2019年9月29日
石狩逍遙 赤ダモの一本木
セイコーマートでカツ丼を食した後、僕等は石狩市、生振(おやふる)にやってきた。
道道508号を、茨戸川(ばらとがわ)を渡って北上すると、すぐに左手の倉庫群の中で頭をのぞかせる大きな樹が見えてくる。
倉庫前にゆきかぜを停めて、赤ダモの一本木と対面だ。
この樹は、一度訪ねたことがある。『北海道の樹を訪ねて―2―石狩市 赤ダモの一本木』。
2007年3月。まだ雪が多かった。
今日は葉をたくさん繁らせている。
大きな木蔭。
大きな樹だ。
この樹は北海道の記念保護樹木に指定されている。
2007年に来た時に比べると、看板が新しく更新されている。
その時は雪が深かったが、たぶん柵も新設されたのではないかと思う。
ゆきかぜはだいぶ手前にある。
この樹は、高さもかなりある。
こちらから見ると、縦に長く見えるが、さっきの角度だと、高さよりも広がりが意識させられた。
枯死した大枝を切った跡も、何か所か見える。
すぐ近くに道路。
倉庫。
アスファルトで固めらた地面は雨水が浸透せず、陽に灼かれると猛烈に熱くなり、根を殺す。
相当に過酷な環境の中で、生命を保持し続けている。
堂々とした幹。
立ち姿。
この樹が伐り残されたというのも、分かる気がする。
密集した森の中では、樹形は横に広がらず、太陽を求めて縦に細長くなる。
この樹のようにどしっとして、本来は球形に近いであろう樹形を持っていたということは、たぶんこの樹は森の中心的存在で、周囲は開けていたと思われる。
もしかしたら、森の中でも例えばアイヌの人たちの集う広場のような場所の、シンボル的存在だったかもしれない。
いずれにせよ、伐りたくない、伐るのが惜しい、そう思わせる樹だったのだろう。
主幹の一部は朽ち始めており、この樹の生命がかなり傷んでいることを思わせた。
しかし、葉は繁り、一本だが、周囲には森のような匂いがかすかにする。
向こう側は生降の平野。さらに向こうのビル群は石狩市の中心部と札幌市街地。
柵の側に立てられた赤白のポールは、雪が積もった時、ここに柵があるとの目印。
除雪機で柵を壊さないようにするためだと思われる。
こう見ると、のびやかだ。
樹齢300年。ハルニレとしては、まだまだ生きる樹齢だ。
少しでも長く、健やかでありますように。
立ち去る前に、僕なりの挨拶を。
さて、生振の一本木から少し北上。東に向かってどん詰まりまで走ると、石狩川の堤防に上る。
でも、そこでおしまいだ。堤防のこの区間は一般車は通行止め。
歩行者や自転車はいいが、バイクはだめだ。
登り口で写真だけ撮ったら、退散しよう。
こんな風景が、札幌市の中心部からわずかの所に残っているなんて。
まだ借り入れていない田んぼも多かった。
しっかりこうべを垂れている。
いい実りでありますように。
生振を道道508号線沿いに走ると、元石狩川だった茨戸川に出る。
蛇行した川を直線化して排水を促し、湿地帯を乾燥させて開拓した。
今だったらラムサール条約にかかるような、巨大な湿地帯だっただろう。
石狩平野、札幌市、石狩市には、泥炭の湿地の排水のために作られた人工の川が何本も走っている。
これは、西を望んでいる。
遠くに大型の風車が林立している。
風力発電の風車は、道内でもこの10年で相当に増えた。
さて、国道231に出て、石狩河口大橋を渡ったら、道道81号線に乗って当別方面へ向かい、さらにすぐに北へ折れて石狩市の高岡方面へ向かう。
高岡郵便局を過ぎて、十字路を直進すると、道道527と合流する。
そのまま進もう。
なんてことない、田舎の風景だが、樹々が色付き始め、秋が深まっていることを教える。
どうしてここに、しかも右側で止めたかというと、(すみません><)
刈り入れ前の田んぼ、色づき始めた樹々。
今だけの、風景にちょっと心惹かれたから。
今日は、走り続けることよりも、ぷらぷらすることを優先。
この色の濃さは、今だけのもの。
来週来たら、もう違う色、違う風景になっているだろう。
さてさて、
道道527を進んで日本海側の望来に出る直前、広域農道とクロスするので、そこを左折して今度は農道をさっきの高岡へ帰る。
やっぱり途中、何回か止まったり、歩いたりしながら。
秋の輝き。
体調が良ければ遠乗りしたかったが、今日はこんなものだ。
走れてよかった。
高岡で、古い二階家を見つけて停まる。
煙突は石炭の、ペチカだろうか。
ひさしを構成していた部分が朽ちている。
それでも残る、ファンタとコーラの看板。
BOSSの自販機がやたら新しい。
コスモスは、植えられたもの。
まだ午後1時半。
でも、今日はもう帰ろう。
しっかり休んで、月曜からの仕事に備える。
全行程わずか80km。
お昼時、3時間の石狩逍遙。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