2019年11月8日

晩秋石狩平野逍遙2 追分ファームのハルニレ

安平町、追分向陽にある、「追分ファーム」にやってきた。
サラブレッドの競走馬を育成している、有力な牧場だ。
2019/11/04 10:57
そこに、たぶんハルニレだと思うのだが、僕の好きな木がある。

秋の終わり。
今日はもう葉を全部落としていた。

それでも、気持ちのいい空間を作ってくれている。


のびやかな樹形。
のびやかな空間。
ここは、浅く、なだらかな谷あい。
激しい冬の風から守られて、馬たちが生まれ、育ち、旅だって行く。

以前訪れた時にはなかった石碑が二つ、この樹の近くに設置されていた。


すべての馬たちに捧げる、墓標だ。




こちらは「ゴールドアリュール」の墓標。
かなり強い馬だったらしい。2002年~2003年にかけて主に活躍した。


ハルニレは、どしっとしていながらも老いを感じさせない。
柱みたいだ。


枝を見上げてみる、長い歳月の中での傷や、そこからの再生の跡が見える。
樹も、ただ立っているのではない。
毎年、春には芽を吹き、枝を差し伸べ、風や、雨や、凍り付く寒さ、動物、人間、落雷などと闘いながら、一年、一年、齢を重ねていく。
二度とない一年を、幾度も幾度も重ねて、樹は立っている。


大きい。
そして若々しい。
芝生の上の影が、その姿を物語っている。




この樹の向こうに、厩舎や調教所など、追分ファームの本部が広がる。

馬も美しいが、今は、この空間そのものの中に、もうちょっといたいのだ。

鉄馬、ゆきかぜを眺め、樹を眺め、丘の風景を眺めて、すこし佇んでみたい。





でも。

いつまでもいられるわけでもない。

また、

流れていくからこそのツーリングなのだ。





さあ、

行こうか、ゆきかぜ。
(つづく)

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