夏も終わりに近い8月16日、早起きして走ろうとするも、体調すぐれず、スタートは朝8時。
支笏湖に向かいました。
札幌市街地を抜け、支笏湖へ続く国号453号線を行くと、数百m前方、常盤PAから一台のバイクが出てきました。
「あ、kaoriさんだ。」
遠くからでもわかった、その動き。
kaoriさんは以前の記事でも紹介した、カワサキ650RS(W3)に乗る女性。
W3の前はZⅡ改(920cc)に20年以上乗っていた人で、その時もそうだったのですが、車種が変わっても、その後姿には、共通のオーラが漂っていて、遠くからでも一目で分かるのです。
車の列の後ろについて、穏やかに走って行く今日のkaoriさん。
僕は100mほどまで近づいたあと、その長めの距離を維持して、走って行きました。
あんまり近くで声をかけるような距離で走るのも気恥ずかしいような気がして距離をとったのですが、
かえって変でしたね。反省。
kaoriさんのW3はノーマルマフラーですが、時折開けてはその快音を聞かせてくれます。
自然ないい感じの音色。
ゆるやかなペースですが、kaoriさんの走行ラインは道路の左、車線と路肩を分ける白線から1mのところをゆるぎなくたどっていく、L1ライン。
このL1ライン、イメージしにくい人はマラソンの白バイ先導隊の左側の人が辿るラインと考えるとわかりやすいと思うのですが、このライン、意識してずっとたどることは、遅いペースならやろうと思えば誰でもできるのですが、それを何十キロもずっとするのは、実は難しい。しかも、直線、登り、下り、カーブもヘヤピンから複合コーナーから、次々現れる中で、特にL1にこだわっているようにも見えず、意識して乗せようとしているようにも見えないのに、結果としてずっとL1ライン上を淡々と走って行く…というのは、普通の人にはまずできない走りなのです。
相変わらず、ゆっくり走っていても、この人はもう…と思いながら、走って行くと、
いわゆる「朝練」帰りでしょうか、飛ばしているバイクのグループといくつかすれ違いました。
ビューン、という感じの数台が行くのでした。
あれ?
速度の割に、ちゃんと乗れてないというか、ホールドが甘いというか、荷重をかけてないというか、すれ違ったバイクたちに変な違和感を感じました。
「その速度を出すには、ゆるすぎないか」
リラックスしているというのではないのです、むしろ力は入っているように見えた。
でも、速度に対する覚悟が足りないように思えた。
おっとっと、余計な詮索はやめよう。
それは僕自身のことじゃないか。
今僕があの速度でこの道を走ったら、たぶん相当に情けないことになってると思う。
だいたい人の走りにケチをつけはじめたら、もうだめだね。そもそも失礼だしね。
僕の見間違いかもしれないのだし、自分の調子の悪さが、人のライディングを見る目を曇らせているのかもしれない。
自分の安全運転の方に、気持ちを切り替えよう。
V7は走るのが大好きなイタリアの人たちが作ったバイク。
ゆっくり走っても面白いですが、鞭を入れた時の速さは、のんびりした外見を裏切るものがあり、それがまた、とても楽しいのです。
頭もライディングに向かいがち。
でも、今日はゆっくり。決めたんだから。
少し行くと、一台の青いRZ350RRとすれ違う。
今度は気持ちよくすれ違えました。
2stオイルの匂いが懐かしい。
この人は、飛ばすことの意味を理解している人だ…、そんな気がしたのでした。
ああ…、いいかげんにしないと。
自分自分、自分の走りをきれいにするのが先だ。
また、言い聞かせます。
さて、支笏湖のポロピナイ駐車場についてみると、家族連れの車でいっぱいでした。
kaoriさんが入って行き、僕も後に続くと、見覚えのある人影とバイクが。
いちさんと、モトグッチ ルマンです。
kaoriさんも手を振って、脇に停めます。
僕も倣いました。
バイクを停め、おはようのご挨拶を。
ホントに偶然の出会いです。
kaoriさん、いちさん、いちさんと一緒でいらしたドカティ、ポールスマートのFさん、4人で、20分ばかりなんでもない話をしました。
なんでもないと言っても、バイクの話なんですけどね。
さて、kaoriさんは今日は休日、少し走ろうとのこと、Fさんもいちさんも、今日はこれから走るようです。
僕は午後から仕事なので、ここでUターン。帰路につきます。
3人をお見送りしました。
わずかの間にもバイクはどんどん到着し、どんどん出ていきます。
ここはいろんなバイクを見ることのできる場所でもあるようです。
さあ、出発。
スタンバイした3人。
いちさんから出ます。
続いてFさん。
ポールスマート、本当にきれいでした。
また、いい音なんですこれが。
W3、ルマン、ポールスマートと、3台ともとても気持ちのいい音で、しかもうるさすぎないのがいいですね。
