ベビーフェイスV7Special用バックステップを装着し、バイク屋さんから帰宅するまでのことは
一度記事に書きました。(こちら)
今回の赤井川村へのショートツーリングを経ての、インプレッションを書いてみたいと思います。
部品のアップ写真は上述の記事で載せましたので、今日は走っての印象を中心に。
まず、見た感じですが、黒色はエンジンやフレームの色に沈んでいて、カタチとしてもノーマルよりもむしろシンプルなので、いわゆるカスタム然としたものはありません。
これがノーマルです。ブレーキペダルがステップの上側を湾曲しながら前に伸びる、という造形。
対してベビーフェイスは、ステップ前にピボットがある、シンプルな構成。
シフト側も改めて見てみましょう。
こちらがベビーファイス。
全体的に黒くて周囲に沈んでいるのは、右側と一緒。
これがノーマルです。やはり、シフトペダルはステップ下の排気管を避けるためか、上側を迂回して前へ。
並べてみると違いがありますが、まず目立たない。
ノーマルを知らない人なら、これがノーマルだときっと思う。
そんな質感、色です。もっと近づくと、前回の記事のように、その質感の高さに驚くのですが。
さて、走っての印象です。
ステップバーのグリップ感にかんしては、前回と同様です。即ち、
ステップは丸い棒状。もしもステップのローレットが磨耗してきたら、回転させると新しい面が出てくるという寸法です。
これが、細かく、浅いローレット(凸凹)加工なのですが、グリップが非常によくて、靴の裏側をがっちりつかむ感じです。まったく滑らない。
今までずっとステップにはゴムのついたマシンに乗って来たので、この靴底への「食いつき感」は新鮮です。今回のショートツーリングでもそれは変わりませんでした。
これなら、ステップワークがより繊細に、楽しくなってしまうことでしょう。
ステップ幅、車体からのでっぱりは、ノーマルと同等か、逆に若干狭いか?と感じる程度。
「ステップを付けたら足が左右にひろがってしまって…」ということはありません。
前回、まったく意識していなかった足つき性について。
この日は、寒さに備えて、クシタニカントリージーンズライドの上から、スキーズボンをはいていました。
小樽築港で休憩した時に、意識して、自然に足を下ろし、ステップとの位置関係を確認してみると…。
右足。
足を下ろすと、ちょうどぴったり脛の内側にステップが当たりますね。(^^;)
では、左足は…
やはり、足を下ろすと、ちょうどぴったり、脛の内側にステップバーが当たります。
あたるのですが、強く当たって痛いという感覚はないです。
また、ステップがあるために足を広げて遠くに着かされている…という感覚もありません。
でも、「足つき性」は、ノーマルに比べて悪化していたのですね。
僕がまったく気づかなかったのは、ノーマルステップの時から現在と同じ位置に足を下ろしていたからだと思われます。
ステップ交換前と後で、足のつき方は変わっていなかった。だから、内側にステップが来ても気づかずにいた。
だから正確に言うと、ステップは足に「当たっている」のではなくて、スキーズボンに微かに触れる位置にある…ということになるのでしょう。
ここではっと思いました。
そういえばノーマルの時は、ステップは下ろした足の前にあった。
だからもしももっと足を車体に近づけて、まっすぐにしようとしたら、今よりも余裕があった。
ビギナーや女性をもメインターゲットに据えていたV7classicは、比較的低身長の人が安心できる足つき性を確保するために、ステップを前に出して、足との干渉を回避していたのか?
そう考えると、バックステップにしたのに違和感がないということ、そしてこの位置の方がシフトペダルの取り回しもシンプルに済むことなどもうなづけます。
もしかしたら、この位置が元来の設計位置で、ノーマルはそこから前に出したのではないだろうか…。
だとすると、「フルブレーキ時に最も踏ん張りやすい位置だ」という今までの僕の説は、単なる副産物ということになるのでしょうか…?
