2017年4月23日

4月の支笏湖線

2017年4月23日(日)朝4時からMOTOGPの予選を見た。
6時半から妻と朝食を摂り、7時半に我が家を出る。
10時半まで時間がある。支笏湖へ行ってみよう。
夜中降っていた雨もさっき上がったようだ。
2017/4/23  7:32


気温4℃。
路面は完全ウェット。
ニュータイヤになって部分的に濡れた路面は走ったが、完全ウェットは初めてだ。
朝、ちょっと寄り道して給油してから支笏湖を目指した。
給油は昨年の11月以来。その間、ずっと古いガソリンがタンクに入っていて、そのまま使っていたことになる。
今回も満タンで10ℓ入らなかったから、古いガソリンはまだまだ残っているのだが、半分以上新しいものと「ブレンド」されたわけだ。ガソリンもタンク内で数年放置すると酸化(腐敗)してものすごい悪臭を放ち、インジェクションを詰まらせるという。
半年以内だから経験的にも大丈夫とはいえ、次の給油も早めにしたいものだ。

さて、タイヤは予想通り、ウェットでも安心感に満ちていて、不安を感じさせない。
もちろん、ドライのような運転はしていないが、「今にも滑るのではないか…」という感覚を覚えさせないのだ。
気温5℃以下の低い中でのウェット走行だからタイヤ温度も上がらない状態だと思うが、感覚に違和感はなく、神経性の疲労はかなり軽減されると思う。
過信は禁物だが、やはりメッツラーのツーリングタイヤは寒さやウェット路面にとても強くできている。

今朝は寒く、先週は雪も再び降ったとはいえ、札幌の街中は春の気配が濃い。
郊外に出てもそんな感じだったが、国道453号、支笏湖線に入ると、冬と春とが同居したような景色となった。
少し高い所を走ると、路面に雪はないが路肩にはまだ残っているところも多く、樹々の芽吹きはまだ、先のようだった。
2017/4/23 8:32
それでもこの空気は、もう冬のものではない。
風景ももう、春へとバトンを渡してしまい、大急ぎで冬が立ち去る身支度をしているかのようだ。

そして改めて思うのが防寒ウェアの性能の高さだ。
僕のウェアは去年から
ペアスロープのRT-30W
写真はペアスロープのHPから引用。
同じく、写真はペアスロープのHPから引用。
これが、3℃~7℃の中で走り続けても、体を凍えさせない。
アンダーウェアにユニクロの「極暖」を着ていたとはいえ、すごい保温力だ。
電熱ウェアの方が軽く、かつ暖かいのだろうが、僕に関して言えば、その必要を感じないほどだ。
ライディングの姿勢をとったときにそでや胸、背中などにストレスがかからないのもいい。これも長時間では疲労に効いてくる要素だ。
以前のウェアも20年持ったので、今回はどれくらい行けるか、楽しみだ。

2017/4/23 8:42
カーブを曲がると、正面に雪を頂いた山。
まだ雪の残る白い斜面に、針葉樹は緑、広葉樹は芽吹き前のかすかに色づいた春の支度を整えている明るい枝の色を見せ、一年でも今だけの表情で迎えてくれた。

おもわず、後ろを確認してゆきかぜ(僕のモトグッツィV7Special)を停める。
僕の写真では、早春の山の雪の輝きを収めることはできなかった。

走っても、停まっても気持ちいい。
寒くても、春を感じる。もうすぐそこまで来ていることを。
2017/4/23 8:44
これだけ濡れた路面でも、不安なく走れるV7とメッツラーレーザーテック(前)、
スポルテッククラシック(後)の組み合せ。
この銘柄ミックスは変な感じもするものの、V7のハンドリングに関して言えば、正解なのかもしれない。

しばらく冷たい風に吹かれて、風景を満喫。
それからもう一度、ゆきかぜにまたがり、スタートした。

2017/4/23 8:54
支笏湖は晴れていた。
ポロピナイのパーキングには、バイクの姿は一台もなかった。

2017/4/23 8:58
休憩所の奥の方にも、今日は車も少なく。
ここからバイクを入れて湖面の写真を撮ったのは今日が初めてだった。

支笏湖は静かな湖。
にぎわっているときでもどこか静謐な感じが漂う。
今日はさらにそれを感じた。

ひとりで走ることに、こだわっているわけではない。
ただ、ひとりで走るときだけに訪れる瞬間というものもあって、
僕にはそれが、時々、どうしても必要になるのだ。

風景と、マシンと、僕だけの世界で、深呼吸するときが。

2017/4/23 8:58
ゆきかぜを眺めながら、しばし、佇む。
フロントシングルディスクも、制動力に不足は感じない。
リヤの比較的大径のディスクも、ロックしにくくてコントローラブルだ。
バッテリーとエアクリーナーの上に置かれたシート。そのままリヤフェンダーの上は後席用に。
今やインジェクションで燃料ポンプでの圧送は必須となったから、燃料タンクがエンジンの真上にある必然性はない。しかし、燃料タンクを置く場所としては、ここが一番「落ち着く」ように思う。

