2015年4月19日

赤井川早春(1)


7:49AM 国道5号線。小樽へ向かう。前方に雨。


4月19日、日曜日。
天気予報は一日曇り。
気温は低めで、札幌で最高6℃の予想が出ていた。
朝5:00に起きるが、今日走るかどうか、少し迷ってうだうだし、
行くことにして6:00から朝食を食べた。
今我が家は妻の母が療養に来ていて、朝食はいつもより遅めにしている。
仕事で朝が早い僕は毎朝、一人で朝食を摂り、妻と義母は、義母のリズムで食事をする。
寒さ対策をしっかりして、家を出発したのは7時過ぎだった。

ガソリンスタンドに寄り、満タンにして、国道5号線を札幌から小樽方向へ向かう。

途中、手稲を過ぎたあたりからバラバラと雨が落ちてきた。
天気予報が外れるのは珍しい。しかし、このバラバラ雨なら、降水量1mmに満たないだろうから、外れたとは言えない。

今日は上着にカワサキの防寒ジャケットの上に「agora」(たぶんイタリアのメーカーだと思う。今はない。)の防水防寒ジャケット(約20年物)を羽織り、下はクシタニカントリージーンズライドの上から16年前に買ったスキーズボンを履いている。
ちなみにグローブも今日はスキー用でかつ手のひらのごつい丈夫なものを着用した。
いまどき流行らない、もこもこスタイルで、雨の中をV7と走って行く。


8:02AM 張碓から朝里へと下っていく国道5号線。

張碓のあたりでも雨はかなり降っていた。
バチバチ言うほどの雨。
朝里に向かって下って行く坂の上から小樽方向が遠くに見えた。
積丹半島はさらに奥でいまは見えていない。
このまま雨が続くようなら、神経も疲れるし、身体が冷えて首にもよくない。
ちょっと停まって様子をみることにした。


停まったのは廃工場の側。昔石切り場だったのだと思う。
僕の若い頃はまだ稼働していたように思うのだが、記憶は定かでない。
写真左側に見えるのは高速道路(札樽自動車道)だ。
停まった途端に雨が止んだ。

同刻・同所
鉄は錆び、やがて朽ちていく。
崖の上まで続くベルトコンベア。
ゆきかぜ、君はどこにおいても似合うなあ…。

雨がやんだのなら、早速また走り出すことにする。

朝里を過ぎ、小樽の街へ向かった。
雨はまた、ぽつぽつと降り始めていた。


8:20AM 小樽市 小樽運河と倉庫街
ああ、なにやってるんだろう。
これは小樽観光のまさにベタな写真スポット。小樽運河と倉庫街だ。
人でごった返しているだろうと思ったのだが、雨の日曜、朝8時過ぎだからか、人の姿はない。
ここは橋の上だが、プロムナードのようになっていて、撮影のための台やベンチなども置いてある。
ゆきかぜのエンジンを切り、よいしょよいしょと押して欄干の側まで行き、写真を撮った。
僕らしくない。定番の写真。
でも、いいじゃないか。それが僕らしくないなんてことは、特になかったのかもしれない。
ちょっと人がいっぱいいると気おくれしてしてしまうだけで、実は僕だって「定番」の良さは好きだったりするのだ。

でも、だれも来ないうちに、写真を撮ったらまた押して、そそくさとその場を後にした。
小樽の街は、札幌よりも歴史を感じさせる。
明治の頃は札幌よりも人口も多く、日銀の視点も小樽に有ったのだ。石造り、レンガ造りの倉庫や西洋館が立ち並ぶ。
小樽はなかなか味わい深い街だ。

さて、小樽を過ぎたら、余市方向へ向かう。
余市の手前で南へ向かう道へ入り、冷水峠を経由して、赤井川村に向かうことにした。


8:51AM 道道753号線
北海道、札幌、小樽近辺の今は、桜が咲くまであと3週間弱といったところ。
平地での雪はほとんど溶け、木々の芽吹きが始まっている。
あと少しで、この景色も緑に覆われる。
冬の名残が少し残り、春は遠慮がちに、冷たい風の中で歩みを進める。


8:58AM 道道36号線冷水峠
 道道753は、道道36号線と合流する。
少し行くと、冷水トンネルにたどりつく。このトンネルは2012年に開通したばかりの新しいトンネルだ。
冬の風吹の時など、交通の難所だったのだが、このトンネル開通で大分交通が容易になった。
今日、僕は旧道の冷水峠への道を選ぶ。

途中、陽が射してきた。
風は冷たいが、青い空が頭上に瞬く間に広がり、白樺の白い幹を浮き上がらせる。
アスファルトに触ってみると、まだ冷たかった。

9:02AM 道道36号(旧道)冷水峠
このまま冷水峠から赤井川のパノラマを見よう。
そう思ってゆきかぜを走らせていると、峠まであと数百mのところで除雪が終わり、道路は雪原になっていた。
そりゃそうだよね。
Uターンして、ゆきかぜをちょっと止める。
首はまだ痛くなっていない。
しかし、左腕に少し違和感がある。
これが痛むようなら、休憩しつつ、来た道を帰ることにしよう。

少し体操をする。

さて、旧道を下ってトンネルを抜け、大好きな赤井川のカルデラ盆地へと向かおう。

9:06AM 道道36号(旧道)、冷水峠
下る途中にカーブミラーがあった。雪で通行不能のためか、車もバイクも一台もこない。
ちょっと失礼して、道の中でミラーをパシャリ。

スリムなゆきかぜと、もこもこごわごわの僕がいた。(つづく)

9 件のコメント:

  1. うわぁっ!まだ、雪っ!!