いやあ、ホント、わからない。
いずれにしても、半日走ってみて、膝の曲がりがきつくて疲れると感じたこともなかったし、ステップに立ち上がるのもスムーズになったし、加速時も減速時もカーブでも、身体姿勢の維持にこのステップ位置は適切な位置にあるように、僕には思えたのでした。
ただし、全力疾走はできていませんし(乗り手のリハビリが済んでいないため…)、さらに長距離、長時間走る続けたときにこの位置が適切と感じるかどうかは、また、やってみないとわかりませんね。
一つ、ステップ交換で気になったのは、振動です。
ノーマルステップ時には可倒式のゆるさの上にステップ踏面に厚いゴムが付いていたせいで減衰されていた細かい振動が、3000rpmくらいでピリピリピリピリ…と来るのです。
これはおお、震えてる。しびれる~と、感じるくらいで、無視できないくらい。
そこで、この振動がもっとも牧歌的で鼓動とも感じられる回転数までエンジン回転を下げると、2000rpmくらいになる。
5速で2000rpm時の速度が、60km/h弱、なのです。
今回巡航速度がノーマルより遅くなったのは、この振動があまり出なくてエンジンの味わいを満喫できるから、という理由があったのでした。
バックステップに替えて、クルージング時の速度が落ちるなんて、僕くらいのものかもしれません。
しかし、帰り道、朝里峠で、低いギアで何度か7000rpmのリミッター直前までエンジンを回して走りましたが、その時のステップの振動は、実はあまり記憶になく、3000rpm時とそんなにかわってなかったように思います。
明確なのは回転数よりも、アクセルを大きく開けると振動が増幅され、アクセルを閉じると振動が減る、ということでした。
そしてこれはもしかして足が痺れてしまうのではないか?そしてあまりに細かい振動がずっと続くステップに踏ん張り続けていたら、白蠟病(振動病・振動障害)になったらやだなあ…という考えも頭をかすめたのですが、ツーリングして停まったどの時点でも足が痺れている…という自覚症状は全然出てないのでした。
帰り道の頃には、この硬質な振動もあまり気にならなくなっていました。
でも、この件は注意して、継続的に検討していきたいと思います。
レバー比の変化によって、ペダル操作が重くなっているのではないか、その短く重いペダル操作を繰り返すことで、足が痛くなったりするのではないか…。
この心配は杞憂でした。
シフトメダルが少々カチッとした足応えになった感じはしますが。今のところ、それは固い…という不服ではなくて、無駄に力が逃げない感じが心地よさになっています。
もう少し、いろいろ試してみないと、まだ結論は出ないような気がします。
そもそも、ポジションの改善のためのステップ、ハンドル同時交換なわけですから、本来どちらか一つだけを取り上げてそ効果について述べるのはナンセンス。
次回はハンドルバーの交換について検証しながら、ポジションの変更全体について書いていきたいと思います。
こんばんは。
返信削除今回の記事も興味深く拝見しました。
これから、もっと乗り込んでみられた後の樹生さんのインプレがまた楽しみです。
今回上げておられたステップの振動ですが、僕のsportもAELLAのステップに変えた際に、
全く同じ事を感じたのを思い出しました。
詳しいことは忘れてしまいましたが、確か3000rpmくらいで振動がはっきり感じました。
材質が変わったことによる振動の伝わり方?
ステップの可倒機能なくなったから?
ベースプレートやステップバーの結合の剛性が変わったせい?
などなど考えてみましたが、200kmほどの帰り道には全く気にならなくなり、
足裏がステップにくっついたかのような感覚がとても気に入って、今日に至っています。
そうそう。
sportも、足を着いた際に、ステップバーがふくらはぎの内側に当たるのですが、
ローレットが深いおかげで、ライディングパンツのその部分がガリガリになってきています(^^;;
お気をつけください(笑)
Hiroshi Mutoさん、こんにちは。
削除あ、Hiroshi Mutoさんのステップもそうだったんですね。
V7の場合、ノーマルステップでも振動は着ていたのですが、ステップのラバーが厚いせいもあってか、振動の角が丸くなって、だいぶ減衰されていた感があったんです。
このステップは剛性感が高く、その分振動もがっちり来ているのか…とも感じます。
もしかして、防振のウェイトを付けるといいのか…?(Dペドロサ選手みたいに?)と考えてみたり、でも、帰り道はかなり慣れてしまって、足が痺れることもないから、いいのか?と思ってみたり…です。
高速道路を連続走行したらどうなるか、そのあたりで判断しなくてはならないかもしれません。
ワインディングでは短時間飛ばしても全く気にならないことがわかりました。
また、違う状況でのレポートを記事に上げたいと思います。
気が付けばズボンの内側ががりがり。…これはありそうですね。気をつけます。
ありがとうございます。
おたがいに、今年も楽しんで走れたらいいですね。
ステップと脚の位置関係は、車体幅のコンパクトさの成せる技でしょうか?