「ネオレトロ」セグメントの一員として、1970年代のスタイルをマーケティング上の理由からまとい直したブレバ750、それがV7の出自なのだが。
……そうだとしても、モトグッツィの人々は、それを嫌味なく仕上げてくれたと思う。
そして、走りも見た目通りのものだ。
このマシンはほぼ、裏切るということがない。

そんな存在には、僕自身はどうやってもなれそうにないのだが。

だが、5℃を切る気温の下でも、雲が切れ、降り注ぐ陽射しを背中に受けながら、
そんなことを考えても、不思議とマイナス思考にはならない。
どんなことを考えていても、どこかに心地よさがある。
バイクを走らせるということが、徹底的にリアルなことだからだろうか。
現実から乖離したマイナス思考にはならないのだ。

バイクで走ることは、いつも心地よい。

2017/4/23 9:08
さて、10時半までに帰る。
ゆっくり走っていい時間配分だ。
気持ちも余裕がある。
景色を見ながら、ゆっくり走った。

2台の車に道を譲り、1台の車に譲られた。
ゆっくり。
空は晴れ、路面は乾いてきた。
2017/4/23 9:18
漁川系の川、橋を渡ると、林道の入り口。
向こうに見えるのは漁岳か。
ゆきかぜは写真右端近く、停まっている車の近くに。

2017/4/23 9:20
重ねた丸太が雪の下から出てきて。
やはり春だ。

春を見ないと、気持ちに春も来ないものだと、改めて思いながら。

まだまだ時間に余裕はある。
ゆっくり走って、帰って行こう。

6 件のコメント:

  1. こんにちは^^
    早朝からの3時間、生き生きと楽しむ樹生さんの微笑みを想像してしまいした^^
    一つ一つを確かめながら走る、相棒も季節も。なんだかとても共感します。
    走り終えて残る余韻もまた楽しまれたのでは?^^

    「春を見ないと、気持ちに春も来ないものだと」・・・
    私もそう思います。
    走れることがとても幸せに感じます^^
    そう思いながら読ませて頂きました。
    この日の空は本当に綺麗でしたね。

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    1. selenさん、こんにちは。
      気持ちよかったです。
      おっしゃる通り、疲れもないせいか、
      走り終わった後の余韻もとても楽しめました。
      自宅についてからの珈琲がまた、おいしく感じて。

      日曜日は晴れて、空がとても気持ちよかったですね。
      私が走った頃が、雨から曇り、そして晴れへと移り変わっていく
      時間帯だったようです。

      それにしても、気持ちよかった。
      温泉好きな人が温泉に入る気持ちって
      こんなのかなあ…なんて思いました。

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  2. 朝は雨が降っていたので午後、遅く支笏湖線に乗り入れましたが
    行楽客の車でスローペースでした。この早い時間に行っていたんですね!
    路面の状況はウェットとの事。新しいタイヤのウェットインプレに
    なりましたね(笑)
    感触は自然な感じのようですね。タイヤが水で温度が下がっても安定感の
    あるハンドリングをキープ。大事なところです。
    ロングツーリング先での突然の雨でも、慌てる必要は無さそうです。

    早朝はいいですよね!支笏湖はソロで行くと雄大な景観が刻々と表情を
    変えて神秘的です。札幌の近くでありながら自然が保たれているのはココ
    ぐらいかな。

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    1. いちさん、こんにちは。
      午後は混んだんですね。
      あんだけ晴れて気持ちよければ、車も出るかと思います。

      雨の路面でもニュータイヤは心配なく。
      若いころに比べると、本当にタイヤは進歩したなあ…と思います。

      静かで気持ちのいい、朝の支笏湖でした。

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  3. おばんです。
    綺麗な写真ですね~。
    私も月曜日に支笏湖に行きました。
    晴れても中々の寒さですね。
    この時期の支笏湖はとってもいい感じです。
    また行こうと思います。

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  4. KHOGさん、こんにちは。
    この日は寒かったです。
    昨日今日と、札幌は暖かくて、一気に春って感じになってきましたね。
    気温的に走って一番気持ちいい季節まで、もう少しですね。

    支笏湖、きれいでした。
    いつも静かで、いいですね。

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