2016年1月25日

樹生の弾丸流儀1

さて、ここからは極私的弾丸ツーリング流儀。
私、樹生和人の弾丸ツーリングのやりかたについて話して行きます。
私はごく一般的なライダーです。その前提で、いちユーザーの体験談としてお聞きください。
今日は、弾丸ツーリングに行くマシンについてです。



1 弾丸マシン選び。

弾丸ツーリング向きのバイク、そうでないバイクはあります。
最強と言えば、アドベンチャー系のヤツ。
BMWのR1200GSとか、ラリーレイドマシンに近い奴ですね。

前の相棒にGPZ1100を選んだのは、当時とて、今よりはましとはいえ、忙しかったので、まとまった休みは取りづらく、それでも遠くへ行きたい思いは募っていましたので、それなら、一気に遠くまで走れるマシン、という尺度で選んだのでした。
そして、ただ移動が楽なだけでなく、コーナリングが楽しいマシン。そして、自分の経済力で手が届くマシン。
その条件に合ったのが、国内仕様、1995年に約85万円だった、GPZ1100だったと言うわけです。



ところが、18年後、2013年にGPZ1100の後継として選んだのは、現在の愛車、MOTOGUZZI V7Special、750cc空冷ツインのネイキッドバイク。
ABSなし、トラクションコントロールなし、エンジンモード切替なし。今急速に主流、スタンダードになりつつある電子制御が、フューエルインジェクション以外ににほとんどない、素バイクでした。


750ccのエンジン、最高出力は50ps。最高馬力では400ccクラスの出力しかありません。
最高速度は、180km/h強。でもノンカウルですし、現実に法律が許す場合の最高巡航速度は140~150km/h程度でしょう。
縦置き90°Vツイン、モトグッチは理論上、一次振動がゼロになるため、高回転になるほどに振動が収束していく傾向があります。
しかし、このV7シリーズは無振動にはなりません。
振動の質は変わりつつも、ステップやハンドルに細かい、でも角の立った振動が、130km/hを過ぎたあたりから出始めます。直進安定性は問題なく、外乱に遇うと、フレームが負けてうねうねとしなり、揺れ出しますが、変に力まなければおだやかに収束します。

それでも風圧がすごくて、長時間だと疲れてしまいますし、長時間高速で巡航し続けると、振動で手が痺れて痛みが出始めることがあります。

ここはおとなしく、高速道路でも車の流れに乗っておだやかに巡航するのが気持ちよく、結果的に早く、遠くまで行ける感じです。

これが、ヨーロッパの地で、片道300km、往復600kmでも休憩、給油込みで3時間半で行って帰って来れて、疲れのあまりないGPZ1100(欧州仕様)との違いです。

それじゃ弾丸向いてないじゃん。
そう、V7は弾丸向きじゃない。
何台も所有できる人はともかく、手持ちのバイクで遠くまで一気に走りたいと思ったなら、そのマシンと自分の能力、掛けられる時間、天候条件、予算など、現実のさまざまな条件の下で、安全マージンを大きくとった上で行けるだけ行く。
それが弾丸ツーリング。


自分が、こいつと遠くまで一気走りしたい…!と思ったら、それがその人にとって最高の弾丸マシンとなるのです。

相棒と走るから意味がある。

カブで弾丸ツーリングをする人を知っています。
なんと下道1000km、スーパーカブで一気走りをするんです、その人。(正確にはその人たち)
そいつと走りたいなら、そのマシンが弾丸マシンになる。

たぶん弾丸ツーリングしたい人は、自分のしたい弾丸ツーリングはできるくらいの愛車を選んでいるはずです。
ラリーレイドに出るわけじゃなし、競争するわけでもないのなら、愛車と自分のペアを基本にして、できる弾丸ツーリングにチャレンジすればいい。
どうしても我慢できず、マシンの能力が不足だと思ってしまうのなら、それはマシンの買い替え時なのかもしれません。

次回はウェアリングです。

6 件のコメント:

  1. とうとうグッチが出てきましたね(笑)
    弾丸ツーリングするにはマニアックなバイク選びましたね(笑)
    シンプルなバイクなんですが奥が深いですよね。

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    1. いちさん、こんにちは。
      GPZ1100で18年間走り、自分も50代になって、もう一度自分のバイクライフの原点に帰って行きたい気もしていました。
      それは、剥き出しのノンカウルモデル。
      リアが跳ね上がっていないデザイン。素直なハンドリング、軽い車重。でも、走りの感動を与えてくれるバイク。
      そうやって考えていくと、モトグッツィのV7になって行ったのでした。
      3年1万4千キロでは、まだまだV7のポテンシャルには迫れていません。
      今年はいっぱい走りたいものです。

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  2. 樹生さん
    こんばんは。
    >>相棒と走るから意味がある。
    こいつと遠くまで一気走りしたい…!

    僕のsportも、FI以外は何も付いていない素のバイクです。
    選んだ基準は、ネイキッドである事=リアルにスピードを感じられるバイクという事で選びました。
    スーパーバイクシリーズと迷ったのですが、自分の技量や走るシチュエーションを考えての事ですが、
    決め手は、唯一にして、そしてセクシーなスタイリングだったかも知れません。

    さて、そのsportも(長距離)弾丸には向きません。
    ライディングポジションがきつく、休憩をとりながら高速を使っても500〜600kmくらいでしょう。
    それでも
    「肩・腰、痛ぇ〜」とかヘルメットの中で言いながら、8年も喜んで乗っているのですから不思議なものです。

    が、しかし
    低いハンドル・長いタンクに覆いかぶさるように体軀を低くして、風を切る様は、射程距離は短くても(笑)
    ”弾丸感覚”は満点近いバイクだと思っているのですけどネ(苦笑)





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    1. Hiroshi Mutoさん、こんにちは。
      ドゥカティSport000、美しいですね。
      その弾丸に向かないマシンで新潟まで飛ばして会いに来てくれたこと、
      今でも鮮烈に覚えています。
      あれもまさに弾丸ツーリングでしたね。
      ロングタンクにセパハン、バックステップはSSの証。
      それで弾丸するのは確かに合ってます。
      「なんやと!!スプリンターでどこまで来るんや!?」って感じですね。
      絶対弾丸向きの無敵バイクでドバーっとくるよりも、なんかすごく好きです。

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  3. 新年明けましておめでとうございます。
    ご無沙汰しております。KHOGです。
    2年離れていましたが、昨年より
    札幌に戻って来ております。
    今年はちょこっと赤井川弾丸ツーにでも行きましょうね~。
    今年もお付き合いのほどを!

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    1. KHOGさん、こんにちは。
      お帰りなさい、ことしもよろしく。
      …って、変な挨拶になってしまいました。すみません。
      今年もよろしくお願いします!

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