2016年6月11日

二湖物語6

帰ろう。
月浦から外輪山を登り、国道230号線を留寿都(るすつ)、喜茂別(きもべつ)方面へ走る。
外輪山の外は平原が広がる。高台の大地に巨大な陥没が起きたのが洞爺湖カルデラなのだ。
北に羊蹄山が見える。
2016/6/5 12:59

昼時をすでに過ぎているが、そのまま走る。
留寿都で道を左に折れて、道道66号線へ。
直後に道道257号線にチェンジして、裏道を北上する。
r257が右折するところ、能動を直進。500m先のゆるい左カーブを曲がると、下り坂の向こうに羊蹄山が大きく見える。

2016/6/5 13:32
僕の好きな国道276号線のあの道に似ているが、こちらの方が羊蹄山に近い。
その分大きく見える。


羊蹄山の高さは1898m。
円錐型をしたコニーデ火山だが、同型の富士山3776mに比べれば、海から一気に山頂まで独立峰の富士山に比べ、台地からそびえる羊蹄山は麓で標高が300m以上あり、山としての大きさは高さで半分以下、横から眺める面積では1/4以下、体積では、1/8以下ということになる。
富士山がいかにでかいががわかるが、それでも、こうして眺める羊蹄山は、十分にでかい。

富士山同様に、豊かな伏流水が麓で名水となって噴き出している。

農道を北上し、道道97号線に合流して、京極町を通過。
さらに北上する。

道道478号から町道で国道276号へ。

倶知安町の町道に入り、「緑の白樺」を見に行く。

2016/6/5 13:52
今日は若葉を青々を広げていた。

2016/6/5 13:52
そこから眺める羊蹄山。
見ているといい気持だ。
もうすっかり夏の装いだ。

さらに北上、国道393に出て、赤井川村へ入る。
道の駅へ寄って、そこでお昼にするのだ。

道の駅あかいがわに入って、一番奥の駐輪場へ行くと、バイクが何台か止まっている。

それがまた、バラエティ豊かなラインナップだ。
カワサキエストレア、
カワサキZX-10、
BMW R1200R、
ヤマハ、初代Vmax、
カワサキ、ゼファー1100、
ホンダCB750four、
そして、サイドカー、クラウザードマーニ。

2016/6/5 14:20
このクラウザードマーニは、道北、初山別の付近で一度すれ違ったことがある。
さすがに目立つ。
どうも雰囲気からして、みんな別々に、たまたまこの道の駅で一緒になったらしい。
僕も、ライダーの方に声をかけられる。

「モトグッチですね、めずらしいですね。」

ああ、やっぱり珍しいのか。並んだバイクの中ではとっても普通だと思うのだが。
他の方のバイクにも興味津々だったのだが、どうも体調がよくなく、トイレにも行きたいし、飯も食って早く帰って仕事しないと、明日月曜日が危ない感じなので、後ろ髪をひかれながらも、そそくさと道の駅の中へ。

2016/6/5 14:20
建物へ向かいながら振り返ってみると、意外とゆきかぜ、注目されてる。
ああ、レディ、朝の泥はねがいっぱいついてるね。
他の部分も、もっと磨いてくればよかったね。

2016/6/5 14:39
「道の駅あかいがわ」は、なんだか立ち寄りの定番化してきている。

2016/6/5 14:39
玄関先で「あかりん」(コメ作バージョン)がお出迎え。


2016/6/5 14:40
道の駅の隣には野菜の直売所。
バス停もあって、車がなくてもバスで来られる道の駅だ。

さて、トイレを済ませ、お昼をいただく。
今日は腹も減っていて、寒い中走ってきたし、あったまってエネルギーになっておいしいラーメンにした。

ライダーの定番食のひとつだと思う。
「通」の人は蕎麦を食するようだが、真夏の暑い時を除けば、ラーメンはなかなかに最強のツーリング食だと、僕は思っている。

2016/6/5 14:30
醤油ラーメンをいただいた。
奇をてらわない、普通のラーメン。普通のおいしさ。
スープまで全部飲んでしまった。
温まって、おいしかった。

2016/6/5 14:40
さて、駐車場へ引き返す。
20分前に停まっていたバイクはほとんど出発して、BMW1200Rの人が出るところだった。
駐輪場とは別の、写真には写っていない右奥の方に、大人数のグループツーリングの人たちがきていた。

賑やかで、繁盛しているみたいだ。道の駅あかいがわ。

ここからは一気に帰る。
国道393号線を、毛無峠を越えて、小樽市朝里へ。
途中、BMW1200Rに追いついた。

とてもきれいな走りをする人だった。
見ていて、ほれぼれする。
僕が近づくと、先に行けと、左に寄って道を譲ってくれた。

「これって、いつもは僕がしてることなんだけどな……。」

そう思いながら、手を上げて抜かせてもらった。

追尾してこない。

きたらランデブーだ…、と少し期待した自分もいるのだが、ちょっと急いでいた僕は、ランデブーにあたいするような上品な走りをしていなかったのかもしれない。
マナーって、大事だよなあ……。

