2017年7月28日

夏空6

イタヤカエデのそばの池で蓮の花が咲いていた。
国道393、メープル街道を、倶知安町から赤井川へ。
抜けていく途中に、去年の秋見つけた、大きなイタヤカエデの樹がある。
夏の今、緑の葉を茂らせた姿が見たくて、訪ねることにした。



周りも緑、葉も緑の中では、イタヤカエデは風景の中に隠れて、そんなに目立っていない。
注意していないと、国道から少し奥まったその樹の存在には気づかない。
でも、やはり、あった。


いっぱいに葉を広げて、気持ちよく茂っていた。
木蔭にゆきかぜを止まらせてもらった。


2017/7/23 13:04
もしかすると、もとは学校だったか。
それが公園になり、今は、公園としてもそんなに手入れされていないようにも見える。
でも、まったく手が入っていないのではない。
行けには水蓮、池を回る小道。
背の高い雑草はなく、きちんと整備されている。
でも、ここに遊びに来る人は、たぶんいないのだと思われた。


2017/7/23 13:06
奥の方から道路側を見る。
ゆきかぜが幹の根元に、ちょこんと停まって、僕を待っている。
根っこは土の道の上にも出てきていて、車や、人に踏まれる。
やがてもっとこの樹が年老いた時、……それは、いつのことだろう、数十年後か、それとも数百年後か…。
この根が原因で、寿命を縮めることがあるかもしれない。

少し傾いた様子が、やさしげで、僕には、少し寂しげにも見えた。

2017/7/23 13:08
この樹は、長く人のそばで生きてきた樹だ。
いや、逆だ。この樹のそばで、人は語り、和み、見上げては何かを語りかけたり、時に登ったりして、生きてきたのだろう。

その気配が、この谷にはある。
冬には3m以上積雪し、マイナス20℃以下に冷え込み、時には猛烈な吹雪に見舞われるこの地の、この風景には、人の記憶がある。

僕の思い過ごしだろうか……。

そんなでもないと思うのだが。
名前もついていないこのイタヤカエデ。

また、会いたい気持ちが、離れる前からしてきたのだった。

夏空の下、
ニセコのワインディングを走り、虻田に抜け、貝塚を見て、
洞爺湖畔を駆け、羊蹄山を見上げ、そして、このイタヤカエデにたどりついた。

暑い一日は、まだまだ続くのだが、僕はそろそろ疲れてきた。
安全運転で、早めの帰宅をすることにしよう。

また、いろんなバイクに抜かれながら、赤井川、朝里、札幌と、
ゆっくり、安全に帰って行こう。

ゆきかぜが待ってる。走ることが好きなゆきかぜが、僕を待っている。
(夏空 完)

2 件のコメント:

  1. 天気良好そうですね、バイクも綺麗です!
    関東は終末雨模様で中々乗れてません。。。

    ウィンカー修復上手くいったようで何よりです。
    気温が上がり、タイヤのコンディションはどこか変化がありましたか?

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    1. ReNiさん、こんにちは。
      関東はかなり暑く、かつ雨勝ちな日々のよう。大変ですね。
      さて、気温上がってのタイヤのコンディションですが、特に感じる変化はありません。
      空気圧は前後2.5kに調整しています。タイヤのシール性は相当に高いレベルだと思います。
      そんなに頻繁に空気が減ることはありません。いや、むしろ「全く減らない」に近い状態です。
      過信して放置した結果、低くなっているのに気づかないのも怖いので、時々計っています。

      暑くなってから高荷重で長時間の攻める走行はしていませんが、相変わらず、表面がべたつくことはなく、さらっとしていて、走行時の発熱量も、そんなに高くない――具体的には、走行直後に素手で触って「温かい」程度。60℃も70℃もには届いてないように思います。
      また、雨の中を走り続けても、冷たいままではなくて人肌程度までは温まります。
      しかし、グリップ感には不安はなく、温度依存性がかなり低いレベルにある――、低温から高温まで守備範囲が広い、といえると思います。
      もちろん、V7の車重で、瞬間最高でも140を越えず、本当の意味でもフルブレーキングを繰り返したりしない走行でのインプレッションですので、本当にアタックし続ける人にとってどうかは、わかりませんが。
      僕の感触では、その域ではフレームが負け始めるので、V7に関して言えば、車重、加速能力、ブレーキ性能、シャシー性能に対して、このスポルテッククラシックとレーザーテックの組み合わせでは、グリップ能力に関しては不足を感じません。
      まだ交換して1500km程度しか走れていないので、耐久性や、摩耗による特性変化についてはレポートできる段階にありません。
      しかし、安定感、信頼感があり、いいマッチングだと思います。
      一方、やはり記憶の中では、「切れ味」という点ではピレリスポーツデーモンの方があったなあ…、
      と思います。



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