2020年7月8日

遁走だとしても(3)

積丹半島を南下。泊村を過ぎ、共和町を過ぎて国道5号に入った。
このまま倶知安まで行って赤井川から帰る…というつもりだが、喉の渇き。
気がつけばお腹もすいている。朝6時にトーストを食べたきりだからそれもそうか。
何となく走りながら、でもまず、どこかの自販機で水分補給を…と思っていたら、
共和町の「ワイス温泉」という一件だけある温泉の建物の側に、自販機が見えた。

2020/7/5 12:05(写真を撮ったのは食後)
コーラでも飲もうか、と停めると、そこはドライブイン。
「ドライブイン」という存在も、忘れていた。道の駅にとってかわられたかと、思っていたのだ。
でも、やってるかどうかもわからないし…と思ったらのれんが出ている。
入り口に張り紙があって、日曜は麺類しかないと…。
店に入ると、ご年配のカップルがざるそばを食している。
この方々が経営者かと思い、
「こんにちは」と声を掛けると、「いらっしゃいませ」と別の方から声が。
カウンターの向こうに広い厨房があり、人が3人いらして、迎えてくれた。
カウンターの上にあるメニューを見て、今の僕はそばよりもラーメンという感じだったので、角煮ラーメンを注文。

トイレを借りた。
きれいなトイレ、出てくるとテーブルの上に角煮ラーメンが来ていた。


器が大きい!
写真にすると普通に見えてしまうのだが、ヘルメットと比べてみてもかなり大きいことが分かると思う。
そこに、豚の角煮がこれも大きいのがどかんどかんと入っている。


食べてみると、これが、とても美味しかった!
あまり食レポみたいなことはできないが、とても美味しくて、量も多くて、満足だった。
980円は、この量、特に角煮の巨大なの(ほぼ立方体なのだ)がどかどかと入り、味もとてもよく沁みていて柔らかく、野菜もメンマも、とにかくおいしかったのだ。

ツーリングで食堂に入ること自体、めったにないことなのだが、それでこのラーメンは大当たりだった。
お腹も一杯。大満足で店を出た。

お腹もいっぱい、喉の渇きも癒えた。
でも、頭痛は頭の奥に残っている。一度痛くなってしまうと、完全に消すことはほぼできない。
それはツーリング中のお尻や背中、手の平の痛みと似ている。
現状改善は難しく、いかに悪化を最小限に防ぎつつ進むか…しかないのが、バイクツーリングの身体の痛みという奴だ。

このまま淡々と帰るつもりでいたのだが、目の前に道道604号線がある。
この道は、いつも拝見している『此先松倉』の緒崎さんが、確かベストに上げた道だ。
僕自身も好きで、何度か走りに来ているのだが、「ちょっと通っていこうか…」という気になってしまった。
明らかな大回り、遠回りである。
でも、クルージングでない走りを、心身が必要としていた。

で、道道604を走った。
時々見た二輪車事故多発の看板。
パトカーや白バイが張っているとのうわさもよく聞く。

今日は慎重に。ゆっくりでいいのだ。リズムさえ取れれば。

写真を一枚も撮らずに走ってしまった。

道道604は道道66号へとぶつかる。
そこから南下してニセコの山を越えていくのがニセコパノラマラインだ。

これもツーリングやドライブの推奨ルートとしてよく登場する道だ。
昨年秋にも通っているが、今年は初めて。
ここで動画の撮影に挑戦したのだが、失敗。
映ってなかった。
動画はまったく、思った通りにならない。

2020/7/5 12:38
パノラマラインの眺望の効くところで。

2020/7/5 12:38
ゆきかぜは姿勢が美しいと思う。
僕の原バイクのイメージは、CB750fourやZ2なので、今時の後ろが跳ね上がっていたり、後ろが短く小さいバイクは、感覚がついていかないのだ。

