kaoriさんの650RS 通称W3。じっくり見ていただこう。
W3=カワサキW650RSは、1973年発売。
もともとは「メグロ」(目黒製作所)のK1が元で、メグロがカワサキに合併・吸収され、カワサキの手で進化しつつ発売されてきたモデル。
主な諸元は下の通り。
全長×全幅×全高 = 2,150×860×1,120mm
軸距 = 1,420mm
エンジン形式・種類 = 空冷4サイクルOHV並列2気筒
総排気量/ボア×ストローク = 624cc/74mm×72.6mm
圧縮比 = 9.0
最高出力 = 53ps/7,000rpm
最大トルク = 5.7kgm/5,500rpm
始動方式 = キック式
変速機 = 4速
タイヤサイズ フロント3.25-19/
タイヤサイズ リア4.00-18
ブレーキ形式 前 = ディスクブレーキ(ダブル)
ブレーキ形式 後 = ドラムブレーキ
発売当時価格 = 363,000円
kaoriさんは去年、この単車を手に入れ、バイク屋のおやじさんと二人三脚でレストアしてきた。
W3はどの角度から見ても美しい。
隣のV7と比べると、V7の方が実はサイズが少し大きく、Wが小さく、コンパクトなのが分かるが、デザインは堂々としてのびやか。Zが出るまではカワサキで最も大きなバイクだったのだから、威風堂々とした存在感のある顔つき、佇まいだ。
V7は、上のV12スポルトや、1400のクルーザーのいる、中間的な存在なのが、そのデザインからもうかがえる。
RSのヘッドライトのレンズカットが美しい。
エンジン右サイド。
シリンダーの造形は60年代のイギリス車を思わせる。
シリンダーはビーズブラストがかかり、再塗装。
キャブは当時のまま、しかし、パイロットスクリュー(?)のねじは新品だ。
ステップ、ブレーキペダルも当時のまま。
しかし、クランクケース(というべきか。W3に詳しい方々、W3を愛している方々、いいかげんですみません)カバーのボルトは、ヘキサゴンボルトに換わっている。
排気管の描くカーブが美しい。
W1は右チェンジだった。ステップの上を通って行くリンクはチェンジのためのもので、ブレーキのピボットの部分から車体をロッドで横断して左側に行き、左チェンジにしているのだ。
エアクリーナーもかわいい造形だ。
エンジン下にオイルパンが見当たらない。ドライサンプだ。オイルタンクは右サイドカバーそのもの。
フロントは19インチ。W1はシングルディスクだったが、W3はダブルディスクだ。
鉄の質感が頼もしいフロントフェンダー。直線的なステー。「機械」感がよく出ている。
リムとスポークも美しい。
ステアリングダンパーが見える。
リヤまわり。ドラムブレーキ。チェーン引きの造形も興味深い。現在のバイクに比べると、とても華奢に見える。
ここでも古いパーツと新しいパーツが同居している。
マフラーは純正だ。ボリュームは押さえられて、しかし音質は、力強く、最大排気量だぞ、というW1時代の往年の響きが聞こえてきそうだ。
僕はバイクの音に関して、一般的に静かな程好きな方だが、この音は本当にいい音だと思った。
聞いていたいと思うほどだ。
なんか、こういう造形や、音にハートがずしんと来るようになったら、年なのだろうか。
いや、案外そうでもないだろう。工業製品の美しさ、内燃機関としての音の好ましさが、このバイクには宿っているように思える。
タンクやハンドル周りは、次回に。
樹生さん こんばんわ
返信削除W3は国内販売のみの車両で約4300台を3年間で生産されています。
よってZやマッハのように帰国車両はなく、台数の分母が小さいです。
みかけないのも当然です。
当時の日本人の体格にあわせているので、F19、R18インチを車輪で
ありながらシルエットも低く小ぶりです。
Z2を長く所有していたので、外人も乗れるサイズのZ2とは足つきや
ステアリングバーまでの距離が全然違います。
特性は実はマイルドな低速域と元気な高回転域があり、
実は回し込んで いい走りをする おもしろいバイクだとわかりました。
これって実際は意外でしたが、ボア×ストロークから予感していました。
開発設計者が「な、いいだろう、回せば行くだろう」とほくそ笑みながら
言っているようで、ワタシもヘルメットの中でにやりとしてしまいました。
650RSは、そんなバイクです。
kaoriさん、こんばんは。
削除W3は国内専用車種だったんですね。CB750が世界のバイクの潮流を変え、Z1が世界を席巻したことから、Wは世界戦略から降りることができた、その上で、改善は続けられ、W1SAはW3、650RSとして販売されることになるのですね。全部で4300台とは知りませんでした。水冷GPZ1100よりずっと少ないですね(^^;)。
それでも回せば行けるのはさすがカワサキか。
明石のおやじたちの「単車はこうでなくてはあかん」という声が聞こえてきそうですね。
そしてkaoriさんも、やっぱり行くときは行っちゃうのね。
その方が、Wも喜ぶのでしょう。
僕のV7は、どんな走りを喜ぶのか、まだまだこれから知っていきたいと思います。
女の子の扱いは苦手なんですよ。昔から。女ごころがさっぱりわからなくて。