2019年11月12日

初冬の晴れ間に。1(幌見峠:札幌市)

2019/11/10 10:06
11月10日(日)。晴れ。
たぶん、今シーズン走れるのは今日が最後だ。
ちょっと風邪気味。仕事もあって、走るべきではない。
走るべきではない?

客観的に見て、「走るべき日」など、今まで一度も存在しなかった。
バイクは北海道では贅沢品なのだ。一年の半分近く走れない、荷物も運べない、趣味の乗り物。こんなもの、冷静にリスク管理すれば、持たない方がいいに決まっているのだ。

そんな分かりきっていることは、もう、うんざりだ。
絶対に事故はできない。
でも、バイクに乗る以上、事故死する可能性は常にある。それは、今日かもしれない。

そうした矛盾を抱えたまま走るのが、バイクライディングだ。
バイクで死なない。バイクで人を殺さない。
その意志を常に携えていなければ、バイクで走ることはできないのだ。

で、今日は?

走る。

ただし、4時間までだ。

防寒装備を整え、ゆきかぜを引き出した。

北へ行くつもりだったが、出かけてみると、北の方は分厚い雲に覆われ、見える範囲では南の方が晴れている。

今日は、近場で、南へ。

方向転換した。


2019/11/10 10:06

幌見峠へやってきた。
道端にほんの少しだが積雪があって驚く。
市街地にはまったく雪はなかったから。

こんな小さな峠道でも、峠は峠なのだ。
落ち葉と雪、路面を流れる水が凍っていたら転倒する危険がある。

慎重に。

慎重に。

2019/11/10 10:06
峠から見る、札幌市街中心部。

ホントにビルだらけだ。
150年前は一面の森と湿地だったのが、ビルの森になった。

円山の森は葉を落として、冬枯れの景色になっている。

札幌市街の上は晴れているが、
東の方には雲の壁が見える。
北西の風に乗った雪雲が、流れてきている。

2019/11/10 10:06
斜面にもうっすら雪が残り、
太陽は低く、光はもう冬の光だ。


2019/11/10 10:07
晴れて陽が射しているが、斜面と樹々の影になり、ゆきかぜに光は当たらない。

陽向と日陰だけでも、表情ががらりと変わるのが、ゆきかぜだ。
MOTOGUZZI V7 
イタリアン レディ。

人にすり寄ってこない。凛としたレディ。
すがすがしい。

7年目のシーズンが、終わろうとしている。


2019/11/10 10:09
さあ、これからどこへ行こうか。

ふらりと散歩だ。
短い旅を、楽しもう、ゆきかぜ。(つづく)

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