2019年11月11日

晩秋石狩平野逍遙4 幌里小学校跡


追分から安平町へ、そして厚真町へ。
以前から好きで、時々通っていた厚真町。
幌里地区には、平成2年に閉校になった幌里小・中学校の跡があり、そこに、樹齢400年と言われるハルニレの樹がある。

久しぶりに、その樹に会いに行くことにしたのだ。



昨年の震災の跡が、今も残り、地形が変わったところも、見受けられ、進む復興と、戻らない風景と、両方の混在する厚真町だった。

幌里に近づくにつれ、風景の感じが変わっていることをなんとなく感じ始めていた。
震災の影響とは違う種類のものだ。

何だろう…。

そう思いながら学校跡に近づくと、以前なら遠くから見えていたハルニレの梢が見えない。

まさか……。
いや、そうかもしれない。そうかもしれないと、思っていた。

そう感じながら、学校跡に到着した。




ない。

樹もないし、校舎も、立て壊されて亡くなっている。

木の門柱だけが立っている。


裏には、平成2年の卒業生と修了生、2名の名前。




これが往年の姿。2009年、11月10日に訪ねた時のものだ。
ああ、ちょうど12年前だったのか。
当時の相棒、GPZ1100や近所の家と比べても、その大きさがわかろう。


その当時の案内板がこれだ。
樹齢は、最後は500年くらいだったのだろう。
100年くらいまえから腐朽菌が入り、徐々に枯死していったのだろうが、倒木の危険ありと判断しての伐採だと思われる。


切り株が残っていた。写真で見るとわからないが、相当に大きい。
確かに、ほとんど空洞だ。

2007年、8月末にも訪ねている。その時の写真も上げよう。










葉は繁り、やさしい木蔭を作っていた。

今ではそれも、失われてしまった。
時の流れというものか。



校庭に、たくさんの資材が積まれている。
震災復興の工事に使ったりしたものだろうか。


すぐ近くに、小さな、小さな流れがある。
きっと子供たちがたくさん遊んだ川なのだと思う。

その流れは、12年前とあまり変わっていない。




切り株の幅はゆきかぜの全長よりも広い。

初めてこの地を訪れた時、僕は、俳句じみた五七五の句を、二つ作っていた。


  学び舎に 楡の大樹は 今も立つ

  こどもらの 歓声(こえ)聞こえくる 春の楡
                                  和人


学校がなくなり、校舎がなくなり、樹がなくなり……。

一方ではそうやって、時は流れていく。

一方で例えば、13年前に車のトランクに積んで植木屋さんから家に運んで来て植えた
ヤマボウシの樹と、ナツツバキの樹は、今では我が家の二階屋に届かんばかりに育った。

12年前、中学生だった子どもも、もう20代の後半に入った。

僕が今、57。
あと、どれくらいバイクに乗れるだろうか。
どれくらい、いろんなところに行けて、どれくらい、走り回れるだろうか。

自由の空の下で、走り回れる時間は、どれくらい残されているのだろう。


2019/11/04 13:38
そんなことも、ふと考えてしまう、晩秋のそぞろ走りだった。

さあ、帰ろう。
今日は帰ってからも仕事がある。
遅くならないうちに。

長沼のあたりの裏道を、ふらふらと彷徨いながら、札幌をめざす。

北から広がってきた雲は、ところどころで雨を降らせているようだった。
時雨。
しぐれが来ると、もう冬だ。
北海道では時雨の季節は、一瞬しかない。すぐに雪に変わってしまうからだ。

雨に打たれなければいいが……。
ちょっと急ぎ足で走っていると、左手、北の空に、うっすら虹がかかっているのが見えた。

虹 ― rainbow。
rainは雨。 bowには、あいさつという意味もあるらしい。

雨の挨拶。

美しい虹には、雨はつきものだ。

雨がふるからこそ、虹もできる。

僕は、これから、いくつの虹をみることだろうか。
ゆきかぜを停めて、何とか虹の写真を撮ろうと苦労しながら、ふと、思って、手を止めた。
(晩秋石狩平野逍遙 完)

2 件のコメント:

  1. こんばんは。

    >あと、どれくらいバイクに乗れるだろうか。

    やっぱり考えますよね。
    ブログでは私も100才まで乗れるって少しふざけましたが、いつか降りる時は来ると思います。
    その時、大切なものを取り上げられた様な気になるのか、それとも清々しい気分でいられるのか。

    自分次第ですね。
    目一杯仕事して、目一杯家族を大切にして、そして目一杯バイクで走る。
    本当はいつ降りてもいい。
    そういう悔いがない生き方がしたいです。

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    1. ダンボ1号さん、こんにちは。
      バイクを降りる時、「すがすがしい気分でいられ」たら、素敵ですね。
      本当に、
      ダンボ1号さんがおっしゃるように、

      >目一杯仕事して、目一杯家族を大切にして、そして目一杯バイクで走る。
      >本当はいつ降りてもいい。
      >そういう悔いがない生き方がしたい

      そう思います。

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