ゆきあkぜの食事はハイオクタンガソリンだが、人間の食事はホントにお粗末。
さて、国道38号線は道東の幹線道。帯広‐釧路を結び、交通量も多い。
おまけにこの国道は、道東の河岸線、民家も何もない自然の風景の中をただ突っ走る区間も多く、
車の流れは時によるが、速い時、ところでは車列自体が時速90km/hで流れているときもある。
逆に言えば、車列について走っても、そのペースの遅さにいらいらすることはあまりない。
道東では、日常的にだいたい目的地までの距離数をそのまま分数で計算するとついてしまうことが多いのだ。
60km先なら1時間で着く。90km先なら一時間半で着く、というように。
だいたいその通りに着く。
…ということは、車の流れ自体が相当な速さだということになる。
そのことの是非は今は言わない。単純な問題ではないことは確かだ。
車の流れに乗って、追い越しも追い越されもせずに流していると、白糠を過ぎ、音別、直別、と、街を継ぎながら、国道は十勝へと進んでいく。
直別から国道38号線を離れ、海岸沿いの厚内方向へ、道道の1038号線を行く。
2014/9/7 10:05 道道1038 厚内 |
狭い砂浜、波しぶき。
釣り客は竿を海に何本も立てて、遡上しようと海岸に近づく鮭を狙っている。
川に入ってしまうと鮭は禁漁。
しかし、海岸からの一本釣りなら合法。
たくさんの釣り客が来ていた。
さらに海岸線を走り、昆布刈石をめざす。
2014/9/7 10:22 |
展望台と言っても、何もない。
ダートの道と、小さな立て看板があるだけだ。
むかし、ここまでは十勝川河口からずっとダート道だった。
知る人ぞ知る、人のほとんど来ない、崖の上の展望の開ける場所。
オフロードライダーにとっては、ぜひ走ってみたい場所の一つだった。
2014/9/7 10:25 |
寒い気温。海からの冷たい、強い風が一年中吹き、大きな樹木は育たない。
道以外に人工物が見当たらないような、そんな気になる。
そんな場所だった。
2014/9/7 10:26 |
往時を知っている僕は、しばし感慨に浸る。
海と崖と空、土の道しか感じられなかったこの場所に、はっきりと文明の匂いを感じるようになった。
2014/9/7 10:33 |
カップルのライダーが2台で、走って行った。
写真左下に微かに道の跡が見える。
そこを走った昔の思い出が霞の中に消えていく。
2014/9/7 10:39 |
2014/9/7 10:41 |
ここも10年くらい昔、来たことがある。
下りてみようかと行きかけたが、
海岸にはたくさんの4WDの車と、ワンボックスで釣りに着た釣り客たちの車があった。
昆布刈も変わった。
僕だって、変わったのだ。
写真を撮っていたら、
道の上の方で車を止めて景色を眺めていたご夫婦の男性の方が声を掛けてきて、
写真を撮って差し上げましょうかという。
上品な紳士は本州ナンバーの車だった。
2014/9/7 10:41 |
お礼を言って、ゆきかぜを発進させる。
さらば、昆布刈石。
僕とゆきかぜは豊頃を目指す。(つづく)
昆布刈石ですか。ダートの先に、手付かずの海辺があったのを覚えてます。
返信削除まさしく最果て感があった。誰も来ないし、海鳴りが轟くのみで、何も無い所!
心細く思うけど、何か解放された気分だった。広い大地と広い海と空、そして
そこに立つ自分が嬉しくて・・・今も琴線に触れる所はあるけれど、以前ほど
少なくなってきてる。シンプルに感じられれば、もっと感動するんだろうな~。
r十勝平野はとても広い平野。その中を流れる十勝川も滔々たる流れ。
削除しかし、その海岸線は、意外と広い砂浜…ではなく、数十mの崖、ということろが多いのでした。
例えば、明治になる前の北海道、その頃は北海道という名前もなく、蝦夷地と呼ばれたり、先住民族のアイヌの人たちは静かな人間の大地(アイヌモシリ)と読んだりして今したが、その頃の美しい自然を知っている人たちが、1970年代の北海道を見たとしたら、こんな広い、地形を無視したまっすぐの暴力的な道を作って、樹はどんどん切って、山を掘って石炭を掘って川を真っ黒に汚し、海の魚はいなくなるくらい獲り尽くして、いったいなんてことをしてくれたんだ、と思うことでしょう。
僕のノスタルジイも、単に個人的な僕の原風景を懐かしんでいるに過ぎないこと、今、北海道を訪れて感動した人には、今の北海道が原風景になるだろうことも、覚えておかなけれならないことだと思います。
それが分かったうえで、ちょっと自分のノスタルジーにこっそり浸りたい。
ノスタルジーというのは、そういう程度がちょうどいいのではないかと思います。
一部の人の昭和へのノスタルジーを、国の祝日にしたりしないで。
大正や明治、江戸を懐かしむ人も、多くいることでしょうし…。
変わりゆく昆布刈石に佇んで、少し、そんなことも考えました。