齢をとったということなのかもしれない。
それは順応性が落ちたということなのかもしれないが、もしかしたら、人は皆、自分の人格が形成された幼少期から青年期までの感覚を、誰もがベースにして生きていくのではないだろうか。
齢をとったというのは、僕のその時代の感覚が、もう2020年の感覚では世界の今には届かないということなのだろう。
webの世界しかり。
僕もブログを書いて13年以上経った。YouTubeまで去年から始めている。でも、僕の感覚は1970年代のままなのだと思う。
もしこの先、スマートフォンを使いこなすようになっても、完全キャシュレスで快適に暮らすようになっても、僕の感覚は、もう時代とシンクロしないだろう。
それは、また別の話なのだ。

2020/7/5 12:48
パノラマを少し下って五色温泉方向へ。
そこから裏パノラマを下って、倶知安から裏道を使いつつ、国道393へ合流して赤井川村へ。
そして393で毛無峠を下って札幌市方面へ帰る。
その道にした。

頭はまだ奥がいたい。
ズキズキする。

この痛みも当分消えることはないだろう。

ヘルメットを脱ぎ、こめかみや首筋をぐりぐりする。
風に当て、深呼吸を繰り返す。
そう、少し楽になる。
痛みが強くなるようなら、ライディングは控えなくてはならない。
以前、痛くて走れなくなった時もあった。あれは、10年ほど前だったか。
僕は頑固な頭痛持ちなのだ。
おまけに腰痛持ちで頚椎ヘルニアだ。
しかし、ケアを続けることでここ数年、腰痛の激しいのにはご無沙汰している。
頚椎ヘルニアも、根治とはいかないが、支障ないレベルで推移している。

2020/7/5 12:50
もともと、28歳の終わりに交通事故で折った肋骨や鎖骨は曲がってついてしまって、いびつになっている。
そのひしゃげた胸とも、もう30年の付き合いだ。
それでもなんとかやって来れている。
それにしても、身体を冷やすまいと気をつけて来たが、今日の天候は逆に熱中症に注意が必要かもしれない。
水分を多くとり、ウェアから風を入れて体を冷やしながら行こう。


2020/7/5 12:50
ゆきかぜを見る。
動じていない。
当たり前だ。機械だから。

この機械はMade in Itaryで、日本製に比べれば、壊れないことへの絶大な信頼感は、確かに薄い。
実は今日も、神威岬あたりでどうもシフトタッチが悪い…と思ってみてみたら、シフトペダルのつま先をかけるペグが、ネジが緩んでガタが出ていた。
その場で締め直して、カチッとしたタッチは復活。
でも、走っていて、ウィンカーのネジが飛び、プランプランになったことも何度かある。(3回だ)

それでも、
不思議だ。それでも、こいつは信頼できる。
土砂降りの雨でも、ちょっとした強風下でも、疲労が蓄積した時でも、ダートを走るはめになっても、こいつとなら、帰っていける。

そう思わせるのだ。
ゆきかぜ。

さあ、帰ろう。
無事に。帰り着こう。

そして、また、走りに出よう。
走ることでしか、確かめられないものがある。
走ることでしか、埋められないものがある。
走ることでしか、たどり着けない気持ちも。
振りほどけないしがらみや、自分でもどうしようもない嫌悪感や、怒りや憎しみも。

そう、僕は、走って生きてきた。
僕が僕であるために、必要なもの、どうしても譲れないもの。
その3つの中に、走ることが入っている。
だから、また、走りに出よう。
安全に気をつけて、無事に帰り、また再び走り出せるように。

それが、逃げ切れない現実からの遁走にすぎないとしても。

いつでも走りの中から答えは見つかったのだから。

(遁走だとしても 完)

2 件のコメント:

  1. 豚の角煮!美味しそう!
    コチラにも良いラーメン店を見つけました。近々いきます!
    https://maps.app.goo.gl/5pQ28W7REhVwyFSu7

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  2. tkjさん、こんにちは。
    常滑チャーシュー!美味しそうですね。
    また、よく見つけましたね。場所といい、構えといい…。
    レポート!楽しみにしています!

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