羊蹄山をぐるっと回る道は、恰好のツーリングコースになっている。
いつもは立ち寄る京極の名水の道の駅は、今日は観光バスが何台も停まっていし、バイクも結構見えたので、なんとなくだがパスした。なんだか一人でいたい気分の日なのである。
北側をぐるっと走り、倶知安からニセコのスキー場街道みたいな山麓を回る道に入り、ニセコパノラマラインを目指した。
途中、「ニセコパノラマライン通行止」の標識が。
冬季通行止は解除になったはずだが、事故でもあったのか…と考えながら進むと、「ニセコパノラマライン、雪崩の危険のため通行止め」とあった。
今日はニセコの山で、雪が見たい。行けるところまで行ってみよう。
そう思いながらさらに進む。
途中、山菜取りの車がいたるところに停まっていた。
ふらふらと車道に人や車が出てくる可能性もある。慎重に進んだ。
すると、だいぶ上がってきたかなあ…といゆあたりで、南から西を見下ろす斜面の向こうに、たぶん蘭越方向だと思うのだが、雲海が見えていた。
写真を撮ろうと路肩に止める。涼しい風が気持ちいい。
しばらく風に吹かれて、再び道を登り出した。
直進すると岩内方向、右折するとニセコアンヌプリ方向、という分岐点で、岩内側の直進路が通行止めになっていた。
山には新緑が映え、残雪とのコントラストが美しい。僕の腕では写真に収めることはできなかった。
道路のすぐ横まで残雪と新緑の白樺林が迫る。
6月の陽射しは力強く、日向にいると暑さまで感じる。しかし、白樺の樹間を渡る風は少しひんやりとしていて爽やかだ。
空には、やはり風が抜けている。
ゆきかぜ、君の生まれた国の北の方に行くと、アルプス山脈があるよね。
そこの景色は、僕は写真集でしかみたことがないけれど、本当にきれいだね。
空の青と夏山に残る雪の白、大地の緑は、君の故郷の情熱的なライダーたちも愛する風景なんだよね。
北海道はイタリアよりも少し寒い。雪はずっと多い。
それぞれの国に、それぞれ、そこにしかない美しさがあるよね。
この国の風景も、君が好きになってくれるといいな。
さあ、道は行き止まりだけど、もう少し走りたいな。
寄り道しながら、少し走ってみようか。 (つづく)
<<<おまけ。>>>>>
上の写真の前輪と後輪をトリミングしてUPしてみた。ここまでの山道は中速コーナーの多い道で、それほどツイスティではない。馴らし中だからフルトラクションの旋回はしていないが、4000rpmの上限までは回しながら走ってみた。
それでもペースはそれほど速くない。本文中にまも書いたが山菜採りの車がブラインドカーブの出口に平気で路上駐車していたりするので、飛ばすこともしていない。
前回時よりも若干ブレーキングも強めにしてみたが、まだフルブレーキングの半分くらいか。
ほぼエッジまで接地しているが、相変わらず車体はどこも接地しない。ちなみに空気圧は前後とも260kpaで、指定のタンデム時の空気圧である。(一人乗り時の指定は前後250pka)
チューブレス化してすぐのこともあり、リムにタイヤのビードが早くなじむようにと高めにしてあるのは、ズームさんの判断だ。
空気圧を下げれば、簡単にエッジまで接地すると思うが、それがふさわしいかどうかはまた別。サーキットなどで一人乗り、連続高速走行する場合は、冷えている間のことはあまり考えなくてもいいので、空気圧を下げることもあるだろうが、公道ではまた別だ。
『バイカーズステーション』誌では、徒に空気圧を下げてしまう風潮にかなり厳しく警鐘を鳴らしている。しかし、『ライダースクラブ』誌では、若干の下げはタイヤを潰すのに有効との認識を示している。
この判断は難しいところだが、危険でない範囲で少しずつ、自分で試してみて、ベストを探すとよいと思う。
僕は乗り心地が悪化したり、跳ねたりしない範囲で(そこまで入れすぎるのは相当極端だ)やや高目が好みだ。
さて、やや高めに空気を入れた状態のピレリスポーツデーモン。少しペースが上がり、やや駆動力をかけるようになっても、表情に変化は見せず、グリップは安定していて安心感も高い。直進から徐々に倒して行っても、その間に不自然な粘りや、急にリーンが軽くなったり重くなったりといった過渡特性の変曲点も感じない。
やはり素直で、しかも結構限界も高いのか?…というのが現在の印象だ。
この時点でのタイヤ表面を見てみる。新品から約650キロ、全体的にはおとなしく走っているが、この手前10キロほどは、中速ワインディングを走ってきた。
(写真はクリックで拡大。記事に戻るには、ウェブ上で前のページに戻る作業をすると戻ります。実は他の全部の写真がそうなんですけれど…。)
停まってすぐに素手で触ると、温かく感じるくらいの熱が入っている。「熱い」と感じるほどではない。発熱もかなり落ち着いてきた。
前輪が若干オイリーな感じに見えるが、実際には青焼けしている感じではない。ウェット路では未走行なので、ウェット性能はわからない。自然な感じで、かつグリップ力は結構高いと思う。ライフはどれくらいか、楽しみである。
後輪は前輪よりもさらにオイル分が少ない感じに見える。立ち上がり、トラクションを徐々に駆けているが、アブレーションはごくごくわずかで、落ち着いたタイヤだと思う。しかし、やはりグリップ力は結構高いと感じる。
1000kmを越えたら、エンジンをもっと回して、もう一段階上の荷重をかけてテストしていきたいが、おとなし~く走った650kmの感想をまとめると、自然なバンク特性、高いグリップ力が粘着性ぬきに感じられ、ライフはまだわからないが、長そうに見える、というものだ。
次回はエンジン回転の上限はそのままに、もうちょっとだけ荷重をかけてみてのレポートがおまけです。
(く…くどいけどね。^^;)
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