北海道は5月に日本の最高気温を記録したりして、暑い日が続いたのだが、6月6日以降は毎日雨が降った。札幌市では連続16日雨が降り、この時期の連続雨の日記録を更新してしまった。
23日からはよく晴れ、気温は低めで、また初夏といった感じだ。
さて、通勤マシンとして活躍しているわがモトグッチV7スペシャル(ゆきかぜ号)、当然、雨でも走るわけで、今日はV7の雨の日の通勤路の走りについて、少しレポートしたい。
総じて言えば、V7の濡れた舗装路の走行性は、かなりよい。
もちろんドライの路面と同じようにはいかないが、グリップ感は常に幾何か感じることができ、あまり神経質にならずにウェットの路面を走って行ける。
それは、V7の車体とエンジン特性にもよっているし、タイヤのピレリスポーツデーモンの性能も大きく貢献しているだろう。
まずは車体。
装備で200kgを切る軽さは、雨の日でもブレーキの負担を軽くしている。
400ccクラスの扱いやすさ、サイズ、重量ともそんな感じだ。
フロントのホイール径が18インチと、一般的なスポーツバイクの17インチよりも大径なのも、接地面が前後に少し長くなることも含め、安定感を与えてくれていると思う。切れ込みもやや起こりにくい。
また、動的なロール軸が低めに感じることも、バイクをロールさせるときにタイヤに横方向のストレズがあまりかからないような気がして(あくまで気がして…ですが)、安心感を生んでいるような気がする。
次にタイヤ。
また、タイヤ幅が前100mm、後ろ130mmと、これも最近のラジアルの前120、後ろ180前後に比べれば狭い。
溝が多いので、接地面の中で溝がかからないところはおそらくなく、つまり、排水性は確保されていることになる、また偏平率が90とか80とかなので、べたっと水幕に乗ってしまうことも起こりにくい。
もともと雨の日にグリップ(またはグリップ感)を稼げるサイズ設定なわけだ。
もともと、ドライ路面のグリップもタイヤがべたっと張り付いているという感じではなく、接地面が少しずつ動いているような感覚でのグリップ感であり、それはウェット路面でもあまり変わらない。
むろん、慎重には走っているのだが、ブレーキにしてもアクセルにしても、リーンしての旋回にしても、いきなりつるっと来て転倒するのでは…、という心配には、そう駆られずに済む。
いきなり滑りそうにない感覚、滑り始めは穏やかにくるだろうという感覚…。
それらは、ウェット路面での神経のすり減り方をかなりおだやかなものにしてくれる。
そしてエンジン。
空冷ツインのエンジンもグリップ感を強めているように思う。
前の愛車GPZ1100は、水冷インラインフォー。装備270kgの重量を大きなトルクで力強く押し出して走った。4気筒の滑らかな出力はトルク変動が少なく、上質なクルージングができた。
対してV7は空冷ツイン、744cc。
低回転ではドコドコとエンジンの脈動を感じる。90°V型エンジンはそのトルク変動からもグリップのいいエンジンと言われる。
それがどれくらいいいのか、あるいはグリップ「感」だけでなく、本当にいいのか、僕にはわからないが、しかし、V7はGPZに比べても雨の日のストレスが少なく、グリップ感も豊富なように感じる。
走りは。
GPZ1100+メツラーZ6の組み合わせも、雨でかなりの強さを見せたが、V7+ピレリスポーツデーモンはそのさらに上を行く感じだ。
雨の中、バンクを深めて行っても、それに比例して怖さが増すわけではない。
もちろん、限界まで試していないので、どこが限界だろう、どこで滑り出すのだろう…という、精神的な不安はある。
しかし、車体は安定し、慎重に行っているアクセル、ブレーキの操作の上では、ほぼ、雨だからという特別な動きは感じられない。
かなり強いブレーキングも、ブレーキのかけ始めをじんわりとすれば可能だし、
アクセルを開けていくときも、いきなりずるっとは来ないので、怖がらずに開けて行ける。
イタリアンバイクだけに、雨の多い日本で作られたバイクよりも雨天に弱いか、と思っていた。
特に電装系はどうか、と用心していたのだが、今のところ、雨だからといって何か困ったことは何もない。
土砂降りの中を丸一日走ったことがないので(ツーリングではたまにそういうこともあるものだが)、まだ断言はできないが、V7、雨の日のライディングも、楽しいものにしてくれそうである。
早く長いツーリングに出かけたいものだ。
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