家族連れが振り返らない程度の音です。
僕のV7を入れると、4台ともツインでした。
駐車場のダート部分をとおって、走り去る3台。
では、僕も引き返すとしましょう。
恵庭岳の山頂が雲の合間から見えていました。
溶岩ドームがそのまま山頂という、ワイルドな恵庭岳。
札幌オリンピックの時には男子滑降の舞台となりました。
なんと、そのために恵庭岳の支笏湖側斜面の樹を伐採。
その時だけコースにして、オリンピックが終わったら、植樹して自然に戻す、というすごいプロジェクト。今なら、絶対できないでしょう。だって、国立公園内ですよ。
市街地が近づいてきたら、時々使う脇道を通って。
木漏れ日の道が気持ちよかった。
11時に帰宅。
シャワーを浴びて、嫁さんが作ってくれた昼食を食べ、出勤となりました。
束の間の逃避行。
これが僕の今年の夏、最後の走りになりました。
一夜明けて、今日、夕方、空を見上げてみたら、空は秋に変わっていました。
樹生さん こんばんわ。
返信削除先日は楽しかったでした。孤独なツーリングより
会話のあるツーリングが好きになってきました。
町内会もまた 復活したいものですね~
後ろに遠くつくバイクはほとんどなくて、
たいていは千鳥位置に迫ってくるので、
4輪車としても遅めのペースだったので
意図があっての距離持ちで、どこかでドカーンと
くるのか、それとも近づきたくないのか
なんだろうとミラーの中で考えてました。
記事の中のL1はまったく意識なしです。
普通にキープレフトしてました。
ゆきかぜはきれいに磨きがかかっていて
とてもきらきらしていました。きれいなお洋服を
着たようでした。
ダート走らせると怒っちゃいそーです。
樹生さんの新しいレザージャケットも渋めで
でもやわらかそうな上質なレザーでよく
お似合いでした。
秋のツーリングお出かけください。
ツーレポも気にせず”腰が抜けるまで”走って、
お泊りで温泉で手足をぐーんと伸ばしてみるのも
きっとよいと思います~
kaoriさん、こんにちは。
削除やはり、L1は意識せずに走ってらしたのですね。意識するとあんなに自然には走れないですから。
簡単に見えますが、実はできないことです。この普通のキープレフト。
千鳥位置に迫ると、kaoriさんのラインを限定してしまう、という気持ちも少しありました。
バイクでの走りには、その人が現れますね。
いや、失礼しました。
ゆきかぜ、僕としてはきれいにして乗っている方だと思いますが、何せ通勤に使用しているので、
すみずみまでピカピカというわけにもいかず、ときどききれいに洗車するくらいです。
イタリアンレディには、申し訳ない(^^;)状況です。
革のジャケットはとうとう購入。30年越しの願望が叶った形になりますね。
使用感など、またそのうちに記事にしようと思います。
今はジャケットのならし中というところです。
ツーリング、本当に、なんとかしていきたいと思います。
樹生さん☆おはようございます
返信削除V7、まだまだ新車の様でしたね!私の中古車とは違います(笑)
それにしても、kaoriさんとのポロピ到着は驚きましたね!
いろいろ考えながら、走っているのですね。ラインの走法など
理論的でまさしく、樹生さんらしいです。
私の場合は、車体からくる音や振動を感じるのが先です。
ライディングはその次でしょうか。
エンジン焼付きを経験したことがあって、単純に回さないクセが
ついたみたいです。アクセルを少しずつ早く回していく感じです。
なんか矛盾している話になってますが、常に車体の情報を探って
走ります。
でもモトグッチは、楽しいです。豪快さと繊細さが同居する
不思議な感覚は、他のバイクにはあまり見られませんね。
お仕事も一段落すればいいですね。バイクには気持ちよく
乗りたいものです。
いちさん、おはようございます。
削除まだ購入して1年3か月、6000kmしかはしっていないので、あまり傷んでいませんが、
例えばリヤサスのばねのメッキに点錆が浮いて来たり、徐々にやれが見え始めています。
もっときれいに磨くといいのでしょうが、元来ずぼらなのに加えて、磨き趣味がないので、
こんな状況です。
ライテクに関しては、僕はもう頭でっかちの「オタク」です。
ぐっちの個性に、少しずつ慣れてきました。
スモールブロックのV7はトルクリアクションが小さく、カーブでの旋回特性も、
右と左でほとんど意識する必要がありません。
いちさんおっしゃるグッチの「豪快さ」(初代ルマンからつながっている)は、このスモールブロック群は
それほど色濃く残してはいないようですね。
でも、回すほどに安定してくる直進性、ロール方向の軽さ、ラインの安定性など、
グッチならでは走りは、V7も楽しませてくれます。
まだまだ体をグッチに慣らしていく最中ですが、楽しみながら、V7との距離を詰めて行こうと思います。