2021年4月13日

春の歌(1)

2021/4/12 10:55
3月末で退職し、新しい職場ではパート勤務形態となり、少し時間に余裕ができた。
そうは言っても3月末から4月上旬は、いろんな手続きや準備で忙殺された。
4月12日。月曜日であるが、一日休める日だった。13日に用事があるので、できれば12日(日)に走りに行きたかったが、諸準備に追われ、やはり走り出せなかった。
12日は、朝からロングに行こうと、計画を立てていた。

しかし、11日夜から、今までの疲れが出たのか、久しぶりに頭痛が激しい。
熱はなく、喉にも味覚にも異常はなく、ただ疲れの倦怠感がある。
念のため、12日早朝からの走りは夜のうちに断念し、朝、様子をみることにした。
少しでも懸念があれば、走り出すのは控えなければならない。
COVIT-19は、僕たちの行動を本当に変容してしまった。
朝、起きて検温。異常はない。倦怠感も回復していた。
ただ、頭痛が残っている。懐かしいというか、いつもの痛みと言うわけだ。

冬の終わりから春先にかけては、頚椎ヘルニアの痛みも出やすい。
ここのところ、姿勢によってはかすかな違和感と鈍痛を感じていた。

朝食を摂りながら思案し、目的地を近場に変え、痛み止めを飲んで経過を見つつ準備をした。

9時。朝食から2時間経ち、頭痛はかなり軽減。
体感する体調も支障ないレベル。
しかし、用心して、午後4時には帰れるようにコースとペースを大まかに考えた。

荷物に、昼食用のジャムパンと紙パックの野菜ジュース、水筒に熱めのお湯を入れる。

今日は最高気温の予想が札幌市で17℃。しかし、今日越える予定の峠では5℃以下も考えられるので、真冬並みの装備をした。

9時15分、出発。

走り出してすぐに、自分の中のいい緊張感を感じた。
安全に気をつかいながらも、非常に気分よく走れている。

そう、いつも走る前は大丈夫かとやたら心配したり用心したりするのだが、走り出してしまった、走らなければよかったとなることは、まずないのだ。

でも、用心しながら進む。いつでも引き返すつもりで。

2021/4/12 10:09

小林峠を越え、国道230号線の裏道を走って、札幌市南区簾舞のいつもの場所にやってきた。

狭く浅い谷。
家屋と納屋、ビニールハウス、畑、田んぼ、その佇まいが美しく、ついつい停まってしまう。

2021/4/12 10:10

作業小屋が美しい。作業小屋のすぐ陰に立っているのは、たぶんりんごの樹だと思う。

この美しさは、丁寧な暮らし、丁寧に何十年も重ねてきた日々の営みが作り上げたものだ。

とても僕にはできない。
僕は、すぐにどこかへ行ってしまいたくなる。
同じ場所で、誠実に、ずっと生きることが、できないのだ。

なのに、この美しさに憧れてしまう。
自分には絶対に作りえないもの。
それがわかるからか。


2021/4/12 10:10

出発してまだ1時間も立たない、距離にしても30kmも走っていないのに、ここで休憩してしまう。これも、自分が齢を重ねてきたということか。

バイクの積載に緩みはないかなどをチェックし、ウェアのボタン、ポケットのフラップなどもチェック。
もちろん、体調もチェックする。
これで問題なければ、改めてスタートだ。

行こう。

2021/4/12 10:36

小金湯から国道230号線に合流し、定山渓を過ぎて、中山峠へ。
この無意根大橋を渡ると、一気にかつての難所、険しい峠道へと入っていく。
雪の多く残る景色は、しかしもう、冬のものではなくなっていた。
芽吹き前の枝からも、春の息吹が伝わってくる。
ゆきかぜの鼓動も、春に共振しているようだ。

2021/4/12 10:55

中山峠までやってきた。
羊蹄山がはっきり見えている。
地元の僕らにはあまり感じられないことだが、羊蹄山の山容全体を見ることができるのは、なかなか難しい。いつも全体や、そうでなくても頭を雲の中に隠している。
僕らがよく見ることができるのは、晴れた日を羊蹄山方向のツーリングに充てるからだ。

それにしても、美しい。

大きな山というのは、どうして見ているだけで気持ちいいのだろう。


2021/4/12 10:56

密を避けるため、中山峠でも道の駅には入らず、反対車線の空いている「中山峠 峠の茶屋」の方に入った。

誰もいない駐車場で写真を撮り休憩していたのだが、観光バスが入ってきた。
中からお客さんが降りてきている。トイレ休憩の小休止のようだ。

ゆきかぜを停めている場所は羊蹄山を撮るには絶好のスポット。

僕らは退散しよう。

喜茂別へ。
羊蹄山のふもとへ、降りていく。

気温は低いが快晴の陽射しは暖かく、ひんやりした空気が気持ちいい。
ペアスロープのウィンタージャケットの防寒性は完璧だ。

さあ、行こうか。ゆきかぜ。
安全に、気持ちよく、峠を下って行こう。
(つづく)

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