2020年7月6日

遁走だとしても(1)

昨夜のうちに準備をし、早めに寝て、朝は4時半に起きた。
でも、走り出せない。
何かエネルギーが足りない。
うだうだと考えているうちに、6時になった。
ひとりでパンをトーストし、コーヒーを淹れて朝食にする。
北へ走ろうと思っていたのだが、この気力、体力では明日が危うい。
近場に切り替え、早めに帰るようにしよう。
しかし、どこへ行こうか…。
いつもなら、あそこへ…とか、とりあえず東へ…とか、走り出せるとういうのに。
思ったよりも心身の疲労が蓄積してきたのか。



無理できないという理性と、今日走りたい…という思いと、すこし冷静になろうと、
ゆっくり朝食を摂り、深呼吸をする。

迷う。
これは珍しい。
でも、心は走りたくて、限界が近い。

走り出せば、走っていける。
悪い体調まで治ってしまったときも何度もあった。
でも、もうその若さは(…といっても40代後半から50代前半の話だが)、自分の中で
徐々に失われてきている。
判断を誤れない。

とりあえず、昨日の準備を確認し、走り出す前の点検を行う。
超スローパンクチャーに見舞われた経験から、走り出す前の空気圧点検は今シーズン、習慣になっている。大丈夫、前後とも正常。2.5k。

2020/7/5 8:25
午前7時。
とりあえず、走り出した。
どこに行くか、きめられないまま、街を流す。このまま気持ちが乗らないようなら、引き返して家で大人しくしておく。
ふと、海が見たくなった。
そうか。
海か。
本当は稚内まで行くつもりだったのだ。それだって。山というよりは海だ。
もう少し近場の海…。

積丹か。

積丹半島へ、久しぶりに行ってみることにした。

札幌から国道5号を小樽へ。
小樽から国道の一本中の広域農道を走って余市へ。
そこから積丹方向へ入った。

すでに、多くの車やバイクが走っている。
積丹半島へ向かう車やバイクが多いようだ。

半島に入ってすぐ、ろうそく岩のところで停まって休憩を。

2020/7/5 8:26
バイクを停めて、ちょっと休んでいると、漁船がかなりの速度で走っていった。
小さな船に大馬力のエンジン。
漁船には、そうした組み合わせで高速移動するものも多い。
僕の知らない、漁業の世界が、広がっている。

2020/7/5 8:27
ろうそく岩が見えた。
積丹には奇岩がたくさんある。
昔は海岸線を走ると、そうした奇岩の側をたくさん通ったものだが、その道は道幅も狭く、時化ると通行止めになり、トンネル内はいつも濡れていて危険な道だった。
積丹は、相当に厳しい所、札幌から遠くないが、陸の孤島ともいうべきところでもあった。
道路はいつも工事中で、改善、改良が続けられたが、1996年の豊浜トンネル落盤事故は忘れられない。

積丹半島は道路が改善され、多くのトンネルが長く、山側を通るようになった。
断崖に張り付き、荒れる日本海と山塊の間に挟まれて半島の先へと進んでいくあの道は、もうない。
観光客も行きやすくなったが、半島から小樽市や共和町への行き来が大幅に改善されたのは大きい。
生活の基盤や、いざという時の避難、緊急車両などの通行が安心してできるようになったのだ。

しばらく、ろうそく岩をぼんやりと眺め、また出発した。

途中、古平の街を抜ける時、たくさんのグループツーリングのライダーたちを見かけた。
古平の街でも、美国の街でも、鮨屋の前に行列ができていた。
確かに、積丹半島の鮨屋は、何件か伝説的に人気の高い店があるらしい。
そうか、それでこの時間から道も混んでいたのか…。

美国を過ぎると、道が比較的すいてきたのだが、
積丹半島の北東の先、積丹岬まで行くと、駐車場は車が一杯。
人も多くいて、島武意海岸へは行かなかった。
美しい海岸なのだが、またの機会にしよう。

2020/7/5 9:39
積丹岬から積丹半島の西北端、神威岬までは、美しい海岸沿いを走る快走ルート。
少し流して、時々停まる。

2020/7/5 9:45
神威岬まであと少し。
カムイ岬のシンボルの神威岩が見えている。

2020/7/5 9:53
カムイ岬へ続く、駐車場へ行ってみた。
ここもたくさんの車、たくさんの人がいた。岬へ行く遊歩道も混んでいることだろう。
岬へ行くのも今日はやめることにした。

代わりに道路脇から、海を眺めた。
青い。これが「積丹ブルー」。


2020/7/5 9:55
レストハウスが見える。
車で一杯だと思ったが、第2駐車場(?)はがらがらのようだ。
あれでも少ない方だったのか。
最高に混むときは、たぶん、ここも一杯になるのだろう。


2020/7/5 9:58
岬に上がってくる道を見返している。
かなりの急な下り坂。左下から右上へ、岬を回る国道229号線は、トンネルで右端の山を越え、海岸線に出る。

2020/7/5 9:59
こちらは東の方向、見えているのは積丹岬。先端が島武意海岸のあるところだ。
積丹まで来て、積丹岬も神威岬も行かないことになった。
それにしても、小さな半島だというのに、この山塊のスケール感は、荒々しい。
昔、本当に昔には、巨大な岩礁、岩塊だけの半島だったのではないだろうか。

それにしても見えている道路は、よくもこんな立派な道を通したものだ。
元々交通量のごく少ない地方だったところに。
手前の小さな岬の先に出ているのは、漁港の突堤だ。
大規模な工事を見ても、その大きさには圧倒されるが、こういう小さなところにも、
人の力の大きさを考えさせられたような気がした。

つづく。

2 件のコメント:

  1. この気持ち分かる気がします。
    いざ、行こうと思うのだけど思い浮かばない。計画していた事も飛んでしまい、悩む。
    そうすると、心の底にポッと浮かぶ光景が在る。非常にシンプルな動機になる。この場合は海がキーワード。何処でも良いわけでは無い。近場の銭函や石狩の海では満足出来る答えが無い。そしてある程度遠くの海となる。そこは普段行かない所で何となく満足出来るのでは無いか?と思う。
    特別、期待するわけでも無いけど、普段とは何かが違う非日常の世界への入口。
    バイクで自由に走るとは、その世界に到達する手段でしょう。憧れにも似た感情が湧いて来ます。
    こんな時こそバイクに乗る意味が分かるよね。

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    1. いちさん、こんにちは。
      バイクに乗る理由は、人それぞれ、でも、どこか共通しているところもある…。
      いちさんの思考、感覚…。なるほど…と、拝見しました。
      日々をなんとかしなくてはいけない「普段」とは違う「非日常」へのジャンプが
      バイクであるというのは、そうかもしれないなあと思います。

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