2020年7月29日

夏・空・雲・風(3)

2020/7/26 9:14
塩狩峠は、三浦綾子の小説『塩狩峠』で有名だ。
身を挺して列車事故を止めたキリスト教徒の青年の実話をもとにした長編小説は、この駅につながる峠の急勾配線路の区間をラスト近くのクライマックスの舞台としている。

この駅を訪ねるのは、3回目だと思う。
20代の頃、GPz400F-Ⅱで。GPZ1100に乗っていた頃、そして、今回。

この駅の近辺には、塩狩峠記念館があり、これは三浦綾子の旧宅の復元移転したものだ。
また、2013年には、『塩狩ヒュッテユースホステル』が新たにできている。
人目千本桜という看板もあり、桜の木がたくさん植えられているようだが、僕にはよくわからなかった。

2020/7/26 9:15
駅は峠の頂上にあり、どちらも駅からは下りになる。
無人駅で、小さな駅だ。

2020/7/26 9:16
空が青かった。

僕は三浦綾子の熱心な読者ではない。
また、特定の宗教を持っていない。
(信じる心は尊いと思っている。)

この駅に来ようと、昨夜から決めて、
ここを目的地に走ってきた。

でも、ここに思い入れがあるわけではなく、
この地に来たと言っても、特に感慨があるわけでもなかった。


2020/7/26 9:18
では、なぜ、ここにこようと思ったのか。

静かな駅。
夏ぞらと、エゾゼミ、ウグイスのなく声。

これを求めてきたわけではない。

これを期待してきたわけではない。


2020/7/26 9:21
でも、これでいい。

旭川以南にいた時のあの重い雲は、もうなく、
青い空に、夏の雲が白く浮かび、
眩しい光と、風が、通り過ぎていく。




(つづく)

2 件のコメント:

  1. ご無沙汰しております。
    お元気そうでなによりです。
    こちらはコロナ禍と梅雨で全く走れずです。

    『塩狩峠』この峠を抜け1時間ほど走ると私の実家があり、
    昨年から母が旭川にいるので誰もいない実家が今でもポツンと・・・。
    今年の春からその実家の掃除をと予定したのですがこのコロナ禍で
    中々行けずで困っています。
    『塩狩峠』付近の国道は随分様変わりしてとっても奇麗になりました。
    昔、故郷から旭川に向う途中、父の運転する車でこの峠のドライブインに家族で
    立ち寄ったことをよく思い出します。
    その両親や姉のことがあり歳を重ねて実家に向うたびにこの道路は私にとっては
    なぜかとても切なく感じてしまうのです。旭川までは何も感じないのですが・・・。
    小説の『塩狩峠』は随分昔に読んだことがありますが、これまたとっても切ない話。
    この記事を読んで故郷を思い出す私でした。
    できる限り早く行かなければ・・・。

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    1. KHOGさん、お久しぶりです!

      CB!今でも元気で走っているんですね。
      新型コロナウィルス感染問題、早く終息するといいですね。

      KHOGさんの実家、このそばだったんですね。
      冬は寒いこのあたりですが、やさしい風景に感じました。

      峠に着く前、国道から逸れて旧道と思わしき道を少し走ってみたのですが、
      道がダートになり、草も深くなって山へと入っていく感じで、
      すぐに諦めてしまいました。
      旭川川からだと、きれいな2車線が、まっすぐに登っていく、
      そんな道ですね。

      ふるさとに、早く帰れるといいですね。

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