十勝太から浦幌十勝川を遡り、道道1038号に再び合流し、新吉野から国道38号線に合流する。
豊頃の街中を抜けて十勝川の左岸、堤防沿いの道を500mくらい南下すると、豊頃町のシンボルになっている春楡の木がある。(付記あり)
2014/9/7 11:05 豊頃のハルニレ |
この樹は1970年代から有名で、豊頃のシンボルになり、この地は公園化された。
と、いっても、この広い草原は、牧草地ではなく、草も芝生ではない。
普通の雑草を定期的に刈っているのみだ。以前訪れた時はふさふさの草原だったが、今日は刈りたてなのか、芝生のようになっていた。
2014/9/7 11:05 豊頃のハルニレ |
以前、十勝の池田長に住んでいたころ、幼い子供と時々この樹を見に来ていた。
自転車で片道20kmくらい。
小学校低学年の子どもには、ちょっとした冒険だった。
この樹は豊頃のカントリーサインにも使われ、TVでも何回か取り上げられてきた。
何回かの洪水では幹の途中まで濁流につかり、それでも流されずに、生き残ってきた樹だ。
この樹だけの写真集も出ている。
春も、夏も、秋も、雪と氷の冬も、美しい。
2014/9/7 11:05 豊頃のハルニレ |
この数十年、樹形が少しずつ変わって来ていて、以前の完全な球形に近いものから、少しずつ、崩れてきている。
しかし、樹は生きているのだから、それは自然な事。
それでよい。
初めておこの樹を訪れた時は20代。子どもと訪ねたときは30代の後半。
今、僕も50代になっている。
体重は増え、皮膚にシミが増え、老眼も進んで、僕も変わってきた。
樹齢150年ほどと言われるこの樹は、まだ青年期から壮年期に向かう頃。
僕が死んだ後も、まだまだずっと生きていくことになるだろう。
少しずつ樹形を変え、枝を折り、また伸ばしつつ、命をつないでいくことだろう。
2014/9/7 11:05 豊頃のハルニレ |
この樹を訪れると、僕は必ず草原を歩いていって樹の下へ言っていた。
草は膝から腰くらいの高さがあり、他に訪れる人もなく、ハルニレの根方に腰を下ろして、しばらく休憩していたものだ。
今日、草はきれいに刈られて整備され、駐車場には4、5代の乗用車が止まり、この樹を見に来たお客さんたちが華やかに話していた。
根方にもたれかかることは、今日はできそうにない。
道の上から、遠く見晴らして写真を撮り、しばらく見つめて、樹に別れを告げた。
また来よう。
その時、この樹はどんな表情をしていることだろう。
11時を回っている。
今日は日暮れまでに札幌に帰りたい。
そろそろ旅も終わりが近い。
一件、11年ぶりに訪ねたい店がある。
そこへ寄ってみよう。
ゆきかぜと、ゆっくり、走り出す。(つづく)
<付記>
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今回の記事『紅葉の大雪山・旭岳』では、おそらく日本一早い北海道大雪山系の旭岳の紅葉や、美しい景色、高山植物などを紹介。
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