2016年8月31日

Dance with R65(2)

喜茂別町の高台の畑から、京極町の高台の牧場へ。
「望羊の丘」と名付けられて、少しずつ有名になってきている、僕の昔からのお気に入りの場所だ。
15分ほどで到着する。
季節を通して、景色のいい、心地のいい場所。
朝7時過ぎ。もうすっかり寒さはなくなって、夏の午前中、という雰囲気になってきた。
2016/8/28 7:16






ST4さんも、ここは気に入ってくれたようだ。

しばし、見晴らしのいい、風の見えるこの風景にひたる。

羊蹄山が雄大だ。




こちらは尻別岳。

空が広い。




道端のススキがもう穂を出していた。

秋だ。

羊蹄山も雪渓が消え、山頂付近は、山の色から初夏の清々しさが消え、
秋の表情になってきている。

秋は空から、そして高い山の頂からやってくる。




朝7時20分。
太陽はまだこのあたり。
北国の秋は、太陽の低さからも。

この光の表情は、もう、秋だ。

でも、気温は上がってきている。
ST4さんは、薄手のインナーダウンを脱いで。


ここでもいろいろ話したのだが、風景や、吹いていた風の感触の記憶の方が強い。

ここはやっぱり、僕には特別の場所だ。


高い空。

この空の下を、走る喜び。

何ものにも、代えがたい。






この丘は、景色がいいだけで、土産物屋もないし、自販機もない。トイレもない。
丘までのアプローチもわかりにくく、特に走りに胸躍るカーブがあるわけでもない。
「走り」に特化したツーリングなら、ここに寄る意味はあまりない。
仲間でワイワイやるラグジュアリーツーリングならなおのこと、ここには来ない。

でもここは、僕にとっては赤井川村と同じく、訪ねたくなる場所だ。

僕にとってのバイクで走ることの意味を、
この場所は思い出させてくれるような気がする。

2016/8/28 7:49

さて、もう8時になろうとしている。

短い打ち合わせのあと、身支度をして、丘を降りていく。

R65は、大型バイク、という感じの、ツインの響きを聞かせてくれる。
対してV7は、音も中型のような、おとなしい、ぽくぽくという感じだ。
同じ中間排気量でも、迫力、込められた「もの」には、はっきりとした違いがあるように思われた。

ST4さんの走りの気配が、背後からなんとなく伝わるようになってきた。
ミラーを頻繁に見なくても、走りの感覚が、なんとなく感じられる。

道の駅、「名水の郷 きょうごく」でトイレと糖分の補給をしたら、
今日の走りのメインステージへと、向かうことにしよう。(つづく)

4 件のコメント:

  1. こんばんは^^
    樹生さんの写真の空気感に見とれてしまいコメントしました。

    佇む羊蹄山と…
    雲がなく、ただただ高く そして抜けるように広がる青い空が…
    あまりに素敵で^^

    アゴを少し上げて見上げる行為は、
    胸を開いて肺の中に景色を吸い込むような開放的な気持ちになりますね。

    その感覚は…
    攻める走りだけでは見逃してしまい、
    通り過ぎて流れる風景にしてしまうのは勿体無い気がしてます(^^;

    樹生さんのように、時には立ち止まり…
    そして北海道の今を味わって行きたいと思いました^^

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    1. selenさん、こんにちは。
      ありがとうございます。
      selenさんのフィルム写真の空気感、ただシャープなだけでない、
      そこの「場」そのものが持っている、存在の実感のようなものに、毎回感嘆しています。

      私もselenさんと同じように、よく空を見る癖があるようです。
      selenさんのブログにある土地、その風景の中に、
      私とゆきかぜで行ってみたいと思っています。
      また、もしできれば、selenさんの撮る「望羊の丘」の風景を、
      見てみたいと思うのです。

      私も、北海道を走り、北海道の空を感じて、風を感じて、風景を感じていけたらなあと
      思っています。

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  2. 樹生様
    こんにちは、ST4です。

    とても素敵な場所でした。
    「風が見える」の表現がしっくりきますね。
    連れて行って頂き有難うございます。
    道は確かに普通の道でしたが、
    風景と空の間の丁度良い所にあるように感じた事、
    苔の匂い等、着くまでに香りが色々と変わり、
    風と空と香りの印象がとても記憶に残っております。

    表現が適切かどうかわからないのですが、
    綺麗な写真を撮られる方は、もっとじっくり(笑)
    色んな所作の上で写真を撮ると思っていたのですが、
    こう…サラッとさりげなく撮影されているイメージでした。
    空に向けてシャッターを押されていたのを見て、
    とても新鮮で、写真とは自分の思っていたよりも自由で楽しそうなものなのだと
    知りました。

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    1. ST4さん、こんにちは。

      この場所、ほんとに好きなんです。気に入っていただけて、とてもうれしいです。
      私には苔の匂い、そこまで感じられませんでした。何度か通っているうちに、
      いつもの風景、いつもの匂いになってしまい、「今」このときの風や匂いなどに
      新鮮に向き合う感覚が鈍っているのかもしれません。
      それでも気持ちいいのですから、幸せだなあと思います。

      本当に写真うまい人は、いろいろ、あるんだと思うのですが、
      基本、対象にレンズを向けて、シャッターを押すだけ…なんです。
      ひとりで、写真の方に気持ちのウェイトが行ってるときは、崖をよじ登ったり、
      バイクからず~っと歩いて離れてから撮ったりもすることがあるのですが、
      基本的には、「あ、いい感じ。撮ろうっと。パシャ。」という感じなんですね。
      でも、全然自然体ではなくて、なんか「いい写真」撮りたいなあ…なんて
      欲目をかいているのでした。

      なかなか、まだまだです。

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