返信削除どこまでも、人に優しい設計思想なのかな?
tkjさん、こんにちは。
削除車体幅が狭い、というのは、確かに効いている感じがします。
あと、GPZ1100に比べてですが、車重が軽い、というのも足つきの不安を小さくしています。
乗り手としてはバックステップにしてみて、やっぱりここが本来の位置だろう、と思いました。
まあ、もう少し走らないと、本当のところはわからないと思います。
また、レポートします。
ゴムのステップとメタルのステップの振動ですか・・でも靴底の厚さで何とかなる世界でしょうね~(笑)
返信削除脚の曲がりもきつくないのならOKでしょう。美観もエンジンがブラックなのでスッキリとしてますね。ノーマルは
この辺が出張しているので遠目から見るとイイですが、近くに寄ると煩く感じるかな?またモッサリしてるんで
スポーツライクなバックステップは美しいので、こちらに軍配が上がります。
自分のルマンのステップは可倒式なんで、足が触れると上に上がりますがこのステップは固定なんでしょうか?
固定式ならスライダー代わりになるのかな(笑)
最初のシートがアンコ抜きだったもので、妙な脚の曲がりで違和感ありましたが、ノーマルに戻した後は
マトモになってホッとしました。ステップが上がる社外品に手が伸びないのも此れが一因なんです。
鼓動が気持ち良い回転数が2000回転と云うのも面白い!高周波の振動が出る領域を避けるのも自然な
流れでしょうね~。マルチに乗っていた名残でしょうかね(笑)
ドカの1200でも2千回転ではノッキングの兆候が見られて、回転を上げたくなりますが、グッチだと
更に低い回転でも相当粘るので面白い。車体のスピードレンジが常用領域に振っているとも言えるかも?
いちさん、こんにちは。
削除靴底が厚くなると、シフトのフィーリングに若干影響が出ます。今回は厚い方の軽登山靴でのライディングでした。底の薄いレーシングブーツの時どうなるかは、また別にテストします。
ベビーフェイスのステップは可倒式ではありません。操作性を最優先したスパルタンなものです。
スライダーにはならないでしょう。ステップが曲がるか、最悪、フレームに影響するかもしれないで、転べないプレッシャーはずっと大きくなりました。
転倒時のためのガード(バンパー)の購入を本気で検討しています。
V7の最大トルク、60Nmは、2,800rpmで発揮します。MOTOGUZZIの中でも、低回転型エンジンです。だからこその2,000rpm巡航で、それ以下はエンジンに悪いと思います。
ホントは2,300~2,600rpmくらいで巡航した方がいいのかもしれません。
僕自身が振動に慣れればまた回転も上げていくようになるのか、このまま落ちつくのか、これも何度も走るうちに自然に決まって行くと思います。
グッツィはドゥカに比べると伝統的にフライホイールマスが大きい。加速や運動性能(アジリティ)よりも高速性(ハイスピード)を取った構成は戦前からGPに参戦していたメーカーらしいとも言えると思います。
ルマンが矢のように、縦置きのクランク回転が生じるライフル効果も考えると、正しく弾丸のように突っ走るのも、そうした伝統を踏まえたものかと、思います。
副作用として低速でも粘る。ただ、V7の場合は元祖のV7SPORTに比べるとエントリーモデルということで、低速寄りに振っているのでしょうね。
それでも7,000rpmのリミッターまで、特に5000から上は真っ直ぐ、直線的に吹け上がって唐突にリミッターに突き当たり、まるでブレーキを掛けたかのようにいきなり加速が止まる、その高回転を好む吹け上がりは、ドゥカとは違ったグッツィらしさを秘めている…と、勝手に信じ込んでおります。(^^;)
今日明日は天候が悪く、仕事もあり、たぶん走れませんが、まだまだV7の懐に入りきれた感じがしません。いろいろ、試しながら走るのが、とても楽しみです。
takaです
返信削除ステップ、位置的には良い感じですね。
やはり、ノーマルは間口を広げる意味が、大きかったのかな。
足付きに関しては、絶妙ってとこなんでしょうね。
ストリートで使うバイクなので、大切なポイントですよね。
バーのグリップは、羨ましいかぎりです。
私も、交換したいです。
振動に関しては、ダイレクト感を求めると、相反する面になるので、難しいところですね。
ま、ネガはどちらにも付き物ですから、何かを得ると何かを失うって割り切るのが楽なんでしょうね。
悩むと、疲れるし(^_^;)
takaさん、こんにちは。
削除ノーマルのステップ位置、本当のところはどうしてあの位置なのか、わかりません。飛ばした時のハードブレーキングでしっかり踏ん張るためなのか、足つき性のためなのか…?なんか、足つきの方なような気がするのですが…。
振動は今日(5月1日)走ってみると、また少し慣れて、徐々に気にならなくなってきました。
でも振動が大きく角のあるものとなったのは事実なので、どこまで慣れるものなのか、どこからネガが出るものなのか、今後だなあと思います。
位置的にはかなりいいと思うのですが…。まあ、楽しんで行きたいと思います。