2015年11月5日

秋の桜を見に。(5)

帰ろう。
崎守の桜に別れを告げ、僕とゆきかぜは、家路につく。
道道107号を帰るが、途中から農道へ。この道は「黄金農免農道」と呼ばれているらしい。
幹線道路を行った方が時間的に早いのはわかっているが、車の列に挟まれて、だらだらと走らせるのは、あまり楽しくない。
やっぱりゆきかぜを気持ちよく走らせたい。


農道は海岸から内陸へ、なだらかにせり上がって行く丘を、いくつも越えて走って行く。


快走だ。
(…せまいところや、民家を縫うようなところもあるので、飛ばすのはお奨めできません。)


ちょっとだけ脇道に。
遥かに有珠山が見える。あの山の向こう(右手)がさっき来た洞爺湖だ。

陽が沈む前に札幌に帰りたい。
すでに午後の陽射しは、西に傾きつつある。まだ午後2時前だっていうのに。
少し急ごう。

2015/11/1 13:59
…と、思ったらこれだ。
黄金農免農道から国道37号に一度出て、道道981を行ってみたら、道央自動車道を跨いだとたんに、こんな道になってしまった。

2015/11/1 14:00
 道がなくならないだろうな、…とすこし不安になったが、大丈夫。舗装もされていた。
 ただし一部、ガタガタだったけれど。

2015/11/1 14:02
さあ、高原に出た。
有珠山がだいぶ大きくなっている。

2015/11/1 14:03
さらに有珠山に迫ってきた。
交通量がないぞう、といっても、民家もないし、まあ、あたりまえか。
油断のならない先行きの道だ。意外なところで意外にカーブ。
…ああ、いつも自分でもわけのわからない裏道に入ってしまう。
でも、今回もかなりおもしろかった。

さて、道道981が平地に出たら、道道519にスイッチして、道道922と走り継ぐ。
ここも民家がほとんどなく、交通量も少なく、快走可能。
でもたまに会わられる民家が近づいてきたら、速度を落として、静かに走りたい。

ここから国道453に合流して、国道276へ。
今回も道道695への分岐を通過してしまい、そのまま276を喜茂別まで走った。


2015/11/1 14:59
こんなに晴れているのに、もう陽が陰り始めている。
お気に入りの場所で、写真を撮ったら、さあ、また急ごう。



と、思ったら、向こうからバイクが走ってきた。




手を上げて挨拶。
僕も手を振った。
孤独なライダー同士の邂逅。
ちょっとだけ手を振るのも、悪くない。

続けて国道230を中山峠方向へ向かう。
急ぎたいのに、素敵な脇道が…。

2015/11/1 15:19
ああ、やっぱり入ってしまった。
川沿いのダート道。ちょっとだけね。
景色はすっかり夕景になってきている。
まだ3時過ぎだ。
さすがに冬の日の入りは早い。
そんなふうに思ってしまうほどに、日は短くなっている。

中山峠を一気に登る。
リッターバイクやスポーツカーと競争しようと思わない限り、V7の50PSでも、なんの遜色もなく、ゆきかぜ号は中山峠を駆け上った。
現在の基準から言えば、たった50ps。30年前乗っていた400ccのマシンよりもピークパワーは低い。それでも、このゆきかぜの全力をずっと出し切らせながら峠を上り切るには、相応の腕がいる。状況と法規が許せば、そう危険でもなく、駆けのぼれると思うのだが、現実には日曜の午後、札幌方面へ帰る車で交通量は多い。
やっぱり安全運転で進む。

2015/11/1 15:33
中山峠。先日の雪が残り、遠くに羊蹄山がほとんどシルエットとなって空に浮かび上がっている。
あと1時間で自宅に着く。


気づけば帰りはあっという間だった。
鬱屈した気分も、どこかへ消えている。
あの桜を見たおかげだろうか、羊蹄山のおかげか。
人のこころは、ほんのちょっとしたことでも、大分変わるものだと、我がことながら、少し驚く。


秋の桜には、間に合わなかった。
崎守の桜。

でも、会いに行ってよかった。

11月1日。
最後の秋の輝きと、最初の冬の輝きと、
両方を満喫できた短い旅だった。



(「秋の桜を見に。」完)


(燃費、走行距離、344.3km、  消費燃料14.43ℓ(満タン法)、  燃費、23.86km/ℓ)

2 件のコメント:

  1. リフレッシュ出来て、良かったですね!

    返信削除
    返信
    1. tkjさん、こんにちは。
      ありがとうございます。久しぶりの300km超だったせいか、左手の握力が、最後の方は怪しげになってきていました。
      身体は疲れましたが、気持ちの方は、だいぶリフレッシュできました。

      削除