2019年6月15日

一人のキャンプツーリングをする友人がいる。


僕には、学生時代からのライダー仲間が何人かいる。

そのうちの一人は、オフローダーで、原付免許を取ると僕からDT50を買って乗り、
中型免許を取ると初代SEROWを買って長く乗った。
その後、ヤマハのTT250R Raidを買って、長く乗っていた。
彼は学生時代は夏には北海道をひと月半、キャンプ・バイトしながらツーリングし、
一人でもたまにふらっとキャンプ…というよりは、山中泊に出かけていく奴だった。
信州の山小屋でひと夏、住み込みでバイトしたこともあった。

彼は40代半ばになってからランニングをはじめ、やがてフルマラソンを走るようになった。

数年前などは、マラソン大会の町まで360km、バイクで出かけて前日キャンプし、翌日は100km(それは100kmマラソン大会だった)走って、走行後にキャンプ地を撤収して自走でまた350km走って帰ってきて、翌日は仕事に普通に出る…という、僕には想像を絶することを、ちょっと日帰りツーリングに行くかのように、さらっとやっていた。

何をやるにも、いろいろ調べたり、考え込んだり、納得しようといろいろやってみたくなる…何かと力が入っている……それが僕だとすると、

彼には、変な力みがない。

そのマラソン大会も、100km走り切ることと、一応の目標タイムはあったようだが、
それに向けてギリギリと鍛えたりはしない。だいたい、順位や成績を考えるなら前日キャンプでテント泊なんて、信じられない日程だ。

なるべく疲れないように、楽しんで。
もちろん100kmを走り切るには、何年ものランニングの積み重ねと自己理解、走りのプランニングと実践力、また臨機応変な対応力がいるわけだが、
それを修行のようにするわけではなく、しんどくても、「いや~しんどかったなあ」
でやってしまうのだ。涼しさを<演出>することもない。どこまでも自然だ。


それはライディングにも表れている。
彼の走りはスムーズで、無駄や余計な力みがなく、それでいて、相応に速い。
しかし、すごく速いかと言われると、そうでもない。
ライテクに強いこだわりがあるわけでもない。
自然だ。
安全に、楽しく、景色を楽しんだり、走りを楽しんだり、止まって動物を見たり、
飄々と、楽しそうに、走っていく。


彼はキャンプが好きで、林道というか、山の中が好きで、ひとりでも数人でも、特にこだわらず、すいすいと走り、野営し、きれいに撤収して帰ってくる。

大学時代は「天文研」に入っていた。


彼のキャンプ時の動きはすばらしい。

急ぐでなく、豪華でも、超絶でもなく、普通にテントを立て、枯れ枝を調達し、適当に折って火を起こし、大きすぎない火をキープしながら、簡単な料理を作る。
それは、凝りすぎず、片付けが簡単で、でも栄養バランスはそこそこあるかも…的なもので、でもちょっと華があり、特別感が少し味わえるものだ。そしてそれがまた、旨い。

彼はオフローダーだが「草原に見える牧草地」には決して踏み込まない。

数年に一度しか一緒に走ることはないが、
彼の走り、彼のあり方には、いつも「気持ちよさ」をもらえる。

偶然、YouTube、でヤマハセロー30周年の
「ソロキャンプツーリングムービー」を見つけた。

有名なモデルさんが演じたキャンプツーリングは、
バイクでのソロキャンプの魅力を、とてもよく表現していると思った。

草原を走るシーンがあったが、これも、ロケーションをきちんとして、走っていいところで撮っているはずだ。
こうした「走っていいオフ」がどんどん減ってきているのは、寂しさも感じるが、
しかたがないことではあるのだろう。

ちょっとおしゃれすぎると思う人もいるかもしれないが、
この雰囲気は、彼のキャンプと、とても似ていた。
彼はもう少し泥臭く、もう少しモデルっぽくないんだが、

動画はYouTube、ヤマハの公式「YAMAHA SEROW SOLO CAMP TOURING MOVIE」
動画の長さは6分00秒です。

それででも、なんだか、彼を見ているようだった。
とっても良くできたビデオだと思った。

ビデオを見ていて、彼を思い出した。

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