2016年4月27日

早春の赤井川へ。(4)

赤井川から、毛無山の峠を通って、小樽市朝里へ、そして5号線で札幌へ帰る。


その帰り道、僕のペースは道が空いているのに、60km弱。
今までよりもゆっくり走っている。
途中、なんでもない場所で止まって、写真を撮ったりして、これは何の写真か、自分でも分からないくらいだが、疲れのせいなのか、何なのか、いつもよりゆっくり走っていた。


郊外の一般道では、80kmや90kmで車が流れていることも珍しくない北海道。(念のため、それは確かに違法です。)
時速60km弱で走っていると、たちまち後方から車の列が迫ってくる。
何台も連ねた車列に対して、左に譲って追い抜いてもらうほど、道幅が広くもなく、かといって、加速して引き離すのも、気分ではなく…。
結局、右折してキロロリゾート方面へ道を逸れることで、後ろの車列を前に流すことにした。


キロロリゾートはスキー場がある。
4月の下旬でも営業していて、駐車場はスキー客でいっぱいだった。
もちろん、大型バスで来るスキー客もいる(たぶんそっちの方が遥かに多い。)から、まだまだ春スキーはシーズンただ中だ。



道の行き止まりのホテル、シェラトンからは、ゲレンデが見える。
大型リフトが動き、山腹にスキーヤーの姿がたくさん見えた。


バイクは僕とゆきかぜ、一台だけ。

気が付くと、晴れている。

しばらく、ぼーっとしていたが、お昼までには家に帰りたい。
再び、走ることにしよう。

キロロから国道に戻って毛無峠を目指すと、さっきまでの混み具合はどこへやら、ガラガラだった。
またゆっくり流していると、けっこういかつい顔のワンボックスがやたら速い速度で後ろから迫ってきた。

峠は登りに入っていて、結構な上り坂だ。
それでもワンボックスは車体を揺らしながら、猛然と迫ってくる。

なんか、嫌な感じがした。

峠のカーブ区間に入っているので、少し飛ばしてもそれほど速度は上がらない。

このワンボックスには道を譲りたくない。
雑魚は譲って当然みたいな、嫌な傲慢さが車から、走りから、溢れ出している。
(もちろんそれは、邪推する僕の心の方が問題なのかもしれないのだが。)
「こういう時こそ、すっと譲ってしまうのが大人というものだ。」
そう嘯きながら、ちょっと加速。ゆきかぜの5か月ぶりのコーナリング。カーブ3つでミラーから消えた。

だが、長い直線区間があると、遥か後方から、また猛然と迫ってくる。
これ以上は危ないから、ワンボックスの視界に入らないようにした方がいい。

ちょうどまた、カーブの連続区間で、視界射程が短くなる。

もう、背中を拝ませないつもりで、いくつものカーブを駆け抜けた。
そんなに飛ばしたわけではない。
でも、もう見えなくなった。
上りのきつい峠道で、軽量な750ccのバイクと、重くて大きく背の高いワンボックスでは、最初からワンボックスがおおきなハンディ。得意になったところで恥かしいだけだ。ちょっと自分の愚かさを反省する。

峠もピークを越え、大分終わりに近づいてきたころ、前方の車列に追い付いた。
変にプレッシャーをかけてもいけない。
でもだらだらと車列の最後尾を走っていて、さっきのワンボックスに追い付かれるのも、それも不快だ。

見通しがよく、前後の安全が確保できるところで、減速、Uターンして、海側の林が切れているところまで戻り、ゆきかぜを停めて、写真を撮った。


木々はまだ、若葉を付けてはいないが、枝々の先がうっすら紅色に色づいている。
石狩湾が遠くに見えた。




少し移動して、今度はゆきかぜを入れて、山と海の写真を。
眼下の街は、小樽市朝里。

さっきのワンボックスが通過して行った。

すると、やはり交通量が少なく、静かになった。
ちょうど、車の波が途切れる時間帯だったのか。

もう少し、峠の風景と、道の法面のふきのとうと、冷たい早春の風に吹かれてから、またゆっくり、朝里峠を下って、家に向かうとしよう。
(「早春の赤井川へ。」完。)

(次回はステップとハンドル変更のインプレッションです。)

7 件のコメント:

