秋の歩みに。４

2019/10/14　12:47

丘に、牧草地が広がる。

2019/10/14　12:48

振り向けば、羊蹄山。

2019/10/14　12:51

丘と森の向こう、遠くに臨むのは、尻別岳。

2019/10/14　12:51

ここは、「望羊の丘」

2019/10/14　12:52

僕にとっては、ずっと、「秘密の場所」だった。

でも、ツーリングマップルの表紙になったり、ここで写真を撮る人も増えて、
もう「秘密の場所」とは言えなくなった。

だけど、いつ来ても、たいてい一人だ。

トイレも、売店も、何もない。ここに来るための看板もない、この場所は、
風光明媚な場所ではあるが、「観光地」として客を迎える顔はしていない。

2019/10/14　12:52

僕は運がいいのか、1人で訪ねる時は、いつも、ひとりだ。

2019/10/14　12:56

もう少し、丘を登った。

2019/10/14　12:56

風が雲を運び、雲は、影を丘の上に走らせる。
輝きと色彩を刻一刻と、変える丘。

2019/10/14　13:01

もう少し上った。
いつもの場所だ。

2019/10/14　13:03

こちら斜面の牧草地の端からは、森と尻別岳がこんなふうに見える。

2019/10/14　13:05

同じ場所から、羊蹄山を仰ぐ。

ここで、ゆきかぜを置いて、ちょっとだけ歩こう。

2019/10/14　13:09

もう少し、徒歩で歩いてから、振り返って見る。
ススキが手を振り、
南から、雲は羊蹄山へと、次々に流れてくる。

2019/10/14　13:11

同じ場所。
前方を望むと、ススキの道が続いている。
この道、ずっと進むと京極の街へをぐるりと回って出ていくのだが、
ダート区間があって、しかも万年水たまりのような部分がある。
木蔭を走るところでは、交通量が少ないせいもあって、路面に苔が出ているところもあり、バイク初心者には、少し手ごわい。

丘を降りる時は、素直にまっすぐ下りるのがいいようだ。

2019/10/14　13:14

さらに少し進む。
道が広がり、生け垣のような植生も一瞬切れる。広くなった簡易アスファルト舗装の膨らんだところにゆきかぜを停める。

秋の丘が羊蹄山へと進んでいく。

2019/10/14　13:14

尻別岳と、羊蹄山が並んでいる。
雲が南から迫ってきている。
そろそろおいとました方がよさそうだ。

2019/10/14　13:16

バイクをよけて、風景だけの写真を。


また来ます。

次は来年かな？

2019/10/14　13:40

さあ、帰ろう。
後はいつものルートで。

羊蹄山の北山麓を行き、赤井川へ抜けて、小樽方面へ、札幌へと帰ってゆく。

どこへ行くんだろう。

その問いは、消えている。

帰らなければならない場所があり、帰らなければならない時刻がある。

帰宅のモードになったとき、〈旅〉は終わる。

安全に帰ろう。大事にして。

2019/10/14　13:40

畑からけむりが上がると、秋も深い。

それは、冬支度だから。

もうシーズンは、長くても一か月。

あと何回走れるだろうか。

今年はいっそう、秋の歩みが早そうだ。
（秋の歩みに。　完）