北海道のメジャーな観光地の一つになっている、美瑛の丘。
僕も何度も訪れているが、行くたびに、確かに、この風景は特別だと思う。
【MOTOGUZZI V7 作業用】For work, 秋の美瑛へ6 美瑛の丘巡り僕も何度も訪れているが、行くたびに、確かに、この風景は特別だと思う。
"Biei Hills Cruising”. live Sounds only.
僕は天邪鬼なところがあるのと、人がたくさんいて混み合っているのが得意ではないので、
僕は天邪鬼なところがあるのと、人がたくさんいて混み合っているのが得意ではないので、
ツーリングでもあまりメジャーな観光地や、人気スポットへは立ち寄らないことが多い。
今回動画に挙げたのは、もろに人気の観光スポットなわけだが、それでも、「いいものはいい」というか、何か走っていても特別な感じがあったのだった。
ではそれは何か、――と言っても、うまく言葉にできない。あまり「絶景」とも言いたくないし、最高!という感じでもない。(もう若くないからか…。)
それで、今回の動画は、マイクの中では無言である。
美瑛の美しさは、息をのむくらいだ。
それは、自然の美しさとは、ちょっと違う。
自然のままなら、美瑛の丘はほとんど森林だった。
木を伐り、根を切り、掘り起こし、馬に鋤を引かせ、近年は大型トラクターで、開墾し、耕して農地にした。その結果の田園風景が、美瑛の風景だ。
僕らが田園風景に安らぎを覚えるのは、人の手が入り、人と生き物(農作物)が共存しようとしている風景だからだし、自分達の命をつなぐ食糧を育てている風景だということを、理屈でなく感じるからだと、昔、どこかで読んだ気がする。
美瑛の丘がパッチワークになっているのは、連作障害を防ぐために、小麦、ジャガイモ、豆類、甜菜、トウモロコシなどを輪作しているから。
水田で育てる稲は連作障害を起こさない。だから一面、毎年同じ風景になる。
畑は、そうはいかないので、パッチワーク状になる。それが彩を与え、多様性を感じさせ、華やかさと安心感を与える。
そこから、1970年代に、ヨーロッパ的なこの風景のイメージがとても爽やかで美しいと、日産スカイライン(ケンとメリーのスカイライン)、たばこのセブンスター、マイルドセブンなどがTVCMやカタログ、パッケージ写真に使用し、一躍注目され、人気観光地になった。
やがて、親子の木、哲学の木など、新しい「名所」、「名物の木」も増え、さらに1980年代には葉祥明氏のイラストのイメージが美瑛の丘的だったことなどもあり、不動の人気を誇る観光地になっていった。
それぞれがそれぞれに美しく、心華やかになり、また、心落ち着かせるものがある。
美瑛が特別なのは、遠景の山なのだ。
これらの山が、火砕流によって一気に地形を変え、そこにあったものすべてを呑み込んでしまう。
また、火砕流の跡の泥は、畑や田んぼにするのには、猛烈な苦労を強いる。
そうした災害をもたらす山。
しかし同時に、山に積もる多くの雪が、川となり、地下水脈となって、春、夏、秋と、絶えることなき豊かな水を、下の台地にもたらす。
遠景の山脈、そして丘と谷。畑と所々残された林。
それらが織りなす風景が、美瑛の丘の風景の特徴だ。
去年は2回訪れたが、今年はもっと季節ごとに訪れたいと思う。
どんなに観光地化していても、いいものはいい。美しいものはうつくしく、魅力的だ。
どんなに観光地化していても、いいものはいい。美しいものはうつくしく、魅力的だ。
しかし、なお、
僕には少し複雑な思いがある。
無邪気に最高!絶景!と叫べない感じがある。
でも、そのことについては、また、いつか機会を改めて話そう。
今は、芽吹きの頃の美瑛の丘を訪ねることを、楽しみに、どこをどう回ろうかと、
あれこれ夢見ることにして。
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