2016年11月29日

モトグッツィV7のスタイルを比べてみる。

前回の記事でV7SPORTのカスタムモデルを紹介(紹介の紹介でした。)しましたが、元のV7SPORTや、現行のV7Ⅱ、そしてV7classicと、その元になった、ブレバ750のスタイルを比べてみましょう。

上がオリジナルのMOTOGUZZI V7SPORT 1971~1974.
当時はグッツィの最もとんがったスポーツバイクでした。




これが前回記事の「Green Dream Machine-MotoGuzzi V7 Cafe Racer」。
シリンダーヘッドは1000cc用を積むなど、大改造してますが、フレームワークの基本線他、いろんなところが、(例えば、まったく別物なのにが外見をとても似せているフロントフォークとか。)オリジナルを大事にしつつカスタムしていることが伝わります。
こんだけやって前後ドラムブレーキって、どういうことなんだ…、と思わせるような…。
それにしても、美しい。
水平ラインをすっきり見せているところも、美しさに直結している部分でしょう。
オリジナルの重さがなくなり、軽快に見せています。

V7ⅡSpecial。
V7SPORTへのオマージュを感じますね。(先祖のデザインパクリ…とも言いますが)
サイドカバーは形が台形なのに、あえて三角形の造形を作っているのは、オリジナルのV7に似せる(敬意を払うともいいます)ためだったんですね。


2007~のV7classic。
ブレバ750から、ネオクラシック路線に外皮を替えた、最初のモデルです。
VⅡとほぼ同じフォルムですが、エンジンの搭載角度が違っていたり、エンジンのヘッドが変わっていたりと、classicからⅡの間には、多くの変化があります。
(見えないところではⅡから6段変速になっていて、ABSもトラクションコントロールも、VⅡではついてしまいました。すごい進歩でしたね。)


2007年のブレバ750。
全然違うバイクに見えますが、エンジンから駆動系、メインフレームも共通だということです。
このマシンの外見を替えただけでV7クラシックにしてしまうという……、どうなってんだ?と言いたくもなります。

ブレバは、シティ・コミューターとして、街中での使用や、ビギナー、女性ライダーをメインたーゲットに据えていたバイク。
低いシート、軽い車体、ちょうどいいパワーとトルク。
かなり評価の高かったバイクでした。

なんかぼてっとしていて、ずんぐりしたイメージですね。
MOTOGUZZIの「低く」、「長く」、「でかい」、というイメージからは遠いような。

たぶんこれって、ブレバ1100のデザインがメインであって、それに少し軽快感を出そうとしてこうなったと思うのですが…。


僕としては、現在も続いている、リヤを跳ね上がるデザインが、個人的に好きになれない。
公道のロードスポーツで、そこまでリヤを跳ね上がる必然性がまるでないだろう…と思ってしまうのです。リヤが跳ね上がると、リヤタイヤの泥はねもかなり盛大になってしまいますし…。



それにしても、やはり「Green Dream Machine-MotoGuzzi V7 Cafe Racer」は美しい。
実はすごく短いリヤカウルでウィンカーもないし、テールランプから斜めに突き出したステーにナンバープレートを付けても、かなり泥は跳ねますし、斜めすぎて、日本の車検はどうかな…というレベル。
アルミタンクも一品もので叩き出した跡が、ニーグリップのえぐりのヘリに残っていたりします。
それでも、古さと新しさが見事に融合しているスタイルだと思います。
このままパワーソースがモーターになり、空冷電池での電動バイクであったとしても、受け入れられそうなスタイルです。





ゆきかぜの横向き。
11月19日の幌見峠からの夜景、カメラのフラッシュを焚いたバージョンで。
ガソリンを積み、重力落下させるタンク位置。(インジェクションになり、燃料ポンプが必須になって、その必然性はかなり削がれました。)
タイヤの巻き上げる泥を、あまり周囲に飛び散らせないための前後フェンダー。
二人が座りやすい高さと形状のダブルシート。
機能が必然的にデザイン要素になっていく、そんなデザインは、やはり時代が過ぎても、美しく見えるものだと思います。

バイクで走るのは、とびきり素敵な時間。
だからその相棒のバイクのスタイルも、とびきりのお気に入りのものであってほしい。
どんな美しさを目指すのか、それはライダーひとりひとりで違うと思うのですが。

3 件のコメント:

  1. KEI Cさん、こんにちは。
    バイクのコンセプトからすれば、ちょうどそういうことになるかもしれません。
    ただ、ブレバとV7Classicを比べてみると、
    たとえばステップ回りとか、タンクとリヤシートの盛り上がりとか、
    デザインのためのデザインの感が、ブレバの方が強く、むしろ
    V7Classicの方が素直な形に見えます。
    V7の方が、400SFに近いような感じもします。
    バイクデザインって不思議です。

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  2. う~む、各車比べてみると面白いですね。ブレバ1100は重そうなデザインですね。750ブレバは
    現車を見ましたが、軽快な感じでしたよ。
    V7クラッシックは擬縮感が有る感じで水平基調ですね。ホイールがアルミの一体成型ってデザインに
    大きく影響している感じがします。ブレバ750の3本スポークって大量生産向きでしょうけど
    デザインは没個性ですね~。

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    1. いちさん、こんにちは。
      キャストかスポークかという違いは、私には、デザイン上は「後付け」のように思えます。
      今や径が大きかったり、ダートでジャンプなどのあるモトクロス的用途でないかぎり、
      キャストの方が軽く、チューブレスにもでき、高性能なのは自明。
      V7もデザイン的な要素からスポークにしていますが、キャストのストーンもありますし。
      ゼファー1100もキャストがメインで後からRSのスポークを出していますし、
      最近ではCB1100もそうですよね。
      全体デザインのイメージを決めてからでも「変更できる」選択肢として、
      デザイナーは考えているように思います。(あくまで素人の考えですけれど…^^;)
      3本スポークキャストホイールは、当時は世界スタンダード。
      CBR1000RRもそうだったくらいで、
      ブレバも性能重視の選択だったのではないでしょうか。
      ブレバのコンセプトを考えた時には、それは至極真っ当な選択だったと思います。

      ブレバ、実際に見ると軽快だったんですね。なるほどです。
      バイクデザインって、写真などの2次元で見るのと、実際の3次元で見るのとで、
      全然印象が違うことも、多々ありますものね。

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