひら側と手の甲側との間のトリコットが、擦り減って破れてしまい、ライディンググローブとしては引退となっていました。
この「エアーエフェクトグローブ」、涼しさでは過去最高で、操作性もよく、非常に気に入っていました。使用感の記事を書いていますので、よろしければ参考にご覧ください。
「エアーエフェクトグローブ」 使用感

今年は夏の間走れるかすら心配なわけですが、それでも、北海道とは言え、暑い時期にサマーグローブなしとありとでは、疲れに相当の違いが出るし、春~秋のグローブが汗でダメになってしまうので、サマーグローブは必須なのです。
そこで!
走れなくなった昨日、サマーグローブを買ってきました。
買ったのは、僕としては初めてのブランド、フランスのバイクグローブの専門メーカー、
「FIVE」の夏用グローブで、「RS5 AIR」というものです。税抜き6800円。税込7344円でした。
FIVEの「RS5 AIR」 




このグローブ、まず、HPの説明をそのまま引用しますと、

【RS5 AIR】
  快感全快フルメッシュモデル
  商品特徴
  ・耐久性と通気性の高い合成皮革を使用。
  ・指の間にライクラ素材を採用し、フィッティングと通気性を向上。
  ・拳部分の素材の下側にPUナックルを使用。
  ・TPRスライダーを採用 。
  【スマホ対応】
  ・人差し指と親指に、タッチスクリーン用素材を配置し、
   スマホ操作が可能。
   ※タッチスクリーン用素材は、画像と色・素材が異なる場合がありますが、
   機能・操作性に変更はございません。
  サイズ
  S / M / L / XL
  カラー
  BLACK / RED / FLUO YELLOW
  希望小売価格(税別)
  ¥6,800
FIVE代理店岡田商事のFIVE日本語版HP、「STREET RANGE」より。

お店(『ライコランド札幌』)で小さな画面で流していた紹介ビデオがこちです。


STREET RANGEの中の 代表作、STUNTの説明をしています。
ビデオで紹介されている「STUT EVO」は税抜き9500円。
HPの写真では、
写真出典は、FIVEのHP、「STREET RANGE」より。


写真出典は、FIVEのHP、「STREET RANGE」より。
私が今回買った RS5 AIRは、そのサマーメッシュ使用の廉価版で、6800円。
HPでの写真だと、以下の通りです。

写真出典は、FIVEのHP、「STREET RANGE」より。

写真出典は、FIVEのHP、「STREET RANGE」より。
上のビデオの説明、お店では全然見てなかったのですが、実際に買って、家に帰ってから見ると、「なるほど、その通り!」と、納得のいく内容でした。
イメージ戦略ではなく、質実剛健に、中身・性能の話をしていたんだと、素直に頷ける話でした。

日本には香川県に革のライディンググローブを作る老舗があり、そのグローブのすばらしさは多くの人が実際に長く使用して褒めています。
しっとりとした良質の革を厳選し、革の部分や方向も熟慮しながら慎重に裁断し、日本の職人の手で一つ一つ丁寧に縫製する…、その素晴らしさは、確かに値段は張りますが、それだけの価値はあったと、感動まで与えてくれます。

フランスのFIVEはそれとは全く別のアプローチで、ライディンググローブの性能を真面目に考え、構築しようとしています。
化学繊維の多層メッシュ、合成皮革、天然皮革(クラリーノ)、カーボン、ポリカーボネート、合成ゴム、衝撃吸収フォーム…。
必要な性能を、多彩なマテリアルの複合、使い分けで実現。
脱着、バイク操作、転倒、事故時と、あらゆるシーンを分析・統合してパズルのように仕様を詰めて決めていく手法は、「最先端」を感じさせます。

私の買った廉価版の「RS5 AIR」にも、その設計思想はちゃんと反映されています。

全体像はこちら。
色のバリエーションもいろいろあるのですが、7月21日にまだサマーグローブを買っていない人は少ない……つまり、人気モデルや人気色は結構売り切れています。
私の場合、親指が少し短いらしく、どのメーカーのグローブでも、他の指がジャストだと親指だけ余ってることが多いのですが、今回、「RS5 AIR」の「11」(=XL)の場合、すべての指がぴったりサイズでした。
また、今回『ライコランド札幌』で購入したのですが、同じFIVEのグローブでも、「10」がジャストのものと、「11」がジャストのものがあり、やはりグローブは実際に手に取って試着してから買うのが本来なのだなあ…と、改めて思いました。

さてさて、見ての通り、夏用のショートグローブで通気性のよいメッシュが多用されています。
手のひらの小指側と、手の甲のナックル(指の付け根)に硬いプロテクターが入っています。
ハードプロテクターのあるグローブを買ったのは初めてです。

手のひら。
素材は合成皮革で、それ自体にほんのわずかに通気性があります。すべて内縫いです。
この補強革の当て方、各社で少しずつ違い、互いにデザインを切磋琢磨しているのでしょう。しかし、似てくるのもまた必然か。
しかし、オッと思うのは、手のひら真ん中の部分が一部合成皮革でなく、布のメッシュになっています。
ここは確かに、グリップに触れていても荷重がかかるところではありません。かすかに浮いていることもある部分と言えると思います。そこをメッシュによって、手のひら側の汗の水分を逃がしたり、空気が動くようにして蒸れを防いだりしているわけです。この位置、形、大きさには、独自の工夫があったことでしょう。