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    1. tkjさん、こんにちは。
      そうなんです。まだまだ雪なんです。
      ニセコパノラマラインもまだ冬季通行止め。知床峠もまだです。
      GW頃まで、峠では雪になることがあります。
      それでも、花の春は、もうすぐそこです。

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  2. 樹生様、こんにちは。ST4と申します。
    今日はとても良い日になりました。有難うございます。
    取り急ぎお礼まで。

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    1. ST4さん、
      今日は偶然にもお会いできて、本当にうれしく、楽しいひと時が過ごせました。
      ありがとうございます。
      あの後、すんなり帰って来ました。首はなんとか持ちました。
      今日は久々に100km以上走って、いろんな景色を見たり、人にお会いしたりして、
      バイクで走るの、好きだなあ…、バイクっていいなあ…、と改めて思った一日でした。

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    2. とても嬉しく、舞い上がってしまい、名乗るのも忘れておりました。
      申し訳有りません。
      おまけに後ろを走らせて頂き、有難うございます。
      樹生さんとゆきかぜのライディングは、
      とても滑らかで迷いなく2次旋回でとても気持ちよさそうに駆けて行く…
      コーナーリングのイメージはどの時点で組み立て終わっているのでしょうか?
      全くの素人目なのですが、1つ目のコーナーリングで「うわぁ~スゲ~」と。
      私は熟練の方の後ろに付いて走った事が無く、
      あのように流れるようなコーナーリングを見た事がなかったのでとても勉強になりました。
      新たな課題です。
      首の事何よりです。
      冷やさない事が大事のようですので、お気を付けください。

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    3. ST4さん、お互いST4と樹生というハンドルネームでしたね。
      今回は初対面で、しかも短時間の遭遇でしたし…。
      ライディング、ほめていただいて、とてもうれしいです。(ほめられて喜ぶのは、素人まるだしです。)
      でも私の腕前は、客観的に見れば中の上くらいかと思います。
      最近はもう限界の遥か下でしか走ってない(…というよりも走れない^^;)感じですし…、Uターンも下手くそですし…。
      私のやり方ですが、
      コーナリングのイメージは、アプローチでブレーキングを始めるちょっと前くらいに、立ち上がりの状態をイメージしています。道路のどこにいて、その時のバンク角と速度とアクセルの開け具合などの「状態」をイメージして、進みながら道路の様子が予想と違ったら、その都度イメージを修正しつつ、安全でかつ気持ちいいように操作していく感じです。
      イメージといっても、ピンポイントではなくて、漠然としたものを、進みながらだんだんはっきりさせていく感じに近いかもしれません。
      基本的には、バンクする直前をいちばん遅い状態にして、倒したら後は開ける方向で持っていくようにしています。
      予想よりも開けていたら加速を増せばよく、予想より回り込んでいたら、加速をしない程度の駆動力で車体を安定させればいいからです。突っ込みがぜんぜん速くないのが私の特徴です。
      でももっとペースが遅い時は、ゆるゆると減速しながらコーナーの前半を進んでいくこともあります。
      安全に加えて、その安全性を削らずに気持ちよさを加えていくのが、最近の課題です。
      なんつって、転んだりしてるので、けっこう口先男だったりするのが、私の正体かもしれません…。
      ひとりで走るのと、複数で走るのとでは、バイクの愉しみは全然違いますね。
      ひとりで走らないと決して得られないものも大きくある……というより、私の場合、それこそがバイクライディングで得られるものだと思っています。
      一方で、複数で走るたのしさは、これもまた、素晴らしく思えます。
      ひとりで走り、時々仲間と走る。
      そういうふうに行き来することで、自分のライディングを深めて行けるような気がしています。
      生意気言ってすみません。
      また、御一緒できる日を、楽しみにしております。

      首のこと、ありがとうございます。
      今も簡単な襟巻を巻いています。
      大事に治して行きたいと思います。

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    4. 樹生様
      私が褒めるなど烏滸がましいです。
      丁寧にお答え頂き有難う御座います。
      風圧の恩恵のない常速域でのライディングの方が私にとっては難しく、その速度域でのスムーズなだけでなく楽しそう=躍動感もあったという事は、あの速度の範囲でとてもメリハリが効いていたという事だ!と昨日からのイメージして気付きました。
      昨年は自分の想定と違う曲率であった場合、失敗と決めつけておりました。凝り固まらず最良を選択する事で良いのですね。スッキリです。
      私にとってもどうやらバイクは「向き合う」もののようです。
      全く生意気ではありません、人に聞くべき事ではないと思いながら我慢できずつい質問してしまいました。
      私もまた、御一緒できる日を楽しみにしております。

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  3. 初めまして緒崎松蔵と申します。
    最初からブログを読ませていただいており、いつかコメントをしようと思っておりましたが・・・タイミングが見つからずとうとうここまできてしまった感がございます。
    運河在住で白いCB1100を主に乗っております。
    たくさん書きたい事がありましたが、少しずつコメントしていきたいと思います。
    自分は仕事柄あまり早い時間から走ることはないのですが、お会いできる偶然に期待しております。

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    1. 緒崎松蔵さん、初めまして。
      お読みいただき、コメントいただき、ありがとうございます。
      今回は運河に少しお邪魔致しました。
      首を治して、仕事をなんとかして、今シーズンは昨年よりは走りたいと思っています。
      もしも道の上でお会いできたら、お声かけください。
      どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。

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