2017年7月8日

言問(6)

2017/5/18/14:07
サロベツ原野から天塩川河口の町。天塩を通過。
道の駅で小休止しただけで、さらに南下を続ける。
どうして、帰り道は急いでしまうのだろう。
そんなことを考えながら。

そのまま、日本海沿いを、国道232号線に乗って、南下していく。
羽幌の町のコンビニで止まり、休憩。
軽食を取って、エネルギーを充填。
2017/5/18/15:17
コンビニの100円珈琲は美味しくなった。
缶珈琲みたいに濃すぎないというか、ねばつかないのがいい。
ホントは、ジャンクフードを食べるよりも、地元の食材を使ったものを、少しでも食べる方が、旅としてもいいのだと、わかってはいるのだが…。

2017/5/18/15:37
苫前の町を過ぎると、南の丘に大きな風車軍が見えて来る。
苫前ウィンドファームだ。
正式には、「苫前グリーンヒルウィンドパーク」と「苫前ウィンビラ発電所」だ。

以前も書いたが、僕はこの巨大風車の風景が嫌いだ。
どうしても風景に違和感を感じてしまうのだ。


北海道にはこの風力発電の基地が多い。
自然エネルギーの活用。
期待も大きく、施設も次々にできているのだが、一方では反対運動もある。
いつくか理由はあるのだが、一つは風車の回転によって生じる低周波の健康被害。
頭痛や吐き気、体調不良などが発生することがあるというのだが、
住民がそれを訴えても、風力発電との関連の証拠がないので、問題にされないという。
(この事実関係も僕は確認できていない。)
2017/5/18/15:37
それから、バードストライクの問題だ。
風の通り道に作られる巨大風車は、渡り鳥の道でもあり、また、オジロワシなどの希少動物の衝突による死亡もいくつも報告されている。

もうひとつ、風力発電は、発電量のコントロールができない。つまり、先の保証がないので、火力発電など、他の発電の抑制には今のところ、なっていないというのだ。
つまり、いつ落ちるかもしれない発電に頼りきりで火力発電の灯を消すわけにはいかないというわけだ。

ただし、これらもひとつの見解。
さまざまに、意見があり、見解があり、それでもいろいろ決断して進まねばならないのだろうけれど。
ちなみに、風力発電でも小型の、縦回り式もあるようで、それらは、大規模に発電して、遥かに送電するのではなく、その場で発電し、その場で使う、そうした用途に適しているらしい。

2017/5/18/15:37
僕が今、走っている、この道。
僕が乗っている、このバイク。これもガソリンを燃やして走っている。
1ℓ燃やして、24kmしか走らない。
エコを言えば、遊びでガソリンを燃やすのはやめようということになるのかもしれない。
そうかもしれない。

でも、それだけかという気もする。

クリーンエネルギーと言われた原子力。
コストも安いと言っているが、廃炉までを含めると、どれだけコストがかさむのか。
核廃棄物の最終処分の方法も確立していないのに。

2017/5/18/15:50
エコと言われたオール電化。
しかし、熱を出すだけなら、わざわざ発電所で発熱して電気に変え、それを送電して家で再び電気で熱するよりも、直接ガスコンロで鍋を熱した方がトータルでの消費エネルギーは小さい。


いや、言い訳をしても、いくらしても、
バイク遊びがエコでもないし、わがままでしかないことは、最初から決まっている。
それは、テーマパークで遊んでもそうだし、映画館で映画を見てもそうだ。
スキー場なんて、バイク並みに環境負荷があるかもしれない。

2017/5/18/16:17
欲望と、楽しみと、環境と、いきがいと、悲しみと、

いろんなもので、僕らは生きている。

きれいごとだけで、生きてはいけない。
きれいごとをすべて投げ捨ててはいけない。

あやういバランスの上で、人に偉そうなことは言えない状況の上で、
互いに、言い合って、時には言い争って、
バランスを見つけていく。
2017/5/18/16:21

だれかがきれいなバランスを見つけてそれを押し付けるなんて。
そういうのがまやかしでなかった例は、残念ながらないのだ。

僕らは、思った以上に愚かで。
でも、思う以上に、僕らは頑張る。
自分が愚かでないと信じ込んでいる愚か者に、
すべてを丸投げしてはならないのだ。

2017/5/18/16:33
日本海沿いの道は長い。
数百キロに及ぶ、海沿いの道。
まるで青森から新潟まで一気に走るような、そんな道だ。
単調な景色の中に、しかし、変化はある。

水田の北限の標識。
南下するに従って変わっていく植生。
木の高さ。
空の色。
2017/5/18/17:24

退屈でもあり、しかし、一瞬たりとも同じ風景のない、変化の連続。
その中で、陽はゆっくりと西へ、傾いていく。

ゆきかぜと僕は、南へ。一定速で走っていく。
2017/5/18 17:37
留萌を過ぎ、雄冬岬を過ぎ、南へと、走る。

2017/5/18/17:54
札幌が近づき、日暮れの時が近づいてきた。(つづく)

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