私が今回驚いたのは、ハードプロテクターの「装着感の柔らか」さです。
手のひら小指側にあるプロテクター、いわゆる掌底部分の外側をカバーしていますが、
これは転倒時、ライダーが手をつくときに路面に強く当たる部分です。
この表面に出ている部分は「TPRスライダー」だと思うのですが、素材が何かはごめんなさい、調べ切れていません。
見た目、触った感じでは硬質合成ゴム。例えば机に当てると、「カン!」と硬い音がしますが爪を立てると、やや食い込ませることは可能。でも、傷はつかず、跡も残らず、反発してきます。この部分は両サイドを詰まんで折れ曲げるように力を入れても、かなり硬く感じます。そして、そのスライダーの後ろに、岩礁を取り巻くサンゴ礁のようにあるのが、衝撃吸収層で、これは「TPRスライダー」より柔らかく、ゲルザブよりは固い、硬めのウレタンフォームのような感じの層です。
この二重層で路面からの衝撃から手を守っているのですが、すごいのは、グローブを嵌めた状態でこのプロテクターの存在が殆ど意識されないということです。
ハンドルグリップを握った時には影響せず、地面に手をつくときには確実に衝撃を逃がし、吸収する、多層式プロテクターの形状、位置、厚さ、周辺のカット等、非常に細かく多次元な設計とテストが繰り返されたに違いありません。
本気でグローブを作る集団。
もと、ヨーロッパのバイクウェア関係のメーカーでグローブを担当していた人たちが、自分たちで自分たちの納得のいくグローブを作ろうと2006年に設立したのが「FIVE」。
それが本気だということが、ここらへんからも伝わってきます。

ただ、私のライディングポジションで、ゆきかぜ号のハンドルを握った時、プロテクターが干渉しないか、長時間でどのように感じるかは、実際に走ってみないと分かりません。
後日、レポートしたいと思います。


ナックルのプロテクターは、「素材の下側にPUナックルを使用」とあります。
FIVEのナックルガードは露出していて、それがデザインアクセントにもなっているものが多いのですが、このモデルではメッシュ生地の下に隠してきました。
ここでも「PU」が分からない。ポリウレタンのことかと思うのですが、手のひら側とは違う「コツコツ」という、硬質プラスチックに近い感触が、生地越しにあります。
上級モデルはこのガードが人差し指中指、薬指小指で2分割されますが、この「RS5 AIR」では一続きの一枚もののようです。そしてこちらも、その下に厚めのクッション材が広く配置されていて、このガードの硬さが手を圧迫することはありません。
それは、指をまっすぐ伸ばした状態では〈ぽこん〉と膨らんだ形になる整形として、突っ張らないようにしていることが効いていると思います。

親指の腹側に合成皮革、背側にメッシュ。その面積、形状もかなり大胆に、繊細に作られています。2つ上の写真と合わせてみると、この写真の親指の革は当て革で、手のひら側では二重になっています。
指を曲げやすいように、ステッチも考えられています。


メッシュ生地はストレッチ性も高くて、手を動かすのは本当にらくです。
小指の背にはブランド名「FIVE」の文字が台座とともに貼り付けられていますが、これも、プロテクターとまでは言わないまでも、補強になっています。
掌底からついたあと、小指側に巻き込むように回転することが多いからで、本格的なレース仕様だと、ここにかなり強い補強が入ったりします。生地が擦り破れ、肉が削れるまでの間を、少しかせいでくれるでしょう。

また、親指と人差し指には通電皮革(合成皮革)を使用。
グローブを嵌めたままでも、タッチパネルの操作が可能ですし、指先のつくりは繊細にできていて、操作しやすいと思います。(私はスマートフォン持っていないし、滅多にタッチパネルはいじらないので、恩恵は分かりませんが…)

手のひら側の手首のところ、裾に、ブランドマークのついたタグのようなものが出ています。(2つ上の写真再掲)

これは装着の時にそこを掴んで引っ張るためのもの。
これが思いの外便利です。
街乗りやツーリングでは、パッと脱着したいときが結構あります。
手首のベルクロ一つだけを、べりっと剥がして、適当に引っ張ればすぽっと脱げますし、
タグのところを持って、指を中に突っ込むようにしてぎゅっとタグを引っ張れば、スパッとはまります。この速さは気持ちいいです。

手首の裾部分は、ネオプレーンでできていて、水濡れにも影響を受けにくく、肌触りも柔らかです。

今回のこの FIVE 「RS5 AIR」今までに使ってきた夏用グローブの中では、第一印象としてはかなり気に入りました。
では、実際に過酷な状況で使用してみてどうか、耐久性はどうか。
このあたりは、追ってレポートしたいと思います。

その前に、この夏、是非ともツーリングに行きたい私です。

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