それにしても、きれいなライディングだった。
久しぶりに見た。

2016/6/5 15:06

一気に帰ると言いながらも、あまりに天気が良くて、遠くまで見晴らしがいいので、毛無峠の展望台に寄ってしまった。
展望台と言っても、建物があるわけじゃなく、峠の途中に駐車場があって、柵で囲われた見晴らし台のスペースがあるだけだ。

左手を見ると、小樽の街並みが見える。
小樽は北海道の海の玄関として、一時は札幌よりも人口も多かったし、日銀も小樽支店を持ち、港湾都市、金融都市として栄えた。

市街地の向こうには手宮地区の突き出した半島が。
この半島の突き出しが日本海の荒波から小樽港を守っている。


2016/6/5 15:06
目を正面に移せば、左手に茶色い背の高いホテル、大きなビルで上だけミント色の茶色が連なって見えるのは、ウィングベイ小樽。
その向こうに広がる青い海は石狩湾。
遥か遠くの山は暑寒別岳を主峰とする山塊だ。暑寒別岳までは直線で70km程度。
いつもはここまでクリーンには見えない。
昨日までの雨と、今日の風が見晴らしをよくしている。

2016/6/5 15:06
右手には、今から降りていく朝里の市街地。その先は石狩湾だ。
石狩湾対岸、海辺が白く見えるところはたぶん石狩湾新港だろう。
石狩平野は右手奥から、正面の山の裏側まで、ずっと続いている。

右手の山の陰、その向こうに札幌市の街が広がっている。
人口194万人は、東京23区、横浜市、大阪市、名古屋市に次いで人口が多く、日本5番目。
人口100万以上の都市としては世界で最も積雪量の多い都市だということだ。

札幌市の年間の除雪関連の予算は150億円もかかっている、これは毎年だから10年で、1500億円も除雪のために消えていくことになる。
それでも、きちんと暮らせてみれば、雪はとてもいい。
少々めんどくさくても、なんか、それがいいのだ。

そんな大都市に住んでいると思うと、いつも不思議な気持ちになる。
秋田の田舎町で生まれ、育った僕は、いまだに都会のビル群になじめないでいる感覚があるのに、広島、札幌と、100万以上の都市での生活年数はもう、25年を越えて、30年に迫ろうとしている。
気が付けば、僕は都会に住み続けているわけだ。
とても不思議な気持ちだ。

さあ、ゆきかぜ、その都会へ、今日も帰って行こう。
かなり体調が悪い。
もちろん、走行が危険になるほどではない(そんな時はさすがに走らない。)けれど、走ればどんなに体調悪くても元気になる…という、僕の30年来の法則も、どうやら期限切れになってきているようだ。
体力と相談しながら、いつでもリアルな、現在の自分と付き合いながら、バイクライフを続けていこう。

(二湖物語 完)

4 件のコメント:

  1. 樹生さん、お疲れ様です。
    忙しさの合間に、どうぞ休息を。。
    なのですが、
    お家でじっとしてるだけでは、疲れがとれた気がしない・・・ライダーの「性」ですね。
    不思議っちゃあ、不思議www

    返信削除
    返信
    1. tkjさん、こんにちは。
      いや、そうなんですよね。本当に。
      走らないとやっていけない…。
      不思議なことです。

      削除
  2. 樹生さんこんばんは。
    6月の北海道、素敵な青空です。是非、この季節に訪れたいと思いました。

    湖の砂浜は、ゆっくり休日を楽しむ感じが出ていていい雰囲気です。
    兵庫県にはダム湖は多くありますが、和休の知る限り砂浜を有する湖って思い浮かびません。
    それにダム湖って独特の雰囲気を感じるので、あまり好きではありません。

    関西圏の湖周遊ツーリングといえば琵琶湖が定番ですが、少々広すぎて日帰りだと少ししんどく思います。

    返信削除
    返信
    1. 和休さん、こんにちは。
      支笏湖は、札幌からも近く、休日にはたくさんの人が訪れます。
      本州が梅雨入りする6月中旬から下旬くらいが、富良野のラベンダーも咲き、空も青く、高く、とても美しいです。
      もしも梅雨時期にお休みが取れるならば、ツーリングにはベストシーズンだと思います。

      ダム湖がなんとなく、好きになれないのは、私も一緒です。なにか、独特のものがありますね。
      自然がせき止めたダム湖もあるのですが(火山の噴火などで)、それは時間が経っていて、いつの間にか、風景の中になじんでいるのかもしれません。
      人口のダム湖は、何か、まだなじんでいない、どこか、よそよそしさや、かなしさがあるのかもしれません。

      削除