2015年4月27日

春の羊蹄山を見に行こう。(2)


「望羊の丘」。
羊蹄山を望む丘、という意味だが、以前はこの場所はそう呼ばれていなかったのではないかと思う。
ここは、京極町の町営牧場。とても広い牧場だ。
その一角に管理小屋のような建物があり、そのそばに「望羊の丘」の看板がある。
かつてツーリングマップル北海道の表紙を飾ったこともあるスポットなのだが、
僕は結構前から好きで、羊蹄山を眺めたくなったときには、ここと、羊蹄CCの側の畑の中の農道と、この二か所に来ることが多い。
いつ来ても静かで、ほとんど誰にも会わない。

もちろん、牧場なのだから、観光案内所も売店も自販機もトイレもない。

僕にとって、この場所は、静かに一人で羊蹄山をずっと眺めていられる、秘密の場所だった。
だから、ツーリングマップルの表紙になった時は驚いたし、この静かな場所をあまり知られたくないような、そんな気がしたものだった。

でも、僕だって、牧場の人から見れば不審な人間なのかもしれないし、独り占めしようなんて、浅ましい考えなのかもしれない。

赤井川と並んで、毎年でも、一年に一回は来たい。
そんな場所なのだ。



牧場に農道が上がってきたところで、振り向くと羊蹄山が大きく見える。
あっと言う間に雲が広がってきた。


道の反対側には、尻別岳とその麓の風景が広がる。
何度も来ているが、雪がこれだけ残っている時に来たのは初めてだった。



ゆきかぜと、遠くの尻別岳とのツーショット。
V7はネットのインプレッションでライトが暗いと書かれていることがある。
僕はそんなに暗いとは思わない。が、どれだけの明るさを求めるかは、人によって違うだろうから、暗いと感じる人もいるかもしれない。
しかし、一度夜の手稲山をゆきかぜで上ったことがあるが、特にライトが暗いとは感じなかった。
ゆきかぜはマルチリフレクトタイプのライトだが、僕はカットレンズの方がデザインとしては好み。
このライトは少し目つきがきついのだ。


さっき書いた、管理小屋のゆな建物が後ろに見える。
雲はさらに流れる。
5分と同じ表情はしていない。
だから、同じ風景に見えても、なかなか見飽きないのだ。
ね、ゆきかぜの目つき、せっかくレディなんだからきれいなカットレンズを奢ってあげたくなる。



もうちょっと上がってきた。この雪の残る谷の両側とも、町営牧場だ。なかなか広い。
羊蹄山の右奥に連なる雪をかぶった連山は、ニセコ連峰だ。


また雲が流れた。尻別岳のちょっと手前の空に厚い雲がかかり、羊蹄山の上の雲は切れてきた。
風が吹いている。
今日はこの場所はそんなに風は強くない。
でも上空では、速い速度で風が流れ、雲を運び来て、運び去る。
見渡す限り、僕以外、誰もいない。

ゆきかぜと二人きりだ。


しばらく、冷たい春の風に吹かれたら、さあ、引き返すことにしよう。

農道を下って行く。


農道入口のすぐそばまで下ってきた。
写真だと上り坂に見えるこの道、実は下り坂。
雪も残っているが、春の気配が満ちているでしょ。



上の写真の止まったところから見える羊蹄山。
ここまで下りてくると、裾野から山に続く景色がなんだか身近な感じがする。
一番低いところに尻別川が流れているが、それは谷陰で見えない。
近く見える山すそだけど、見た目よりは結構距離もある。



道端に腰を下ろしてしまった。
休憩の予定ではなかったけれど、今日は羊蹄山を一周するだけ。

ゆっくり行こう。
上の写真の白樺と、その向こうの屋根の青い建物が、
ゆきかぜの前輪とエンジンの間からのぞいていた。

よ~く見ると、ゆきかぜのエキパイのまわりだけ、微かに陽炎のように空気が揺れて、にじんだようになっているところがある。

ゆきかぜのエキパイは、相当に熱い。
エンジン停止後は要注意だ。

「へたにさわると、やけどするわよ。」

なあ、レディ、それは文字通りだろ。
(つづく)

2 件のコメント:

  1. まだ気温が・・・
    先日のCBRさんは、信号待ちで冷却ファン起動でしたが。

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    1. この時期としては、この雪の消え方は早い方かもしれません。
      春の雪解け期は、見た目よりも気温は高かったりして、この日も10℃以上ありました。
      さすがに冷却ファンが回るようなところまではいきませんが…。
      東京、暖かいですね。

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