  1. takaです。
    時々いますよね。その様な車。
    噛み合う車ならともかく、この様な場合は、私も同じように対応してます。
    深追いする車なら、一旦振り切ってから、一度停車して、やり過ごします。
    うっとうしいし、事故られても気分悪いし(^_^;)

    次のインプレ記事、楽しみです♪

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    1. takaさん、こんにちは。
      ステップとハンドルバーを替えて、コーナリングを少しテストしてみたかったのもあって、
      少しやっちまったのですが、後から考えると、いろんな危険性も考えて、やはりわれ関せずで譲ってやり過ごすのが一番よかったなあ…と、反省しています。
      ハンドリングテストは、そのワンボックスがかなり先に行ってからしてもよかったのですから。
      でも追い抜かさせておいて後から追いつくっていうのも、いやらしいか…なんて考えて、なんか、昔みたいに無邪気にばーっと走れなくなってるなと思いました。
      当たり前かもしれませんが、あまり飛ばさない範囲ではハンドリングは変化なく、むしろ自分のスピード感やコーナリング感覚のリハビリが必要だな…と思いました。
      いずれにしても、安全第一で、でも、あまり人に迷惑かけない範囲で、走りを楽しみたい…。
      そんな気持ちは、相変わらず持っています。

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  2. > 安全第一で、でも、あまり人に迷惑かけない範囲で、走りを楽しみたい…。

    その通りだと思います。
    楽しいファミリードライブや山あいの民家生活、イケイケお兄さん(にさえ)には苦痛を感じさせてはイカンですよね。。

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    1. すみません。コメ返を引用してました。

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    2. tkjさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます!
      「楽しいファミリードライブや山あいの民家生活、イケイケお兄さん(にさえ)には苦痛を感じさせてはイカン」…。
      ホントにそう思います。
      でも、やっぱり走りを楽しみたい、だから、気をつけながら、ひそやかに、やります(^^;)

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  3. いますね~、どこにでも。大体、バイクと張り合おうなんて何にも知らんのでしょうな~。
    大型バイクの動力性能は公道ではレーシングカーが走っているようなものです。
    ワンボックスの人は自意識過剰な性格を感じますし、アウトローなんでしょうね。別世界に生きている方
    なんでしょう!この手の方々とは、どこまでも接点が無い気がします。

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    1. いちさん、こんにちは。
      「勘違いして偉そうにしてる4輪を、あっという間にぶっちぎってやった。」
      という体験は、正直言ってどこかスカッとするものでした。
      でも、「何か邪悪なものを攻撃してスカッとする。」って、今のネットでの炎上や何か見つけては正義面して袋叩きする風潮や心性と相通ずるものがあるようにも思えます。
      それは、とても危険。自分自身をも蝕んでだめにしていく心性で、しかも、そのことに気づきにくい。あぶない心性だと思います。
      無邪気に喜べない…。齢をとったということかもしれません。

      一般的には2輪、特に大型2輪の方が、「公道でむちゃくちゃ飛ばして我が物顔で。そんなに飛ばしたきゃサーキットに行けや!」と思われていたり、もっと極端には、「事故でもおこしてしまえ!」と思われていたりするものですよね……。
      街中でも、峠でも、マナーの悪いバイクの方が圧倒的に多い印象があるんですよ。(実際の数はわかりませんが、そういう印象だと思います。)

      今回のことも、もしかしたら、ワンボックスの後部には納品期の迫った商品がたくさん積載されていて、大急ぎで走っていたら、なんかちっちゃいバイクが峠でとろとろ走っているのが見えて、いらいらして、じゃあ一気に追い抜くかと思ったら、そのバイクは引きつけておいていきなりダッシュして自分の速さを見せつけ、直線でまたとろとろ走ってわざと追いつかせておいて、またダッシュして消えた…。「…はあ…。何なんだ!だからバイクは嫌いなんだ!」…となっているかもしれません。

      そうじゃないかもしれない。走行中に僕が感じた相手のオーラは、とても傲慢なものだったけれど、でももしかしたら上に書いたようなことがワンボックス側から見た真相なのかもしれないんですよね。

      楽しいファミリードライブや山あいの民家生活、イケイケお兄さん(にさえ)には苦痛を感じさせてはイカン。
      それがバイク乗りの矜持であるべきだと、僕は考えています。
      なかなか聖人君子にはなれなくて、こっそり飛ばしたりしていますけど…。
      「ワルではあるけど、邪悪でない。」このバランスって本当に難しいです。

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