羊蹄山が見える丘から下の道までは私が先を走り、国道に合流したところで、san-chan旦那さんに先頭交代。私は最後尾から、二台を追いかけます。
京極道の駅から、道道を西へ。羊蹄山と裾野の風景を眺めながらクルージング。
倶知安から少し南下して、ニセコ方面へ、サンモリッツ大橋を渡っていきます。
すると道沿いにあるのが、L’ocanda(ロカンダ)という、ケーキとパスタのカフェ&レストラン。
こんなおしゃれな店を私が知るはずもなく、san-chan夫妻がいつか来ようねと話していたお店だそうです。
2014年5月31日 12:34AM 倶知安町山田 レストランL'ocanda |
バイクを並んで停め、店の中に。
パスタを中心としたランチのセットメニューを3人とも頼みました。
たっぷりのサラダ、おいしいパン、パスタ、食後の飲み物(ホットコーヒーを注文)のセットで
1600円。
ツーリングの昼と言えば、コンビニのおにぎりと缶コーヒーで350円、という私の日常から言えば、
4食分の衝撃(^^;)ではありますが、ボリュームも満点。そうとうお腹が膨れました。満足、満足。
そしておいしかった。春キャベツとトマトのパスタは、う~ん、今の季節、という感じで。とてもおいしかったです。
もともとグルメではないので、味のレポートはできませんが、気の置けない仲間と、おいしい食事をしながら会話を楽しむのは、やはり、至福の時ですね。
とても感じのいいお店でした。
少し濃い目の味で、食後のコーヒーとの相性もとてもよかったような気がします。
おいしかった。
さて、どうする?
もうすぐ2時です。ニセコ方面にはパノラマラインなどもあり、走りのスポットには事欠かない。
でも、今回は3人にとってはシーズン初のツーリングらしいツーリング。
san-chan奥様は初乗り。
san-chan旦那さんも、ハーレーは初乗り。
無理しないで、帰ろう、ということになりました。
大人だなあ…。大人になったなあ…と思ったのでした。
若い頃なら、ニセコパノラマラインとか、走りと景色のスポットがあるのに、引き返すという選択にはならなかっただろうな、と思います。
無理しない判断。長く走り続けるために、ある時は気持ちを抑え、ある時は満足し、マージンを確保しつつ、楽しみを続けていく。
それは、いいとか悪いとか、優劣とかではなく、若い時と、大人になった時との、楽しみ方のちがいなのでしょう。
それでもライダーたるもの、来た道をそのまま引き返していくのは、なんとなく避けたい…。
それで倶知安から赤井川に抜けて、小樽経由で帰ることにしました。
2014年5月31日 14:43PM 赤井川村落合小学校跡の桜 |
倶知安から北上し、羊蹄山に別れを告げ、峠を越えて、山々の新緑の香りと色合いを楽しみながら赤井川村に着くと、カルデラ盆地には向かわず、毛無峠声で小樽は朝里川へと向かいます。
途中、san-chan旦那さんがバイクを道端に停めました。
これはさっきのレストラン、L’ocandaで話に出ていた、桜の樹です。
数週間前、この樹の桜が満開で、車で来ていたL’ocandaご夫妻は、桜の写真を撮っていたのでした。
今日は葉桜。一本に見えますが、3本ほどの樹が固まって生えています。
とても大きな桜の樹であることがsan-chan旦那さんとの比較で分かると思います。
ここは、赤井川村落合。後で調べたら、落合小学校の跡地でした。
落合小学校は、明治34年10月に開校し、平成14年3月に閉校。赤井川村立都小学校に併合されています。ちょうど100年間、地域の子どもたちが通った学び舎だったのですね。
実は思い起こせば、私、昭和62年、63年に札幌に住んでいて、(その後、広島県に10年間住みました。)当時もツーリングでここはよく通っていました。道は今よりずっと狭く、一車線の道で、この小学校も見た記憶があります。
でも、いまや道路もよくなり、カーブもゆるく作り直され、橋も幅広く架け替えられ、当時の面影は、この地域から年々薄れていくようです。
落合とは、道や川が「落ち合う」ところにつけられる名前。確かに記憶では、ここに昔、小さな集落がありました。
落合小学校は明治34年開校ですが、『北海道地名大辞典』(角川書店)によれば、「明治40年頃から小樽との交流が深くなり、炭焼きの目的で地内に入所した人が農業を開始した。かつては水田が多かったが、冷害が多く次第に畑作へ転換。」とあります。
そして、その集落も次第に消えつつあります。
これから先、少子化で人口が減少し、高齢化もさらに進んで人々はますます都市に集まるようになり、消えていく集落が、各地でわらに増えていくのでしょう。
子どもたちの声がしなくなって12年。
桜は今年も咲き、そして葉を付けて、やさしく、力強く、枝を広げて、今でもこの土地とその記憶を見つめ、見守っているようです。
桜は紅葉も美しい。秋が深まる頃、もう一度訪ねたいと思いました。
花が散った後の桜の樹を案内してくれる人はなかなかいない。san-chan旦那さん、奥様、ありがとうございました。
san-chan旦那さんのハーレー。改めて左サイドから見てみました。一見、リヤサスペンションがないかのようなレイアウトで、実はサスがある、リジットではなく、「ソフテイル」というわけです。
おおらかで、大きくて、力持ち。大草原の小さな家のお父さんのような、よきアメリカのあり方を、今に伝えているような、そんなモデルですね。
半日、ハーレーと走ってみて、ハーレーもいいなあ!と思いました。
このコンセプトは、魅力的です。
ところで、気づかれましたか?san-chan旦那さんのこのハーレー、駆動がチェーンドライブです。
オリジナルはベルトドライブ。こんなところにもカスタムが及んでいるのですね。
2014年5月31日 15:13PM 小樽市、毛無山展望駐車場。 |
短い旅も終わりが近づいてきました。
小樽毛無山峠の展望台で最後の休憩をします。
風が強く、駐車場は空いていました。
この、3台の停め方が、なんとなくバラバラ感が出ていて、味わい深いですね。
でも、ちゃんと車一台分の枠の中に3台を収めているという、いい加減なようでそこらへんのマナーは押さえ、それでも適度にいい加減にしていくという、ここでビシッとならべないところがまた、大人になったなあ…と感慨深くもあるのでした。
展望駐車場から眺める小樽の街並み。港と運河を中心に栄えた街だとよくわかります。
かつては、札幌よりも人口も多く、産業、金融、交通の中心でした。
こちらは小樽市、朝里川方向の眺望です。
石狩湾の向こうに、遥か暑寒別岳などの連山の、雪をかぶった尾根の連なりが見えています。
時刻は午後3時を回り、札幌に帰る頃には4時を少し回るでしょう。
朝9時から、昼の4時まで。距離にしてちょうど200kmくらい。
友人とめぐる、穏やかなツーリングの、フィナーレです。
実はこの直後に、参加した3人だけが知っているある出来事が起こるのですが、それは、参加した人にしかわからないこと。そういうことって、どんなことにもありますよね。そして、そうしたことの積み重ねこそが、私たちの人生の思い出を形づくり、人生を愛おしくさせてくれるのかもしれません。
とても楽しく、おいしく、実りあるツーリングでした。
一緒に走ったsan-chanご夫妻に、心から感謝して、今回のツーリングレポートの終わりにします。(完)
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