函岳山頂に向けて、美深歌登大規模林道に入った。
路面は比較的フラット。しかし、敷いていあるジャリがけっこう粒がそろっていて、こいつがベアリングのようにタイヤを滑らせる。
坂も急ではないし、路面もフラットだから楽勝かと思ったのだが、これはかなり手強い。
入口から数百メートル行ったところに川の流れと道が並行して流れているところがあり、きれいで穏やかな渓流の流れに少しなごんだ。
オフロードバイクが一台。止まっていて、男性がバイクを降り、渓流脇で涼んているように見えた。
軽く会釈を交わし、しかし滑りやすい路面に神経をすり減らしながら進む。
このジャリ、時々深くなっていて、18インチの前輪が埋まりそうな気配も感じるくらいのところもある。かと思うと、登り勾配の急なところでは、ジャリと路面が波打ってまだらになったうえに、車のタイヤで掻かれて洗濯板のようにボコボコになっている。まさにウォッシュボード状の路面で、V7の前後輪も激しく跳ねずにはいられない。
これは見た目と実際の走りにくさの差が大きいぞ。大変なところにきてしまったなあ…。と思っていたら、
前方から歩いてくる人影が見えた。
近づいてみるとオフロードウェアを着た女性だ。
散歩にしてはおかしいなと思ったが、彼女は僕を認めても、軽く会釈をするだけで、道の先、つまり僕の後方を見つめている。
さっきの男の人と一緒だったのか、と思いつつ彼女とすれ違い、カーブを曲がったら、その先のヘヤピンのところで、オフロードバイクが一台倒れていた。
ライダーの姿はない。きっと彼女だ。
とりあえず、ゆきかぜを安全なところに停める。
すると、ほぼ同時に、さっきの男性がバイクで到着した。
「来ないな、と思っていたら…」男性もバイクを停める。
男性と僕と二人でバイクを起こした。
「すみません、…」と女性は恐縮気味。
下り勾配のきついヘヤピン。途中からジャリの中に滑った跡がある。
これは慎重に来てもフロントから行ってしまったのだろう。
怪我がないことと、バイクが無事そうなことを確認して、僕はその場を立ち去ることにした。
「ありがとうございました」
「お気をつけて」
互いに挨拶して別れるも、僕は自分こそ転ばないだろうかと、危機意識を募らせる。
まさかこんな道がこれから27kmも続くのか。
2014/7/8 11:37 |
時々現れるジャリの切れたところにほっとしながら、また進んでいく。
しばらく行くと3km地点の小さな看板が現れた。
まだ、3km。
道は比較的急坂が続き、カーブもヘヤピンが時々現れる。
ジャリさえなければフラットなダートは走りやすいのだが、これだけジャリを撒いているということは、ジャリがなくなると路面が掘れてがたがたになってしまうのだろう。
とにかくジャリと格闘しながら進む。
6km地点まで着た。
3kmに一回は休憩しないと、集中力が持たない。
先は長い。
林道は森の中で視界はほとんど開けない。
陽が射したり、曇ったりするが、その中を道は進んでいく。
路面は相変わらずだ。写真だととても走りやすそうに見えるのだが、カーブの手前あたりにジャリが深い部分が多く、そこではブレーキングできないので、ペースが上げられないのだ。
上の写真も平らに見えるが、かなりの上り坂(つまりこちらから見れば下り坂)である。
休憩を頻繁に取ることにした。
本当に走りやすい路面に見える。オフロードバイクではまさに楽勝、飛ばせる路面なのかもしれない。
V7でこんなにてこずるとは、今写真を見ても信じられないくらいだ。
ぼくのゆきかぜ号はエンジンガードの類を全く装着していないから、速度が出ている状態で転ぶと、自走できなくなるかもしれない。
万一にも転べない。
神経が磨り減る。
2011/7/8 12:02 |
次第に空が開けることが多くなってきた。
だんだん上がってきているということか。
路面のいいところでないと停車できないので、いいところでしか写真を撮れていない。
うう~、結構厳しいぞ。
2014/7/8 12:07 |
入口6km地点から12km地点まで休憩を含めて6kmに30分かかっている。
さすがに予定よりも時間を食っている。
ここまで厳しいとは。
汗を拭き、絶対に転ばないぞ!と気合を入れ、
「遅くていいんだ、確実に、ゆっくりだ!」と自分に声を掛ける。
ここでゆきかぜを転ばせるわけにはいかない。
なおもぼろぼろぼろ…という感じで滑る砂利道は続くのだった。
あと、15km?1時間で着くかなあ…。(つづく)
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