その根本氏が、月刊ライダースクラブ「RIDERS CLUB」2014年1月号の巻末のコラムで次のようなことを書いていた。
(前略) 毎度申し上げているように、年齢を重ねてからのバイクは、若い時よりも醍醐味も楽しさも比較にならないほど大きい。だからこそ、長く乗り続けることが最優先。明日も来週も来月も、そして来年も10年後も乗っていたければ、いまこの瞬間をいかに大切に乗るか、甚だ精神論めいてくるが、そこに無頓着だとリスクの大きなバイクを周囲に反対されず乗り続けることはできなくなる。
いまもフルバンクで走るシーンをご覧に入れているボクからは、にわかに信じられない言葉かもしれないが、生きるモチベーションの多くをバイクからもらっているのは、今回のデイトナでもあらためて痛感しているからこそ、たまに乗るからといって高揚した気分で接するのは厳重に慎んでいる。(『RIDERS CLUB』2014、1月号 p156「KEN’S TALK」より)
バイクに乗ると、本当に楽しい。
しかし、根本氏は長く乗るために「高揚しないように厳重に慎んでいる」という。
根本氏は、50歳を過ぎてからデイトナのクラシックレースに14年連続で挑戦し続けているが、その過程で、同じレースを走る先輩(当然、根本氏よりも年輩だ。)から、長くレースをし続けるために、長くバイクで走り続けるために、絶対転倒するな、絶対限界まで攻めるな、とアドバイスをもらったという。
デイトナクラシックレースと言っても、根本氏の「MOTOGUZZI V7SPORT 改」は、270km/hでデイトナの30度バンクの一番上を駆け抜ける。
そのレースの様子は、こちらの動画で見ることができる。
ネモケンのDaitonaチャレンジ2013その4
ネモケンのDaitonaチャレンジ2013その3
ネモケンのDaitonaチャレンジ2013その2
ネモケンのDaitonaチャレンジ2013その1
見れば分かる通り、本格的レースである。それでも、絶対に限界を超えてはならない、という互いの意識の下、その中で思いっきり走り、本気で勝ちに行く、そういう楽しみ方をしているのである。
がむしゃらで、限界を超えるような走りは決してしない。
絶対に転ばない、という自らに課した自分だけの枠、その中で全力で楽しむ。
これが、若者と違う、大人の楽しみ方だというのである。
転んで大けがをしたりしたら、もう周囲の理解が得られなくなって、走れなくなってしまう。
年齢を重ねながら、それでも楽しむために、熱くなることを禁じて、なおかつ、楽しむ、その精神性、その自律性。
それが大切だと、根本氏は言う。
公道を走るライダーとしても、それは全く同じ。
もう若くない僕らは、楽しむマインドを忘れず、しかし、熱くならず、調子に乗らず、自分をちゃんと律しながら楽しんでいきたいものだ。
この難しい自分の気持ちの持って生き方をきちんとできるようにしていくこと。
これもまた、僕ら中年ライダーの、走り続けるための課題のひとつだと思う。
昨日の夕方。夕日の沈んだばかりの西の空をバックに、通勤で薄汚れているゆきかぜ号。 |
次元が少し異なりますが、
返信削除歳のせいか、気が乗らない身体が重い時がたまにはあり、そんなときはペースダウンとか距離乗らないとかはしてますね。
若い頃は「バイクに跨がれば常に絶好調」・・・もうそんな訳には行かないのですね。
tkjさん、こんにちは。
削除僕もそうです。ちょっと前までは、本当に風邪で具合悪くても、走ると直る!みたいなこともあったのですが、
あ、今日は無理だ…やめとこう…。となることも多くなりました。
大事に大事に、でも楽しんで、走って行きたいです。