支笏湖真駒内線を行く。遠くに恵庭岳。新緑がきれいだった。 |
6月1日土曜日。今日は我が家に来たモトグッチV7スペシャルの馴らしをしに、ちょっと走ってみることにした。
早い時なら朝3時に起きて、4時には家を出て、どびゅーんと距離を朝のうちに稼いでしまうのが僕のパターンなのだが、何せ仕事疲れでふらふらのうえ、忙しすぎるせいか、激しい頭痛にこの一週間見舞われていた。そこでいつものパターンは止め、朝ご飯を妻と一緒に食べ、朝7時に出発した。
まずは支笏湖を目指す。
裏道を繋いで真駒内支笏湖線に合流すれば、あまり信号に引っかかることなく支笏湖までいける。馴らし中であるから、ゆっくりと走る。速い車には左に寄って道を譲り、速いバイクにも道を譲りながら、新緑の中をV7で駆けて行った。
このコース、ある程度の速度で走れば、ハンドリングやサスペンションのいいテストになるのだが、今日の走りはそれ以下の速度域だ。
感じるのはサスペンションがちょっとチープなこと。少しばたばたとする。いまさらながら、GPZ1100とフロント:ハイパープロスプリング+IPONEフォークオイル、リヤ:WPモノショックサスペンションの能力の高さを思い知る。バネ上が重いGPZ1100はもちろんサスにかかる仕事量は大きいが、対バネ下比では大きくなるからバネ上が落ち着きやすい。V7はもともとの軽さが圧倒的に優位になるが、バネ下が重い分、ばたばた感は出やすい。しかし、やはりこの差はサスペンションのコストの差のように思えた。
しかしサスペンションとて馴らしは必要だ。本来の性能を発揮できるようにし、また、僕に合わせたプリロード調整などもしてからこの議論はすべきだろう。走っての安心感は大きいから、これはすぐに弱点といってしまうのは早計だろう。2000キロ時点で再報告したいと思う。
朝の『支笏湖は静かだった。漁船が湖面に出ていた。 |
特筆すべきは、馴らしで車体任せで走っている時、という前提付きになるが、ハンドリングのニュートラル域が広い。直線からの倒し込み時に、微速でも、車の流れに乗る速度でも、フロントの切れ込みは全く感じない。Uターン時でも切れ込んで来たり、重心の高さからぐらっと来る…なんてことはなく、非常に安心感が高かった。後ろ17インチ、前18インチ、タイヤ幅は前100、後130で、スリムで前が大径。ナラシの制限速度内なら、切れ込みもなく、Fタイヤに舵角がつかない、アンダー傾向も感じることなく、素直に倒した分だけ内側へと曲がっていく感じで、非常にわかりやすいのだ。安心できるハンドリングと言える。
スリムな車体ゆえ、自然とリーンウィズのままシートに体重を預けてリーンしたり、立ち上がったりしながら進んでいくことになる。このハンドリングは疲れないし、うきうきする。それはタイヤの接地面の感触がGPZ1100+メッツラーとかなり違うからだ。その違いは次回に詳しく述べたい。
支笏湖畔にバイクを停める。恵庭岳が湖面越しに聳えている。朝の湖は空気が凛としていた。 |
エンジンの振動は2500~3000rpm近辺でも少し硬質なものがステップ、ハンドルにも来る。しかし、シャフトドライブの癖は、走っていればほとんど感じない。停まってアイドリングしているときに空ぶかしするとサイドスタンドで立てていた車体がぶるっと右にお気上がろうとして、ああ、シャフト車だなあ…と思わせるものの、いざ走ってしまえば、そうした癖は感じなかった。
このあたりも雑誌で書いてある通りだった。
湖の気温は10度。川霧のような朝靄がかかっていた。空気はひんやり感じられ、やや肌寒いくらいだった。 |
湖が美しい。安全なPスペースにすぐ移動し、前後タイヤに触ってみる。程よい熱の入り方。Z6よりも熱くなっているのには、さまざまな理由があるだろう。バイアスタイヤでタイヤ全体がたわむので熱が全体に入りやすいこと、接地面積が狭いことからくる面圧の強さ=変形量の多さ=発熱、という感じもあるのだろう。
リヤのハブに当たる「ファイナルケース」(エンジンの駆動力を後輪に伝えるために、回転しているシャフトの力を車輪を回す力とするため、ギヤで減速しつつ90度、力を方向転換する.)も、思ったよりも熱くなっていた。
…と、そこでリヤタイヤに刺さるクギを発見!GPZで走った18年間で一回もなかったことだ。
(驚いてしまって、クギの刺さった写真は撮っていない。)
リヤタイヤの空気は手で押してみた範囲では抜けていないように感じる。
もしもクギに似ているただのボタン状の短い金属片ならタイヤを貫通していないだろうから、撮っちまってもいいのだが、もしも本物のクギなたきっと貫通している。これを抜くと、空気が一気に抜けて方向不能になってしまう。
他の個所も急いでチェックするが、リヤの右側以内は異常なしだった。
さて、どうする?
跨ってみると、やはり空気は抜けていないように感じられるのだ。
結論は、気を付けて、慎重にゆっくり走ってみる。その方角は、札幌方向、もしも空気が抜けているなら、そのままの乗り続けるのは極めて危険。
細心の注意を払って、そうっと走る。
異常vは感じない。抜けていないのか?
ちょっと走って止まる。タイヤのチェックする。
数キロ毎にそれを繰り返しながら、じわじわと札幌に帰るのだ。
抜けてきたら、危険な状態になるまえにすぐに停止して、「ズーム」さん(このバイクを売ってくれたバイク屋さん)に電話しよう。そわそわしながら、ちょっと走っては停まり、走っては停まりして、札幌へ帰ってきた。なかなか空気が抜けないようだ。
僕のことをうそつきだと思う人もいるかもしれない。「V7クラシックのスポークホイールは、チューブタイヤだから、釘を踏み抜いたら即座に空気が抜けて走れなくなるはずだ」というものだ。その推測は正しい。しかし、今回のケースでは外れだ。それは、僕にこのバイクを売ってくれた、ズームさんのある加工によるものだ。(以下続く。)
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